日々のニュースというより、世界経済・政治の大きな構図のようなものを、できる限りデータをひと捻りして分析して、ビジュアル的にも分かりやすくお伝えすることを目指しています。
世界各国による中国狙い撃ちの貿易措置…相互関税で今後は逆に向かうのか
トランプの相互関税のショックから、株式市場は少し持ち直しましたが、まだどれだけの修正がなされるのか不透明。長引
トランプ相互関税の衝撃が止まりません。ついに4月9日には課税開始…と思ったら直後に中国を除き90日間の猶予と発表。株価も乱高下。猶予の発表前にトランプは「今が買い時だ!」とツイートするし、インサイダー取引で政権の誰かが捕まってくれないかと期...
2025Q1のNISAパフォーマンス:トランプ政策の不透明さで米国一人負け?
昨年末のNISA投資信託商品のパフォーマンスを確認した際、「そろそろ悪い年が来るかも」というような雑感を述べました。といっても何か確たる見通しがあったわけではなく、単に過去のパターンを見てそう感じただけなのですが。今回、トランプ2.0の怒涛...
世の中にはいろんな指標で作る世界ランキングがあります。何か特定のイシューを、各種指標を使って総合点に変換して、世界の中での位置づけを確認するというのは、難しい仕事でもあり、面白い作業だとも思います。ただ、それぞれ課題があるのも事実。今回は「...
以前のポストで、トランプ関税の攻撃対象候補国として関税率の比較を見たのですが、トランプは関税だけでなく、各国の補助金や各種規制措置なども相互関税の対象としています。そこで、Global Trade Alertというところが出している各国の貿...
全く、よくもここまでやりたい放題やってくれるもんだと思いますが、イーロン・マスクの暴走が止まりません。日本でも財務省解体デモなんかがあるようですが、さすがに法的根拠も曖昧なままで、政府省庁を勝手に廃止するなんてことは起きないでしょう。何を考...
「10年先なんて分からないのに長期投資は損するだけ」という論?
どうも「政府が推すことは胡散臭い」なのか、「証券会社は信用できん」なのか分かりませんが(どっちも気持ち的には理解できるけど)、NISA批判は人気のようです。この辺りの論の検討は以前もしたので、今回はある方が言う「長期投資のほうがリスクは高い...
トランプ関税の餌食になりそうな国~日本はお目こぼしにあずかってもいいはずだが
トランプ関税砲は、今のところ日本には飛来してきていませんが、自動車関税を4月からかけるとか、付加価値税も関税とみなすとか、非関税障壁にも報復関税だとか飛び交っている状況。ちゃんと狙い定めて絞り込んで発言しないと、そのうちみんな不感症になって...
大統領選挙の結果をカウンティ・レベルで見る(3):どの層が棄権をしたのか
前回、2024年選挙での共和党勝利は、それまでの民主党支持者が共和党に乗り換えたというより、そのような層が棄権したからではないか、ということを見ました。今回は、各カウンティの人種、年齢、所得などの構成を眺めながら、どういう層が棄権をしたのか...
大統領選挙の結果をカウンティ・レベルで見る(2):やはり民主党支持者の棄権か
前回、カウンティ・レベルの投票結果を用いて、これまで民主党の大票田だったカウンティで、かなり大きな投票行動の変化が起き、2024年選挙ではそれまでの選挙で見られた、強い民主党支持の大票田のヤマが消えたことを見ました。今回は、2020年と20...
大統領選挙の結果をカウンティ・レベルで見る(1):分断傾向はより明らかに
トランプ就任直後から大統領令は乱発され、まずは移民問題、次いで関税で大混乱が起きています。躁状態のイーロン・マスクは図に乗って、唐突にUSAIDを閉鎖するとか言い出す有様。1期目の時もトランプが予算教書で、いきなり対外援助予算の3割削減を打...
今年の全豪は、男子は順当にシナーが優勝しましたが、女子は第19シードのキーズの初優勝。もちろん、これまでも一定程度の成績は残していた選手ですが、なかなか優勝候補と見られることは少なかった印象。ビッグ3が強すぎた近年の男子と比べてはいけません...
大統領就任演説のテキスト分析~闇落ちする方向には行かないでほしいけど
「トランプ2.0」が始まりました。想像はしていましたが、初日から大統領令を乱発して、かなり「らしさ」を見せつけてくれています。1期目の時はトランプ自身、全く準備ができておらず、行き当たりばったりという要素が強かったですが、今回はちゃんと準備...
