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2018/10/17

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  • (小説)今日から派遣第3話「常用雇用型派遣」①

    次の日僕は初出勤の為、送迎バスに乗っていた。僕が所属することになった物流課は、国際空港の敷地内にある輸出入貨物が集約している「貨物地区」と呼ばれる倉庫が立ち並ぶ区域で業務を行う部署だ。そこでフォークリフトオペレーターとして従事することになっている。物流課を管理している事務所と実際業務を行う場所は別ということで、いったん事務所の方へ来てくださいと尾田係長に言われた。 「白浜さーん、着きましたよ」 送迎バスの運転手が声をかけてきた。僕は急いでバックを手に取ると運転手に会釈してバスを降りた。そこには2階建ての雑居ビルが建っている。自動ドアの横の表札を見るといくつかテナントが入っている。エアカーゴクリ…

  • (小説)今日から派遣第2話「入社」③

    今日は新人研修の日だ。場所は研修センターで寮から会社の送迎バスで1時間はかかる。研修開始は午前9時。送迎バスの出発時間は7時20分だった。僕は6時半に起きて少しバタバタしたが遅れずにバスに乗り込んだ。するともう乗っている人が5人いた。みんな一緒に研修を受けるメンバーだった。4人が男性で1人女性がいた。一人だけ30代半ばと思われる男性がいたがその他はおそらく20代だ。僕は軽く会釈をして空いてる席に座った。もう何人か乗ってくるかと思ったが僕が最後だったようでバスは出発した。 僕も含めて新人のみんなは緊張しているようだった。バスの中は重い空気が流れている。一人ぐらい陽気な人間がいて話しかけてくるとも…

  • (小説)今日から派遣第2話「入社」②

    上空から見る国際空港はまさに要塞だった。この中で僕は働くのかと思うと不安と期待が交互に湧き上がってきた。自分のフォークリフトの腕がどこまで通用するのか。世界中からやってくる貨物を取り扱うはずだから田舎の冷蔵倉庫とはわけが違うというのは想像に難くない。おそらくてんやわんやでパニくるはずだ。しかし見送ってくれた母のためにもやるしかない。 飛行機が着陸して空港に降り立つとまずは尾田係長に連絡を入れることになっていたのでさっそく連絡を入れた。 「もしもしお忙しい所すみません。今日入寮します白浜と申します。今空港につきました」 「ああ白浜さんですね。お疲れ様です。今ターミナルのバス停前にいるのでそこまで…

  • (小説)今日から派遣第2話「入社」①

    それから数日僕はハローワークに顔を出しながら面接の結果を待った。ハローワークから帰って家でTVを見ながらカップラーメンを食べていると玄関のポストに何かが入った音がした。僕は玄関に小走りに向かいポストの封書を手に取った。裏面にエアカーゴクリエイティブの記載があった。ついに面接結果が来た。急いで封をきり中の書類を見た。 ”審査の結果、白浜様を契約社員として採用することに決定いたしました”と記載されていた。僕はどうやら採用されたようだ。一気に肩の力が抜けた。とりあえず収入のメドは立って今日はゆっくり寝れる。それだけでも前進だ。 母が仕事で返ってきたので合格したことを伝えると一安心した表情でとても喜ん…

  • (小説)今日から派遣第1話「派遣社員になったきっかけ」⑤

    今日は「株式会社エアカーゴクリエイティブ」の面接日だ。正社員ではなく契約社員募集だったが、自分のスキルが生かせる仕事でなかなかの高収入が狙えるだろうと思って応募した。まずは履歴書を送ってくださいということだったので事前に履歴書を送ったところ、ぜひ面接させてくださいということになった。しかも出張面接ということで僕の地元まで面接官が来てくれることになった。場所は中心街にある駅前ホテルのカフェだ。 僕はスーツに身を包んでホテルのカフェで待った。この日は8月初旬で猛暑だった。暑さと緊張でホテルに来るまでに汗だくになってしまった。汗をぬぐいながら自己紹介やら自己アピールやらを頭の中で反復する。上着を脱ぎ…

