日々の恐怖 2月23日 ガキの頃の話 (8)
日々の恐怖 2月23日 ガキの頃の話 (8) Sは雨の降る中一人、あの山に出掛けた。さすがに一人で神社へ近づくのは怖かったらしく、しばらく周りを散策しながら当てもなく山道を歩いていた。それらしい家も見つからず、飽きてきて帰宅するために山を降りるはずだった。 いつも通りに山を下れば数分で民家へ繋がるような何てこともない山道を、その日は何故か違うルートで下った。このルートも大したことはない。何度か俺たちも通ったことはあるが、単にたどり着くのが自分たちの住む村の反対側だから遠回りという理由で滅多に選ばないルートであるだけ。 その別ルートを下ったさきに数件の空き家があることも、俺も含めみんな知っている…
2025/02/23 11:46