AIの波は物理世界へ?車両から店舗まで膨大なデータを握るIoT企業「Samsara」の現在
2026年6月現在、AIブームの中心にいるのは半導体やデータセンターといった「設備投資」関連の銘柄です。一方でその波は、トラックや重機、現場で働く人々といった物理の世界にも届き始めています。 そこで今回注目したいのが、IoTとAIで物理資産を管理するテクノロジー企業、Samsara(ティッカー:IOT)。新たに発表された2026年2〜4月期の決算からは、AIが現実の現場をどう変えつつあるのかが浮かび上がってきます。 ビットからアトムへ――AIの主戦場が物理世界に移る
逆風のルルレモン、通期見通しを下方修正。創業者との対立や北米失速、関税が重荷に
ルルレモンといえば、カナダ・バンクーバー発祥の高級アスレジャー(運動着と普段着を兼ねる衣料)ブランド。ヨガ用レギンスを中心に成長し、現在の年間売上高は約110億ドル規模に達します。 おしゃれなブランドとして人気のルルレモンですが、このところ業績は低迷しています。新たに発表された2026年2〜4月期の決算では、伸びる中国と沈む北米の対照が鮮明になりました。経営陣は通期の業績見通しを引き下げ、その理由を具体的に説明しています。 中国が伸び、北米が沈む
医薬品特化SaaS企業「ヴィーバ・システムズ」創業者が描くAIの新たな事業モデル
ヴィーバ・システムズ(VEEV)は、医薬品・バイオテクノロジー業界に特化したクラウドソフトウェアを手がける企業です。2026年2〜4月期の総売上高は8.83億ドル、非GAAPベースの営業利益は3.95億ドル。いずれも会社計画を上回りました。 ピーター・ガスナーCEOは「力強いスタートを切った」と発言。業界向けAIという明確な構想に沿って事業を進めていると語りました。中でも注目を集めたのが新製品「Falcon」です。CEOは、これを「業界クラウドの次の章」と位置付けました。 ソフトウェアを売る会社から、「労働」を売る会社へ
Netskope、「AI時代の配管はいま敷かれている」——足元の成長は減速、再加速は下期か
企業の通信を見張るセキュリティ企業のNetskopeが発表した2026年2〜4月期決算は、売上も年間契約ベースの収益も会社の見通しを上回り、通期の売上予想の引き上げにつながりました。ただ、その裏で新たに積み上がった契約額は前年を下回っています。好調な数字と、伸び悩む数字が一つの四半期に同居する内容になりました。 同社はAIの普及を最大の追い風と捉えています。サンジェイ・ベリCEOによれば、AIセキュリティ製品の引き合いは創業以来もっとも速く伸びているといいます。一方であるアナリストは、営業やマーケティングに投じる費用を大きく増やしたのに新規の伸びは鈍いと指摘し、その追い風の実体を問いました。
クラウドストライク、AIという金鉱で「ツルハシとスコップ」を売る
企業のパソコンやサーバーを乗っ取りから守るクラウドストライクが発表した2026年2〜4月期決算は、増収に上方修正が重なる内容でした。同社は期の途中で通期の見通しを引き上げ、あわせて上場来初となる株式分割も発表しています。AIに脅かされる側と見られてきた業界が、AIブームの追い風をはっきりと数字に映した格好です。 ジョージ・カーツCEOは、足元の好調を一時的なものとは見ていません。「私が見ているのは、AIがサイバーセキュリティへの構造的な需要を生み、減速ではなく積み上がっていくということだ」と述べました。AIが広まるほど守るべき対象が増え、需要が自ら膨らんでいくという構図を描いています。
AI半導体、通期560億ドルへ──ブロードコムが語る「飽くなき需要」の現在地
米国の半導体大手、ブロードコムが、2026年2〜4月期の決算を発表。総売上高は前年比48%増の222億ドルで、過去最高を更新しました。 急拡大しているのは、AI関連の事業です。2026年2〜4月期の総売上高は222億ドルとなり、前年比48%増の過去最高を記録。けん引役はAI半導体で、売上高は108億ドル、前年比143%増となりました。
GitLab、「AIエージェントはサイコパスなインターン」——売上23%増
AIがプログラムを書く時代になれば、人手の開発を支えてきた会社は要らなくなる。そんな見方が広がるなか、ソフトウェアづくりの一連の作業を一手に担うGitLabが、2026年2〜4月期決算を発表しました。売上は前年比23%増と伸び、通期の見通しも引き上げました。飲み込まれるはずだった側が、むしろ勢いを増しています。 ビル・ステープルズCEOは決算説明会で、「エージェントの時代は、私たちのような基盤に構造的な追い風を生んでいる」と述べました。AIが自動で大量のコードを生むほど、その働きを束ね、管理する場所の重みが増すという見立てです。脅威とされた波が、追い風に変わりつつあります。
サイバー攻撃が「25分」で完結する時代——パロアルトネットワークスが描く防御の最前線
米国を代表するサイバーセキュリティ企業のパロアルトネットワークスが6月2日、2026年2〜4月期(第3四半期)の決算を発表。売上高は前年比31%増の30億ドルとなり、主要指標が会社の見通しを上回りました。 決算説明会では、AIの普及が攻撃と防御の両面でセキュリティ需要を押し上げているという認識が繰り返し示されました。率いるのは、かつてソフトバンクGで孫正義氏の後継者とも噂われたニケシュ・アローラCEO。同氏の発言を中心に、サイバーセキュリティの現在地を紐解きます。 「終末論」は終わり。AIは逆風から追い風に
