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「天晴」塾~大学受験国語~ https://backbeat.hatenablog.com/

主に国立・私立難関大学の国語(現代文・古文・漢文)の入試問題をわかりやすく解説します。 お問い合わせはこちらまで backbeat3881@gmail.com

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2024/08/23

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  • 東京大学2024年度現代文 第1問・第4問(文科) 解答解説(改訂版)

    こんにちは。大学受験「天晴」塾 代表のbackbeat-akaです。 今回は東大の2024年度現代文(第1問・文科第4問)の改訂版を掲載します。 以前投稿した解答解説に手を加えて、改良しました。 過去の投稿は削除しました。 「この程度の解答でよい」という方針は変わりませんが、より洗練されたと思います。 2024年度第1問は、文科人類会社小川さやかさんの文章でした。 資本主義社会の「取り引き」「損得」至上主義に対して、2000年代末のタンザニアの例を取り上げ、「贈与と返礼」の価値を述べています。 小川さやかさんの文章は、同年のお茶の水女子大学や、2025年度の大阪大学(文学部以外)の入試でも取り…

  • 2024年度東京大学現代文 文科第4問 解答解説(改訂版)

    2024年度 東京大学 国語第四問(文科専用) 20点 解答解説(改訂版) 菅原百合恵「クレリエール」 ◆本文展開図(マッピング)第1意味段落(①~②) ① 大学三年の夏 日本語を母語としているのに、フランス文学を研究する理由・・・うまく答えられな かった ↓ 重要な問い=時間をかけて向き合うべき宿題 ② たしかに外国文学を学ぶということは奇妙なこと ↓ 遠い国の言葉をわざわざ習得してものを読み、書こうとする 難解な構文をどう訳すか手を焼く 辞書を引きながら拙いフランス語で何とか表現しようとして言葉に詰まる ↓ じかに触れたいものにガラス越しにしか接近できないようなもどかしさ ↓(少しずつ言葉…

  • 2024年度東京大学現代文第1問 解答解説(改訂版)

    2024年度 東京大学国語第一問 解答解説 (文理共通)40点 改訂版小川さやか「時間を与えあうー商業経済と人間経済の連環を築く「負債」をめぐって」 ◆本文展開図(マッピング)第1意味段落(①~③) ① タンザニアの行商人・・・二○○○年代末までは客との対面で値段交渉 (当時)② 行商人たちの悩み事(-)・・・貧しい得意客から頻繁に掛け売りを求められる =ツケの取り立てに苦労していた ③ (ア)行商人たちにとって掛け売りを認めることは、商売戦略上の合理性とも合致 していた(+) =(1)(2)「も」「また」→(3)「も」「さらに」→(4)「も」 ←本文マーキング①参照第2意味段落(④~⑨) ↓…

  • 2023年度東京大学国語現代文 第1問・第4問 解答解説(改訂版)

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 以前に公開した、2023年度東大国語現代文の改訂版を掲載します。 第1問は、文化人類学分野の「仮面」をテーマにした文章でした。 コロナ禍のマスク生活を象徴していました。 第4問は、詩人の随筆でした。 随筆は、個別的、個人的な体験、具体性の理解が鍵となります。訓練が必要です。 なお、過去に掲載した解答解説は削除しました。 東大対策の参考にしてお励みください。 backbeat.hatenablog.com backbeat.hatenablog.com

  • 2023年度東京大学国語 文系第4問 解答解説(改訂版)

    2023年度 東大国語 第四問 長田弘「詩人であること」(文系専用問題 20点) ◆本文展開★Aグループ(+)・・・筆者の主張内容①「特殊な、具体的な経験の言葉」 「それぞれのもつとりかえしのきかない経験を、それぞれに固有なしかたで言葉化し てゆく」②「「平和通り」「文化通り」という二つの街路の名」 「日々の光景のなかに開かれた街路の具体的な名」④「その言葉の一人のわたしにとっての関係の根をさだめてゆく」 「言葉に対する一人のわたしの自律」(傍線部イ) 「言葉を一人のわたしの経験を入れる容器」⑥「言葉というものを・・・それによってみずから疑うことを可能にするもの」 「差異の言葉」⑦「たがいのあ…

  • 東京大学2023年度国語第1問 解答解説(改訂版)

    2023年度 東大国語第一問(文理共通)40点 吉田憲司「仮面と身体」 ◆本文展開図(マッピング)第1意味段落(①~②) ① 仮面=一部の地域 (例)⇔人類文化に普遍的 (ただ)② 仮面の文化・・・地域、民族、時代を超えて慣習・信念 ↓ 人類に普遍的な思考・行動 ↑(その意味で) ア仮面の探求は、人間のなかにある普遍的なもの、根源的なものの探求につながる可 能性をもっている(A0)第2意味段落(③~⑧)③ 仮面に共通した特性=「異界」の存在を表現(A1) = (例) =④ 可視化しはたらきかける(A1) ↓(もうひとつ)⑤ 仮面=憑依の道具 ↓(たしかに) ⑥ 仮面と憑依との結びつきは、動かし…

  • 大阪大学2025年度国語(文学部以外)第3問 古文 解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 今回は2025年度大阪大学(文学部以外)古文問題を掲載します。 阪大の古文のレベルは概ね、東北大、千葉大と同レベルです。 むちゃくちゃ難しいというほどではありません。 古文の基礎的な力(助動詞・敬語・助詞・和歌の修辞)が備わっていれば、大丈夫です。 したがって、古文問題をできるだけ短時間で解答し、現代文2題に時間をかけたいところです。 さて今回の出題は「玉勝間」でした。 内容は本居宣長が「伊勢物語」真名本に言及している場面なのですが、有名な章段「東下り」の一部分が登場します。 高校時代(おそらく1年生)にこの章段を学習していた人は…