このサイトは何か真面目に主張したいことがあるというより、面白くデータ分析・可視化したいという方に主眼があります。そんなわけで、いつも何か面白いデータがないかと探しているのですが、過去のテニスの試合データを全部記録してくれているサイトを見つけ...
NISA適格の投信では、グローバル株式がテーマのものが非常に多いです。もちろん、そのなかでアメリカ株のシェアが圧倒的なのですが、ここ数年、絶好調が続くアメリカ株にも、そろそろ調整が来るのではと多くの人が懸念(一部の人は期待)しています。雑誌...
2024年のNISA投信パフォーマンスを振り返る~そろそろ悪い年が来るかも?
昨年は植田ショックとか年末のFRBの金利見通しの引き上げとか、ある程度の波乱があったとはいうものの、年間を通してみれば総じて金融市場は良好でした。NISA口座保有者の7割がプラスだったという調査もありました。とはいえ、果たして今年、2025...
これまで中国から外に出る資金について、色々と見てきました。最後に中国に入る資金について、少し見ておこうと思います。最近、よく言われるのが対中投資の急減あるいは純流出という現象。分析というより、足元で何が起きているか程度を、簡単に見ておこうか...
これまで中国の対外金融支援(商業的なものも含めてですが)について、その詳細を見てきました。今回は中国の対外投資について、少しおさらいしてみようと思います。何となく、昔のバブル期の日本の失敗を繰り返しているような気も…。直接投資も一帯一路政策...
中国の対外資金協力(3)~融資条件の国ごとの差と「債務の罠」リスク
これまで資金供与総額、ローン・グラントの国別配分等から、中国の対外資金協力の特徴、思惑等を探ってきましたが、今回はローンの融資条件で考えてみます。中国の融資は高利を押し付けて「債務の罠」を作り出しているとか、色々と批判がなされます。実際には...
中国の対外資金協力(2)~やっぱり資源と台湾がメインテーマか
前回のポストでは中国の対外資金協力について、まずは総額ベースでざっくりと見てきました。今回は、どういう国が重点となっているのか、もう少し詳しく見ていきます。やはり、よく言われるように資源国と台湾との関係が浮かび上がってくる感じです。国別の累...
中国の対外資金協力(1)~日米独よりは下だが、英仏等とは肩を並べる、という規模
最近、中国経済も少し元気がなくなってきて、昔ほど「一帯一路」がニュースで報じられる機会も減ってきたような気がします。確かに規模は落ち着いてきたのですが、それでも様々な国際会議の場で、「今後〇年で〇億ドルの支援を約束」といった動きは依然として...
大統領選挙アップデート~やっぱり民主党支持者の棄権のニオイが
もう結果が決まったことをゴチャゴチャ言っても仕方ないのですが、ほぼ最終結果に近いところまで来たので、少しだけ大統領選挙の結果についてアップデートをしようと思います。 特に出口調査の結果を使って、どんな人がどちらに投票したのか、果たして民主党
まぁ、そうなるだろうなぁ、というのは前回のポストでも書いたのですが、やはりトランプが当選してしまいました。まだ集計は終了していませんが、ほぼ全体が見通せる状況まで進んだので、ここらで各州の投票動向をもとに、今回の選挙結果を振り返ってみたいと
アメリカ大統領選挙…問題は人口比を無視した選挙人数の割り当てなのか
アメリカ大統領選挙が近づいてきました。報道などでは接戦が伝えられますが、制度的なバイアスを考えると、「接戦ということは、ハリスの負けじゃん」と不安になってしまいます。 とはいえ、選挙結果を予測する能力は私にはないので、選挙人制度という奇妙な
衆議院選挙の結果を踏まえ、政策連携の枠組みで各党の力関係を比べてみた
衆議院選挙が終わりました。まぁ、裏金やら統一教会やら、色々と逆風が吹く中、公認を出さないとか、比例重複を認めないとか、自民党は一生懸命に当選者数を減らす努力をしていたので、事前予想通りの結果となりました。 でも自民、立憲を含めて単独過半数を
IMF WEO 2024年10月版。タイトルの「高まる脅威」が分かるような、ベースラインの修正がほしかった…
恒例の秋のIMF世界経済見通し(WEO)が出ました。世界全体の成長予測は2023~25年の間、3.2~3.3%で安定していて、大きな変動、混乱はない様子。しかし恐らく今年のメッセージの重点は、トランプ再登板となった際のリスク・シナリオのほう