ARRの半分が新領域、AIセキュリティは倍増。センチネルワンが立つAI時代の最前線
SentinelOne(センチネルワン)が5月28日、2026年2〜4月期の決算を発表しました。同社は、パソコンやサーバーなどの端末を守る「エンドポイントセキュリティ」で知られるサイバーセキュリティ企業です。 売上高は前年比21%増の2.77億ドルでした。年間経常収益(ARR)は前年比23%増の11.6億ドルに到達。決算や説明会で経営陣が語った内容から、AI時代のサイバー防衛がどう変わりつつあるのかを紐解きます。 エンドポイントの会社から半分別の会社に
激安店ダラー・ゼネラルに、いま「年収10万ドル超」が押し寄せる
ダラー・ゼネラルが2026年2〜4月期決算を発表しました。地方の小さな町に展開する激安雑貨チェーンに、いま思いがけない客層が押し寄せています。安い店は家計の苦しい人が向かう場所、という見方は揺らぎ始めています。誰がどの店で買い物をするのか——その地図が、静かに描き換えられています。 変化は客層だけにとどまりません。この会社は、ただ安く売る店から、稼ぎ方そのものを組み替える店へと姿を変えつつあります。売上の伸びと利益の伸びが、これまでと違う動き方を始めました。安売りという言葉だけでは、もうこの会社の輪郭はつかめません。
「AIはデータの側にやってくる」— Elasticが描くAI時代の基盤戦略
Elastic(NYSE:ESTC)は、検索エンジン技術を起点に、システム監視(オブザーバビリティ)やセキュリティの領域へ事業を広げてきたソフトウェア企業です。5月28日に発表した2026年2〜4月期決算では、主要な指標のすべてで自社見通しを上回りました。 AIはデータのある場所にやってくる アシュトシュ・クルカルニCEOは、業界の構造が変わりつつあると指摘しました。大規模言語モデル(LLM)が新しい基本ソフト(OS)のような存在になり、エージェントによる自動化が業務の前提になりつつある。AIの普及はあらゆる規模の組織に広がり、長期的な追い風になると主張しています。
受注2倍、過去最高の受注残 HPEが「需要の崖はない」と言い切る理由
サーバーやネットワーク機器を手がけるHPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)が、2026年2〜4月期の決算を発表しました。記録ずくめの数字と通期見通しの大幅な引き上げに加え、異例の2027年10月期の枠組みまで示しました。 2026年2〜4月期の売上高は、前年比40%増の107億ドル。非GAAPベースの一株利益(EPS)は0.79ドルで、前年同期から108%増えました。いずれも会社の従来予想の上限を上回っています。フリーキャッシュフローは9億1,500万ドルで、前年同期から18億ドル改善しました。
AIで足りないのはGPUではない——売上3倍「Credo」が映す"接続"の正体
AIの主役といえば、NVIDIAに代表される高性能なGPUを思い浮かべる人が多いはずです。ところが、AIブームの果実を最も急な角度で受け取っている企業の一つは、そのGPUをつなぐ部分を作る半導体メーカーでした。Credoが発表した2026年4月期通期決算は、売上が前年の3倍を超える急成長となりました。半導体業界でも例の少ないこの伸びは、AIインフラに新しい制約が生まれていることを映しています。
米オクタが5月28日に開いた2026年2〜4月期決算説明は、AIエージェント戦略に多くの時間が割かれました。同社は世界で2万を超える企業にID管理基盤を提供しており、多くのクラウドサービス(SaaS)にログインする際の入り口になっています。 全てのエージェントは「新しいID」になる トッド・マッキノンCEOは「テクノロジーの未来はエージェント型だ」と主張。企業内のすべてのAIエージェントを新たな「ID」(利用単位)として扱う考え方を示しています。人間の従業員を管理してきた仕組みを、AIエージェントにも同じように適用するという発想です。
MongoDB、「AIを狙っていなかった」会社がAIの本命に躍り出た理由
MongoDBが発表した2026年2〜4月期決算は、売上が市場予想を上回りました。データベースを手がける同社にとって、規模が大きくなるほど成長率は鈍るのが通常です。ところが今回は、その成長率が前の期からむしろ加速しました。裏方に徹してきた地味なインフラ企業に、何が起きているのでしょうか。
クラウド上データの8割を支える「古い技術」ウェスタンデジタルが描くAI時代のHDD
HDD(ハードディスクドライブ)を専門に手がける米国企業、ウエスタンデジタル(WD)が株式市場での期待を高めています。同社は2025年2月にフラッシュメモリ事業(サンディスク)を切り離し、HDD一本に絞ったメーカーになりました。 4月30日に発表された2026年1〜3月期の決算で、売上高は前年比45%増の33億ドル。1株当たり利益(EPS)は前年同期のほぼ2倍となりました。AIブームはGPU、CPU、メモリと様々な製品に供給不足を引き起こしてきました。それがストレージにまで波及している現況が、同社の決算には表れています。 「AIに消される技術」ではなかったHDD
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