  • 大阪大学2025年度入試(文学部以外)第3問 古文

    2025年度 大阪大学国語(文学部以外) 第三問(古文) 本居宣長「玉勝間」 解答解説 (50点) ★大阪大学の古典で要求されていると考えられる力①現代語訳の力→直訳・逐語訳が基本だが、適宜言葉を補ったり意訳したりして整える必要もあると考 えられる。(最終的に、内容が読み取れていることが示せなければ評価されない) 説明問題を含めて全ての設問の根底にこの現代語訳がある。②基本的な読解力→主語判定の技術(敬語や接続助詞に適宜着目する)や和歌の読解の技術などがしばし ば要求される。③背景知識(文学史や古典常識)や文章構造(対比・対応など)から細部を推理する力④設問への対応力→設問の要求にきちんと答え…

  • 大阪大学 2025年度国語(文学部以外)第1問・第2問(現代文) 解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 今回は大阪大学(文学部以外)の2025年度現代文問題を掲載します。 大阪大学は文学部が現代文2題(評論・小説)、古文1題、漢文1題なのに対し、 それ以外の学部は、現代文2題、古文1題となっています。 今回は文学部以外の現代文の解答解説を掲載しました。 大阪大学の国語は東大、京大と並んで、試験時間が非常にタイトです。 だいたい、設問一つを5分で解答しなくてはなりません。 本文読解に10分、各設問の解答要素の決定に3分半、解答記述に1分半、という目安です。 このような離れ業を可能にするにはトレーニングしかありません。 阪大のみならず、…

  • 2025年度 大阪大学(文学部以外)国語第2問(現代文) 解答解説

    2025年度 大阪大学 第二問 小川さやか「所有とは何か」 本文展開図 本文マーキング① 本文マーキング② 第一意味段落(①)① 「循環型社会」「シェアリング経済」「持たない暮らし」 不用品を交換したり、遊休資産へのアクセスを可能にしたり、特定のモノへのオー プンアクセスを実現する ↓ 限られた資源を有効活用するとともに、資本主義経済の進展で失われた「つなが り」やコミュニティを再興する意図 ↓ (1)こうした議論が基盤とする「個人と個人のあいだのモノの融通・共有」とそ れによる「持たない暮らし」とは異なる世界観で成り立っている、東アフリ カに位置するタンザニア社会の「持たない暮らし」を提示し…

  • 2025年度 大阪大学(文学部以外)国語第1問(現代文) 解答解説

    2025年 大阪大学国語(文学部以外) 第一問 稲垣諭「「くぐり抜け」の哲学」 本文展開図第一意味段落(①)① クラゲの流行のなかで私たちは何を経験しているのだろうか第二意味段落(②~⑦)② 巨大な水槽の名かで無数のミズクラゲが、完全にシンクロすることなく、微細なズ レを含む揺れとなって明滅のサインをやさしく発する姿は、日常の卑小さを忘 れさせてくれる。 ③ 基本は水流にのって漂っている 水に揺られ、水になりきっているのが彼らの基本スタイル ④ 神経中枢が存在しない散在神経系・・・「水槽の中の脳」 ⑤ 水中で呼吸する心臓のよう ⑥ 特定機能をもつ器官が配置されているのではない それら器官が幾重…

  • 2025年度東京大学古文・漢文 解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 今回は2025年度東京大学の古文(第2問)・漢文(第3問)の解答解説を掲載します。 東大の古文漢文は、どちらも読解が非常に困難、ということはありません。 ただ現代文同様に、限られたスペースに要領よくまとめて解答する、という要約能力が求められています。 ここが東大古典の難しいところです。 解答時間は古文が30分、漢文が25分が目安です。 東大に限りませんが、合格するには徹底した過去問題の分析が欠かせません。 お励み下さい。ご健闘を祈ります。 backbeat.hatenablog.com

  • 2025年度東京大学古文(第2問)・漢文(第3問) 解答解説

    第二問 古文 「撰集抄」(文30点 理20点) ★東大の古典で要求されていると考えられる力①現代語訳の力→直訳・逐語訳が基本だが、適宜言葉を補ったり意訳したりして整える必要もあると考 えられる(最終的に、内容が読み取れていることが示せなければ評価されない)。 現代語 訳の問題を含めて全ての設問の根底にこの現代語訳がある。②基本的な読解力→主語判定の技術(敬語や接続助詞に適宜着目する)や和歌の読解の技術などがしばし ば要求される。③背景知識(文学史や古典常識)や文章構造(対比・対応など)から細部を推理する力④設問への対応力→設問の要求にきちんと答えて答案を作る力(→対話能力)と、設問のタイプに応…

  • 2025年度東京大学現代文(第1問・文科第4問) 解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 今回は2025年度東京大学の現代文第1問と第4問(文科)の解答解説を掲載します。 2025年度の第1問は、例年になく平易な問題でした。 解答要素が見つけやすく、(一)~(三)は確実に得点したいところです。 時間もそんなにかからないと思います。 (四)の120字問題も、例年よりは書きやすかったと思います。 問題は文科の第4問です。 随筆ではなく、なんと小説が出題されました。 東大文科の国語が現在の4題になった2000年以降、初めての出題でした。 本文は読みやすく、解答要素も見つけやすいのですが、なにしろ60字程度で解答するのに、どの…

