詩【休憩室】
窓の外、空は曇っていた 今日は早く帰れそうになかった 曇り空は色が単調で、心が休まった 周りのものが急にゆっくりになった気がした 僕の無邪気な下僕たちが 硝子をすり抜けて行った 煙突を我先にと上り切り 腰かけて、両手を広げる 僕は曇り空を 真似しようとしたけど 食道やら腸やら骨やら血管やら 全部足し合わせたら やっぱり良い人になってしまった 下僕たちは渋々帰ってくる 珈琲カップをゴミ箱に捨てる ぐぐぐんと時間が明るく速くなる 踏ん張らないと流れてしまう 食い過ぎていた休憩室は 最後に僕を吐き出した 僕の肺にはしばらく 曇り空の欠片が刺さっていた ランキング参加中詩 ランキング参加中言葉を紡ぐ人…
2025/06/14 12:44