第六話 花火を描くペン先 ひと夏の恋・再会
第六話:花火を描くペン先 物語を書くのは、十年ぶりだった。 指はたどたどしく、頭の中は散らかっていたけれど、書くこと自体が、こんなにも心を温めるものだとは思わなかった。 ふと気づけば、窓の外は茜色。 一日中、ノートと向き合っていたらしい。 ペンを置き、肩をほぐしながら、澪のことを思う。 あの夏、彼女は何を思い、何を遺したくて、僕の前に現れたのだろう。 “ありがとう”——その言葉の重さが、…
2025/06/14 13:17
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