  • 2025年度 東京大学国語 文系第4問 解答解説

    2025年度 東京大学 国語第四問(文科専用) 佐多稲子「狭い庭」解答解説 20点 設問解説・・・解答例はずべて「この程度書ければ充分」というレベルのものです。*東大文科の国語が四題になった2000年以降初となる、小説の出題。 *小説ということもあり、問題分量が大幅に増加し、設問もおよそ60字程度で解答する のが難しいものが多く、30分程度で解答するのはかなり困難である。*第一問が平易だっただけに、第四問と合わせて現代文の難易度が例年並みとなるよう になっている。 (一)「彼に気の毒な思いをさせるような気がした」(傍線部ア)とあるが、それはな ぜか、説明せよ。(5点)*理由説明問題。主人公が苗…

  • 2025年度 東京大学国語第1問(文理共通) 解答解説

    第一問 解答解説 田中彰吾「身体と魂の思想史ー「大きな理性」の行方」 (文理共通)四十点◆本文展開図(マッピング)第1意味段落(①~②) ① 鏡像を自己として認知できるようになるには、生後ⅰ年半~二年程度の時間がかか る 生後一年半ごろまでの乳児は、鏡に映った身体を他者として知覚している ↓ ア鏡像を遊び相手として扱うような振る舞いを見せる ↓(ところが) 14ヶ月ごろから振る舞い方に変化が起こり始め ↓ 鏡像を見て感嘆したり困惑したりという揺らぎのある反応を見せつつ、全般的に鏡 像を避ける行動が増え ↓(この時期を過ぎると) 24ヶ月に向かって鏡を見ながら自己の身体を探索する自己指向行動が殖…

  • 2025年度京都大学国語第3問 文系国語 解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 昨日に続いて、2025年度京都大学第3問(文系古文)を掲載します。 解説にも書いたのですが、京都大学の古文は最近、有名作品からの出題が多いです。 特に今年は、「義経記」の有名な箇所で、「見たことある」と思った受験生もいたと思われます。 難易度としては、かなり易化したのではないか。 高得点をとった受験生が多くいたのではないか。 そんな印象でした。 基本的な単語の知識、文法事項の理解、敬語の訳出など、取りこぼしてはいけないところをしっかり取ることが大事です。 backbeat.hatenablog.com

  • 2025年度京都大学入試 文系古文(第3問)解答解説

    2025年度 京都大学国語 文系第三問(古文)「義経記」解答解説 (50点) ★京大の古典で要求されていると考えられる力①現代語訳の力→直訳・逐語訳が基本だが、適宜言葉を補ったり意訳したりして整える必要もあると考 えられる(最終的に、内容が読み取れていることが示せなければ評価されない)。 現代語 訳の問題を含めて全ての設問の根底にこの現代語訳がある。②基本的な読解力→主語判定の技術(敬語や接続助詞に適宜着目する)や和歌の読解の技術などがしばし ば要求される。③背景知識(文学史や古典常識)や文章構造(対比・対応など)から細部を推理する力④設問への対応力→設問の要求にきちんと答えて答案を作る力(→…

  • 2025年度京都大学国語入試問題 現代文第1問・文系第2問 解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 2月は受験を控えて閲覧が多いと予想はしていましたが、 予備校での個人添削指導に忙殺され、大事な時期に全く更新できませんでした。 3月に少しずつ、溜め込んだ教材をアップしていきます。 さて今回は、2025年度京都大学現代文2題を掲載します。 出題傾向は例年通りでしたが、 毎年のことながら、制限時間内で完答するのは非常に大変です。 大問一つを40分でこなすとして、本文を読むのに10分、各設問を5分とすると、 設問の解答の構想を練るのに3分半、解答を書くのに1分半くらいだと思います。 従って練習の段階で、タイムトライアルの訓練をしておく…

  • 2025年度京都大学入試国語問題 文系第2問 解答解説

    2025年 京都大学 文系第二問 小津夜景「ロゴスと巻貝」(文50点) 第一意味段落(①~③)① 読書とは、たった一人で作品と向き合う行為 ② 読書は・・・いつでもどこでも基本ひとり 読書はひとを孤独にさせる道具 ↓(そこに) 己の身を切るような、かっこよさがある ③ 読書の情動は、はかなくゆれるたった一本のろうそくの炎にすぎない ↓(でも) 目を閉じれば・・・だれかの胸のともしびが明滅しているのが見える ↓(それが) 至るところで起こっていて、 (1)地球はいつも決して死なない蛍の群れに覆われているみたいだ第二意味段落(④~⑥)④ 「物語ってどういうものなの?」という質問をされて、どうしよう…

  • 2025年度 京都大学入試問題 国語第1問 解答解説

    2025年 京都大学 第一問 中井久夫「現代社会に生きること」(文50点・理40点) 第一意味段落(①~⑨)① われわれの周囲は、激しい都市化の傾向にある(A) ↓② 「都市化」とは何であろうか ③ 都市は、現代に始まるものではない ・・・7000年前の新石器時代のトルコの都市/工場、市場、交換経済 ④ ギリシャ人・・・都市国家「ポリス」群を形成/「ポリスに住まないものは人間では ない」 ルネサンスのイタリアの諸都市・・・「都市の空気は自由を作る」 ⑤ われわれは、都市を政治的自由と結びつけて考える伝統を持っていない ↓(それにしても) 田舎の人たち「町は自由でいい」 (長い間)われわれの観念…