  • (小説)今日から派遣第1話「派遣社員になったきっかけ」④

    僕は宮田リサイクルカンパニーの他に後日3社面接を受けた。 1つ目はグラフィックデザインの補助の仕事。僕は学生時代、野球の他に絵やデザインに興味があった。歴史の教科書の人物に落書きをして友達をよく笑わせたものだ。そんな奴はそこら中にいると言われればそれまでだが、まったく興味のない仕事をするよりはマシだと思って未経験可の募集に応募してみた。 結論から言うと撃沈した。デザイナーの男性と広告代理店の女性社長に面接をして頂いた。社長曰く、募集していた職種の担当の人が妊娠して休んでいるのだが復帰するかしないかあやふやらしい。だから僕をすぐ採用できるかわからないという。 僕は「だったらなぜ募集をかけた!?」…

  • (小説)今日から派遣第1話「派遣社員になったきっかけ」③

    今日は金属リサイクル企業「宮田リサイクルカンパニー」の面接日だ。 着なれないスーツと書きなれない履歴書を装備して、車で面接に向かった。開けた車の窓から塩のにおいがかすかに香る。港湾業務とあって港近くにある社屋が見えてきた。大型クレーンが何台も青空にそびえたっていた。車で会社の駐車場に入るとすぐ横がもう作業場だった。僕は目を疑った。 金属の破片の山がいくつも見えた。足の踏み場もないほど破片が散乱しており、それを踏み潰すようにたくさんの重機がうごめいていた。はっきり言っていつ重機が横転してもおかしくない状況だった。僕はなんとなくいやな予感がした。 車を停めて事務所の玄関に向かうとき作業者数名とすれ…

  • (小説)今日から派遣第1話「派遣社員になったきっかけ」②

    さてどうしたのものか。 バイトは辞めたはいいが仕事のあてがない。母親には急にバイトを辞めるなんて職場放棄だ、いい大人のすることじゃないと25歳の僕に言い放った。腹が立ったがその通りだ。それで母親にとにかくハロワークで失業手当の申請をしてこいと言われたので、僕は人生で初めてハローワークに向かった。 ハローワークは人でごった返していた。失業率数パーセントでもこんなに失業している人が多いのか。老若男女、スーツを着た人やらヒップホップファッションに身を包んだ人やら子供をおんぶしている母親やら様々な人がそこにはいた。しかし全員に共通したことが一つあった。それはみんな暗い顔をしていることだ。 やっぱり失業…

  • (小説)今日から派遣第1話「派遣社員になったきっかけ」①

    なんで僕だけが。 そんな不満がたまりにたまっていた。約三年がんばってきたバイトだったが辞める時が来た気がしていた。僕はスーパー、コンビニの冷蔵品を扱う物流倉庫の深夜バイトをしていた。不満の根源はガソリン代だった。配送先が一か所だけ遠方で、かつ配送物品が少数だったため僕の自家用車で配送していた。そのガソリン代がまったく支給されないでいた。 一時的なことだと思って我慢していたが、いつまでたっても変わらなかった。社用車が一台あるのに今までそんなシステムは存在しなかった。こんなシステムが私の代で始まってしまった。このままでは会社の為にならないし、このような事が伝統にならないように僕は所長にある日訴えた…

  • 派遣社員とは

    派遣社員とは派遣会社に在籍して実際に業務を行う会社に派遣されて働く社員のことを言います。 例えば✖✖派遣会社のA君が〇〇物流会社で派遣社員として働くとします。この場合A君は〇〇物流会社の中で業務をすることになりますが、〇〇物流会社の社員ではありません。あくまでも✖✖派遣会社の社員です。 派遣社員が働くと〇〇物流会社から✖✖派遣会社へ派遣料が支払われます。それが派遣社員の給料になります。 〇〇物流会社はなぜ✖✖派遣会社と契約するのでしょうか。それは人件費削減です。 あなたが社長ならボーナスをたくさん払わないといけない正社員を雇うより、ある程度だれでもできる仕事なら派遣社員に働いてもらったほうがそ…

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