SDGsは非常に多種多様、幅広い目標を含んでいるため、結果的に政策努力が拡散してしまうのでは、という懸念の声は以前からありました。しかも以前のポストで見たように、貧困国(特にMDGsで取り残されたアフリカ)のSDG目標の改善が、このところ停
ノーベル賞ヒントン教授が言う「GDPシンギュラリティ」を検証してみる(単なるお遊びです)
今年のノーベル物理学賞の受賞者が、AI関連の先生方に決まったとのこと。私自身、この分野は全く疎いのですが、受賞者のうちの一人、ヒントン教授について日経新聞が以前、インタビュー記事を載せていました。同先生によると、「2040年にGDPが無限大
「SDGs:持続可能な開発目標」という言葉が、日本ほど人口に膾炙している国はない、と言われます。実際、経済界のお偉いさん方は、ほぼ例外なくSDGバッジを胸につけ、企業の取り組みの新聞広告やニュース報道もよく見かけます。 ただ私だけの感想かも
NHKの番組で、月曜日に大きな事件が起きる、というドキュメンタリーをやっていました。事例として社会的な事件だけでなく、ニクソン・ショック後の東京市場の混乱、ブラックマンデー等の金融市場の混乱も挙げられていました。 色々と市場の「アノマリー」
積立て投資はギャンブルか?まずは落ち着いてデータを見てみましょう
最近、また「例の人」が、NISAなんて絶対にやるな、全員破産するぞ!、と声をあげています。そんな本も出版されたようです。 もちろん投資をするかどうかは各人の自由なので、「絶対にやれ!」というのも間違いです。しかし、この人がブログ等で勝手に叫
昨今のウクライナ侵攻やガザ紛争を見ても、本来、問題解決を主導しなければならない国連が十分に機能していない感じがあります。まぁ、あれだけ多くの国が一国一票で議論・投票して、結論がまとまるというのは難しいでしょう。 昔、トランプ政権時のボルトン
ジェンダーギャップ指数の違和感って…(2):各側面データの「クセ」を観察
前ポストでの作業は、ジェンダーギャップ指数が「信頼できない」ということを主張したいわけではありません。指数の「クセ」を理解するため、他の指標と比較して、大きな傾向を観察したものです。 UNDPの3指標と比較しましたが、もう少し詳しく見ていく
ジェンダーギャップ指数の違和感って…(1):色々なジェンダー指数の比較
毎年、報告書が出るたび頻繁に報道されるものに、世界経済フォーラム(WEF)が作成する「ジェンダーギャップ指数」があります。特に日本のランクは世界的にも極めて低く、「だから日本(政府)はダメなんだ」という批判の大合唱になるのが毎年の恒例行事と
アメリカ大統領選挙も近づいてきて、トランプはもちろん、民主党側からも「どっちが中国に厳しいか」を競い合う論陣が張られています。トランプの頭の中はともかく、中国が単に高い経済成長を追い求めるだけではなく、技術覇権を握って世界経済を支配すること
大昔、ノーベル賞経済学者のクズネッツが「世界には4種類の国がある。先進国と途上国、そしてアルゼンチンと日本である」といったのは有名ですが、そんな日本の高度成長も昔話。20年もしたら、日本はむしろアルゼンチンと同じ位置づけになってしまうのかも
今年から新NISAが始まって、多くの人が投資を始めたようです(実をいうと、私もそれに近い)。ところが、先日の日銀の利上げにより(というか、その後の植田総裁の利上げ継続発言により)、株価は急落。さらに円高により、オルカン、SP500といった外
前回の記事では、IMFの世界経済見通し(WEO)を使って、特にGDP成長率の予測精度やクセのところを見てみました。もちろん、私も含めて、多くの人が最も関心があるのがGDP成長率ですが、実際にはWEOでは他の多くの変数の予測もあります。 まぁ
毎年4月と10月にIMFの世界経済見通し(World Economic Outlook:WEO)が公表されると、日本の成長率見通しが上がったとか下がったとか、また最近だとドイツに抜かれたとか、はたまた米中逆転は起きなさそうだ、といった議論が
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