  • 2025年度 京都大学入試問題 国語第1問 解答解説

    2025年 京都大学 第一問 中井久夫「現代社会に生きること」(文50点・理40点) 第一意味段落(①~⑨)① われわれの周囲は、激しい都市化の傾向にある(A) ↓② 「都市化」とは何であろうか ③ 都市は、現代に始まるものではない ・・・7000年前の新石器時代のトルコの都市/工場、市場、交換経済 ④ ギリシャ人・・・都市国家「ポリス」群を形成/「ポリスに住まないものは人間では ない」 ルネサンスのイタリアの諸都市・・・「都市の空気は自由を作る」 ⑤ われわれは、都市を政治的自由と結びつけて考える伝統を持っていない ↓(それにしても) 田舎の人たち「町は自由でいい」 (長い間)われわれの観念…

  • 共通テスト国語第3問「実用国語」の解き方 ~10分で解ける!~

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 今回は共通テスト第3問の解き方について説明します。 令和4年(2022年)に、2025年度の共通テスト国語の変更点が発表されました。 資料やグラフ、表などの読み取りを問う「実用国語」です。 現代文の一部として導入し、試験時間も90分に変更するとしました。 つまり「実用国語」は10分で解けるということです。 同時期に大学入試センターから試作問題が2種類発表されました。 これを見た業界関係者は、「資料や部表の分量が多くて10分で解けるはずがない」「問題が難しすぎる」との意見が多数出され、物議を醸しました。 さらにこの問題の扱いについて…

  • 2021年度 京都大学国語入試問題 第3問(古文・文系)解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 以前、2021年度京都大学国語の第1問、第2問について解答解説を掲載しました。 今回は第3問の古文(文系)について解説します。 京都大学の古文は以前はたいそう難解で、和歌の全訳問題など全く歯が立たない問題が散見されましたが、最近はずいぶん解きやすくなってきました。 今回の問題も良問と言えます。 ただ、受験生が限られた時間内(概ね40分)で完答するのは相変わらず困難と言えるでしょう。 以前と比べて理不尽とも言える問題はなくなった、ということです。 なお、理系の問題は文系に比べてずいぶん易しいので、理系の人も文系問題で練習することをお…

  • 2025年度大学入試共通テスト 12月からの学習方法(国語を中心として)

    こんにちは。「天晴」塾のBackbeat-akaです。 東大や同志社大などの推薦入試指導に忙殺されていて、長く更新が滞っていました。 (同志社受験者は合格しました。11/27時点) 高校3年生であれば、学校でそろそろ共通テスト対策の授業が始まるでしょう。 浪人生であれば、レギュラーの授業がそろそろ終了する頃だと思います。 今回は、受験科目や試験時間が変更になった2025年度共通テストの12月以降の学習方法についてお話しします。 1,新規の学習項目に手を出さずない 以前にも書きましたが、受験は引き算です。 共通テストまであと50日と迫っている時期に、新しい知識を広げている余裕はありません。 たと…

  • 2021年度京都大学国語 文系第二問 解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 2021年度京大国語第2問(文系)の解答解説を掲載します。 配点は40分、解答時間は40分を想定しています。 設問は難易度が高く、受験生は何を書いてよいか戸惑ったと思います。 記事を参考にして、お励みください。 本文マーキング① 本文マーキング② backbeat.hatenablog.com

  • 2021年度京都大学国語 文系第二問 石川淳「すだれ越し」

    ★本文展開図① 一人の少女が直撃弾に討たれて路上に死んだ ↑ さういふ死体は、いくさのあひだ、至るところにころがってゐた ↓ (1)後日の語りぐさになるやうなことではない ↓(しかし) わたしはこの小さい事件をおぼえてゐる ↓(といふのは) 私の住むアパートの隣室に少女も一人で住んでいた 少女の倒れたところは、わたしの室の窓からすだれ越しに見える舗道の上 ↓(さういっても)② 少女と口をきくどころか、顔すらろくに見たことがなかった ただ壁を隔てて声を聞いただけ ↓ 少女の歌う声・・・ 歌ふ声に沿ってうとうとと目をさますといふたのしい習慣 音色が青春を告げてゐた 私の束の間の安息 カナリヤの籠 …

  • 2021年度京都大学国語 文系第二問 石川淳「すだれ越し」

    ★本文展開図① 一人の少女が直撃弾に討たれて路上に死んだ ↑ さういふ死体は、いくさのあひだ、至るところにころがってゐた ↓ (1)後日の語りぐさになるやうなことではない ↓(しかし) わたしはこの小さい事件をおぼえてゐる ↓(といふのは) 私の住むアパートの隣室に少女も一人で住んでいた 少女の倒れたところは、わたしの室の窓からすだれ越しに見える舗道の上 ↓(さういっても)② 少女と口をきくどころか、顔すらろくに見たことがなかった ただ壁を隔てて声を聞いただけ ↓ 少女の歌う声・・・ 歌ふ声に沿ってうとうとと目をさますといふたのしい習慣 音色が青春を告げてゐた 私の束の間の安息 カナリヤの籠 …

  • 2021年度 京都大学国語第1問(随筆)解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 2021年度京大国語第1問の解答解説を掲載します。 配点は40分、解答時間は40分を想定しています。 40分でこれだけの問題に解答するのは、かなり忙しいと思います。 理系は設問が1題少ないのですが、今回は文系型で掲載してあります。 本文マーキング① 本文マーキング② backbeat.hatenablog.com

  • 2021年度 京都大学国語第1問 西谷啓治「忘れ得ぬ言葉」

    *配点は50点 解答時間は40分を想定 ★本文展開図① もうかれこれ三十年前の話 当時、私は京都大学の学生/東京から来ていた何人かと親しいグループ 兄貴株の山崎深造だけは別・・・おだやかな、思いやりの深い、晴れやかな落着き ・・・彼だけは既におとな② 京都へ来て二年目の六月・・・熱を出し、チブスの疑いがあるというので入院 ↓③ そのとき彼・・・入院の手続きから必要な買物まで、万事世話 夏休みには東京へ帰らずに郷里で保養 退院の直後、彼の下宿の部屋 ・・・郷里の海や景色の美しさ、釣りをしたり泳いだりして遊ぶ楽しさ はずんだ気持ちで、調子づいて話していた ↓ 彼・・・突然笑いながら「君も随分おぼっ…

  • 2024年度名古屋大学国語第1問(現代文) 解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 7月27日に勤務する予備校で私が講演する、「東大・京大入試ガイダンス」の資料作成にかかりきりになって、ブログの更新を怠っていました。 今回は2024年度名古屋大学の第1問の解説です。 名古屋大学の現代文は毎年評論が出題されます。 特徴は、解答の根拠が見つけやすく、本文の読み取りができれば部分要約 で解答できるようになっています。 平たく言えば、本文の抜き書き+合成で一定レベルの解答を作成することができます。 したがって、要約練習に適した問題と言えます。試してみてください。 backbeat.hatenablog.com

  • 2024年度名古屋大学国語 第2問古文・第3問漢文解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 前回に引き続き、2024年度名古屋大学の古典の解説を掲載します。 名古屋大学の古典は奇をてらった難解な問題はなく、古典のトレーニングを行うのに非常に適した問題です。 問題文もある程度の古典の力(単語・文法・句形)があれば読みやすいと思います。 全国マーク模試の古典パートが7割程度得点できる人におすすめです。 backbeat.hatenablog.com

  • 2024年度名古屋大学国語 古典解説

    第二問 古文「信生法師日記」 *「信生法師日記」は鎌倉時代の日記(紀行文)。リード文からそのことがうかがえ る。*リード文は本文読解の重要な情報源なので、しっかり読んで情報を仕入れておく。*説明問題はなく、すべて口語訳問題。文学史の出題は、2018年度以来であった。 問一 傍線部(ア)~(ウ)を、適宜言葉を補って、わかりやすく現代語訳せよ。(ア)「かく/と/は/思ひ寄りげなき/に」①傍線部の主体は「門のほとりにある男」 (=光宗の家の門の辺りにいる下僕(男))。②「思ひ寄る」とは、「気がつく/思いも寄る」の意。 「~げなし」とは、「そういう感じに見えない」の意。 ↓③「思ひ寄りげなし」・・・「…

  • 名古屋大学 2024年度国語第1問 解答解説

    2024年度 名古屋大学 第一問 市橋伯一「増えるものたちの進化生物学」(文理共通) 第一意味段落(①~⑤) ① 生物としての人間・・・他の個体と協力することで大きな社会を作り出した ② 人間の協力性を可能にしたのは、「共感能力」 ・・・他者の望むことを察知し、協力関係を築く →人間の中でますます強化されてきている →人間はどんどんやさしくなってきている ③ (近年) ①動物の肉を食べること・・・問題視 ↓ ・温暖化などの環境負荷が大きいこと ④ ・食肉には倫理的な問題がある →同じほ乳類で、ある程度知能を持った動物を殺 して食べることが許されるのか ↓ 罪悪感を抱かなくて済むようなシステムが…

  • 小説問題の読み方・考え方

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 今回は小説問題の考え方、読み方についてお話ししたいと思います。 1.小説問題の本質 最近の大学入試では、小説問題の出題は減少しています。 私立大学において顕著な傾向です。 登場人物の心情の解釈について、正解を一つに決められないとして、大学側が敬遠しているのだろうと思います。 ところで、小説家が自国に存在する世界中の国において、大学入試のための全国共通テストでは、国語の問題には必ず小説問題が出題されています。 それだけ、世界の国々は小説を重視している、決してないがしろにはしてない、という事実があります。 それはなぜか。 それは、小説…

  • ■ - 「天晴」塾~大学受験国語~

  • 入試標論文の読み方

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 今回は評論文の学習方法についてお話ししたいと思います。 1.入試現代文の問題点 とはいえ、そのメソッドについてはご承知の通り、多くの先生方が既に様々な参考書や動画などで解説なさっているので、私が今更目新しいことを言えるわけでもありません。 そこで最初に、私が常々、現代文の授業や解説についての問題点について感じていることを述べてみたいと思います。 巷にあふれている現代文の参考書や動画のほとんど、さらに実際行われている授業の多くは、「現代文の読み方指南」であると思います。 記述答案の具体的な「書き方」指導や、選択問題の「選び方」につい…

  • 2024年度早稲田大学文学部 国語(三)(四)古典パート解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾 代表のbackbeat-akaです。 前回の現代文に続いて、2024年度早稲田大学文学部の古典パート問題を掲載します。 早稲田大学の中で、古典は文学部が一番難しいと思います。 東大、京大レベルに匹敵する問題です。 やはり文学部という性格上、出題者もプライドを持って作成している印象です。 特徴として、歌集や歌物語からの出題が多いです。今回も受験生が苦手な歌論でした。 全般的な対策としては、文法、句法、単語、語彙、文学史、古典常識などの基本事項(知識)の習得が欠かせません。 特に文学部は、一定レベル以上の国語的教養を問う問題が多く、そのための国語的フィーリング(感性…

  • 2024年度早稲田大学文学部 国語(一)(二)現代文パート解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾 代表のbackbeat-akaです。 今回は2024年度早稲田大学 文学部の現代文パート問題(一)(二)を掲載します。 文学部の問題は、早稲田の他学部に比べて非常にオーソドックスな出題をします。 特に現代文は、やはり国語の先生が作った問題だなあ、という印象です。(設問と選択肢の解答に瑕疵がない。) 2024年度の現代文は、いくぶん平易で、読みやすかったと思います。 文学部は随筆が出るのが特徴で、その対策(筆者の思考を追いかけて読む練習)は欠かせません。 文学部についてはむしろ、古典が手強いので、入念な準備が必要です。これについては、次回掲載の古典パートでお話しし…

  • 大学受験の向き合い方~「引き算」の学習計画

    こんにちは。大学受験「天晴」塾のbackbeat-akaです。 今日は新学期がスタートしたので、学習計画の立て方についてお話しします。 このお話は、高校3年生、浪人生などの「大学受験生」を想定しています。 来年、大学受験受験を控えている人にとって、受験勉強は「引き算」です。 共通テストや国公立大学の二次試験の実施日、私立大学の入試日程は既に決定してます。準備が間に合わないからといって入試日を先延ばしにはできません。 したがって、これからやれることは限られています。だから「引き算」なのです。「あれもやろう、これもやろう」と思っても、時間が足りません。 期限の決まっている試験日までに、やれることを…

  • backbeat.hatenablog.com

  • 2024年度 早稲田大学商学部 国語解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾 代表のbackbeat-akaです。 今回は2024年度早稲田大学商学部の問題を一括掲載します。 商学部の問題は年度によって難易度の差が激しいのが特徴です。 現代文にその傾向が顕著で、今年度の問題は、正解を選びがたい設問が随所にみられ、その意味で「難問」といえるでしょう。 大学発表の正解に「???」と首をひねる問題が多々ありました。 この問題を完答(正解)するのはかなり大変です。 まあ、受験生にとってはそんなことも言っていられないのですが。 一般的に言って、社会科学、経済系の先生が作成する(と思われる)現代文の問題は、作成者の専門へのこだわりが強すぎて、受験生が…

  • 2024年度 早稲田大学法学部 現代文(三)(四)解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾 代表のbackbeat-akaです。 前回に引き続き、2024早稲田・法の現代文を掲載します。 法学部の現代文は大問が2題出題されるのですが、一つが非常に抽象的な文章で難しく、しかも120字~180字の記述問題を含んでいるので、90分の制限時間内に古典も含めて敢闘するのが困難です。 いかに古典(一)(二)を早めに切り上げて、現代文に時間を費やすかが鍵となります。 ただ、(四)の選択肢には特徴があるので、その法則に気づけば簡単に解くことができます。(詳細は問題解説を参照してください。) また、(四)の最後の記述問題は、それまでの設問で自分が選んだ選択肢(自分の選ん…

  • 2024年度 早稲田大学法学部 現代文解説

    2024年 早稲田大学法学部 国語(現代文パート) 解答解説第三問(三)16点 ◎本文展開(マッピング)第一意味段落(①~③) ① ブルーノ(ルネサンスの哲学者)・・・コペルニクスの地動説を敷衍 宇宙の( A )性と世界の( B )性を提唱 ② ブルーノがコペルニクスから読み取ったもの ↓ ・知の新たな基礎づけ=彼自身の野心的な哲学プログラムに呼応する宇宙論の素材 ・不和と虚栄にまみれた人間社会の中で真理を語るという道徳の判例 ↓ (1)コスモ土ジーとモラルの二つに関して、ブルーノは自身と共鳴するものをコペ ルニクスのなかに読み取った ③ ブルーノ・・・同時代の天文学の研究成果を吸収/自身の自…

  • 2024年度 早稲田大学法学部 国語(一)(二)古典 解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾代表のbackbeat-akaです。 今回は2024年度早稲田・法の古典部分(一)(二)の解説を掲載しました。 現代文も掲載しようと思いましたが、分量が多いので別の機会に掲載します。 早稲田の国語は、法学部が一番難しいと思います。(現代文は文学部も難しい。) ただ、古典の問題は全て選択問題なので、選択肢がヒントになります。 設問の傍線部をつなげて読んでいくと、本文の主旨となるテーマが見えてきます。 早稲田においても、共通テストや東大、京大と同様に、最初にリード文、注、設問に目を通して情報をつかんでから本文を読みましょう。 早稲田法学部の古文で注意することは、 ①単…

  • 2024年度 早稲田大学法学部 国語(古典)解説

    2024年度 早稲田大学法学部 国語(古典) 解答解説 第一問 古文「小さかづき」(14点)★江戸時代の仮名草子からの出題。法学部の問題は文章中に和歌が含まれることが多 い。早稲田の古典は、法学部が一番難しい。文法や語句と文脈を結びつけて答えさせ る問題が多い。★問題文は前半で、「足ることを知る」ことの重要性と、「世の常の人」にとっては 「足らざるを足れり」とすることは不可能だ、ということを述べている。★後半は「太秦の池の蛙」が「二足歩行をしたい」という願いが叶う代わりに、目が後 ろ向きになってしまったので、結局昔の通りの四足歩行に戻してもらったという逸話 を引き合いに、身の丈に合わない願望を…

  • 2024年度京都大学国語第3問(文系)古文解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾 代表のbackbeat-akaです。 今回は2024度京大 文系古文の解答解説を掲載します。 近世(江戸)からの作品の出題が多い京大ですが、今回の出典は「とはずがたり」。有名な作品ですね。 2013年度の東北大学や、2022年度の共通テストで出題歴があり、なんと京大でも2014年に文系で出題されています。 「とはずがたり」といえば、何といっても後深草天皇と、女房として寵愛された作者である二条とのエピソードが有名です。 二条は後に、正妻の嫉妬を恐れた後深草天皇から遠ざけられ、出家して旅に出るのですが、これまでの入試に出題される部分はほとんど、宮中での出来事でした。…

  • 2024年度京都大学国語 第3問文系古文

    2024年度 京都大学国語 第三問 古文(文系) 「とはずがたり」(50点) ★京大の古典で要求されていると考えられる力①現代語訳の力→直訳・逐語訳が基本だが、適宜言葉を補ったり意訳したりして整える必要もあると考 えられる(最終的に、内容が読み取れていることが示せなければ評価されない)。現 代語訳の問題を含めて全ての設問の根底にこの現代語訳がある。②基本的な読解力→主語判定の技術(敬語や接続助詞に適宜着目する)や和歌の読解の技術などがしばし ば要求される。③背景知識(文学史や古典常識)や文章構造(対比・対応など)から細部を推理する力④設問への対応力→設問の要求にきちんと答えて答案を作る力(→対…

  • 2024年度 京都大学国語 文系第2問 高村光太郎「永遠の感覚」解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」代表のbackbeat-akaです。 2024年度京大文系第2問の解答解説をお届けします。 難易度は例年並みだと思いますが、第1問と同様、これを40分程度で解答するには、かなりトレーニングを積む必要があります。 共通テスト終了後に慌てて取り組むのではなく、7,8月から少しづつ、過去問題で練習していくことをおすすめします。 文章を「読む」ことと「書く」ことの間には、大きな溝があります。読めなければ書けませんが、読めたからといって直ちに書けるものではないのです。 どちらにも、読むための作法、書くための作法があります。こうした「思考のプロセス」を身につけて下さい。 なお、…

  • 2024年度京都大学国語 文系第2問

    2024年 京都大学 第二問(文系)(文50点) 第一意味段落(①~③)②永遠という観念・・・其の根本の観念として時間性を持たぬものはない ③永遠・・・絶対に属する性質/無始無終/無限の時間的表現 ↓ 本来神とか物質自体とかいう観念以外には用いられない言葉 人間の創作に成る芸術圏内に使うのは言葉の転用 ↓ 芸術作品が永遠性を持つ・・・個人的観念を離れ、無始の太元から存在し、今後無限に存在する特質を持つ →芸術の究極の境は此処に存在 ↓(此の永遠性) 日月のように尊敬/今日あって明日は無いような芸術的生命から脱却したいと思う ・・・(1)至極当然なこと 第二意味段落(④~⑤)④(2)其処へニヒル…

  • 2024年度 京都大学国語第1問 解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」代表のbackbeat-akaです。 2024年度京大第1問の解答解説をお届けします。 京都大学の現代文は、毎回、解答要素となる本文の範囲が狭いのに、解答の記述量がべらぼうに多い、というのが特徴です。 解答欄は3行(1行25字くらい)~5行ですから、75字~125字くらいの解答を作成しなくてはなりません。 第1問でいえば、解答時間を40分と設定した場合、問1~問5までを、概ね6分~7分で解答しなくてはならず、共通テスト並みの(それ以上かも)スピードが要求されます。 従って、早い段階からの入念なトレーニングが必要です。過去問題対策は必須です。 さて、2024年度の第1…

  • 2024年度 京都大学国語第1問 名倉有里「夕暮れに夜明けの歌をー文学を探しにロシアに行く」

    2024年 京都大学 第一問 名倉有里「由切れに夜明けの歌をー文学を探しにロシアに行く」(文50点・理40点) ◎本文展開(マッピング)第一意味段落(①~⑤) ① ラジオのロシア語講座・・・ブラート・オクジャワの歌「祈り」 ↓② 一風変わった詩に惹かれた/いつまでも聴いていたくなるような魅力 ③ ロシア語講座のCDで聴いたロシア民謡・・・哀愁ある歌詞が心に残った ↓(ロシア語に取り組んで数年がたった頃)④ 突然思いもよらない恍惚とした感覚に襲われてぼうっとなる ↓ 「私」という感覚が薄れ、自分自身という殻から解放されて楽になる ↓ その不可思議な多幸感に身を委ねる/ますます真っ白になっていく …

  • 2024年度東京大学国語 第4問 解答解説

    こんにちは。大学受験「天晴」塾 代表のbackbeat-akaです。 今回は2024年度東大第4問(文系専用)の解説を掲載します。 今回も文学者(昨年は詩人)のエッセイが題材でした。 昨年よりは読みやすい文章でしたが、解答の根拠がはっきりしない設問が多く、受験生は何を書いていいのか戸惑ったことと思います。 マーキング例と、随筆特有の、「筆者の思考の揺らぎ」のループ図を付けておいたので、参考にして下さい。 本文マーキング① 本文マーキング② backbeat.hatenablog.com

  • 2024年度東京大学国語 第4問

    2024年度 東京大学 国語第四問(文科専用)20点 解答解説 ◆本文展開図(マッピング)第1意味段落(①~②) ① 大学三年の夏 日本語を母語としているのに、フランス文学を研究する理由 ・・・うまく答えられなかった ↓ 重要な問い=時間をかけて向き合うべき宿題 ② たしかに外国文学を学ぶということは奇妙なこと ↓ 遠い国の言葉をわざわざ習得してものを読み、書こうとする 難解な構文をどう訳すか手を焼く 辞書を引きながら拙いフランス語で何とか表現しようとして言葉に詰まる ↓ じかに触れたいものにガラス越しにしか接近できないようなもどかしさ ↓(少しずつ言葉を覚えるにつれて) (ア)ガラスは薄くな…

  • 2024年度東京大学国語入試問題第2問(古文)・第3問(漢文) 解答解説

    こんにちは。大学受験塾「天晴」代表のbackbeat-akaです。 前回に引き続き、2024年度東大の古典の解説を掲載します。 昨年、東大の古典は易化したのではないか(特に古文)と思いましたが、 今回も古文に関しては同様の感想を持ちました。 「讃岐典侍日記」というメジャーな題材にはびっくりしました。 やはり有名古典についての予備知識、リテラシーは必須だということが改めてわかりました。 東大の問題を解くのに必要な力は、基本的な文法力、語彙力、句法理解力であることはよく言われることなのですが、東大の問題はこれらの知識の組み合わせの出題が圧倒的に多いということです。 (東大の募集要項に書いてある、「…

  • 2024年度東京大学国語第2問(古文)・第3問(漢文) 解答解説

    2024年度 東大国語 解答解説 第二問 古文 「讃岐典侍日記」(文30点 理20点) ★東大の古典で要求されていると考えられる力①現代語訳の力 →直訳・逐語訳が基本だが、適宜言葉を補ったり意訳したりして整える必要もあると 考えられる(最終的に、内容が読み取れていることが示せなければ評価されな い)。現代語訳の問題を含めて全ての設問の根底にこの現代語訳がある。②基本的な読解力 →主語判定の技術(敬語や接続助詞に適宜着目する)や和歌の読解の技術などがしば しば要求される。③背景知識(文学史や古典常識)や文章構造(対比・対応など)から細部を推理する力④設問への対応力 →設問の要求にきちんと答えて答…

  • 2024年度東京大学国語第1問 解答解説

    backbeat.hatenablog.com こんにちは。「天晴」塾代表のbackbeat-akaです。 国公立大学の二次試験に臨まれたみなさん、お疲れ様でした。 今回は先日実施された東京大学二次試験の国語第1問(評論)の解説を掲載します。 毎年、東大の第1問(評論・配点40点ー推測・解答時間の目安:60分)は、その時の時代状況、世相を反映した、実にタイムリーな文章を出題します。 2020年度の第1問では、自由意志という名の下に社会的な格差を自己責任として階層構造が固定化される、という内容の文章が出題されました。当時は非正規雇用に象徴される「格差社会」が社会問題となっていました。 2021年…

  • 2024年度 東京大学国語第1問 解説

    第一問(文理共通)40点 解答時間の目安:60分◆本文展開図(マッピング)第1意味段落(①~③) ① タンザニアの行商人・・・2000年代末までは客との対面で値段交渉② 行商人たちの悩み・・・貧しい得意客から頻繁に掛け売りを求められる ↓ ツケの取り立てに苦労していた ↓③ 行商人たちにとって掛け売りを認めることは、商売戦略上の合理性とも合致してい た(ア) ↓ 貧しい消費者・・・ツケを認めてくれる行商人を贔屓にする 行商人・・・得意客の確保や維持につながる 消費者・・・ツケの支払いのついでに新たな商品を購入してくれる可能性 行商人・・・販売枚数を稼げば、仕入れ先の仲卸商人から仕入れの順番や価…

  • 2022年度 東京大学国語第1問 鵜飼哲「ナショナリズム、その〈彼方〉への隘路」

    こんにちは。「天晴」塾代表のBackbeat-akaです。 長らく更新が滞っていました。 国立大学二次試験の指導に忙殺されていました。 2月の上旬に、東大、京都大、お茶の水女子大などの過去問題の解答解説を五月雨式に掲載する予定でしたが、ご要望にかないませんでした。すみません。 遅ればせながら、標記の記事を掲載します。 本番まであと2日しかないので、どれだけの人が閲覧するかわかりませんが・・・ 本文マーキング① 本文マーキング② backbeat.hatenablog.com

  • 2022年度 東京大学国語第1問 解答解説

    2022年度 東大国語第1問 解答解説 鵜飼哲「ナショナリズム、その〈彼方〉への隘路」(40点)(一)6点*第1意味段落(1~4段落)から、筆者の体験を踏まえて「日本人らしさ」の内容を 説明する。*「日本人としての仲間意識があった」が解答の中心になる。 ★必須要素(2~4点) ◆「国外(外国・海外)では、同じ日本人・日本人同士に壁はない」と「期待した(考え た・思った・認識した・判断した・油 断した)」ことに適切に触れていること。 ○加点要素(4~6点)1 傍線部の前の行の 「日本のなかでは日本人同士種々の集団に分かれてたがいに壁を築く」 「しかし、ひとたび国外に出れば・・・」 ↑ この部分を…

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