酔漢憧憬

酔漢憧憬

私たちは日々、さまざまに着飾り、「美」を飾ることによって、あるいは知識で武装し、「知」を誇示することによって、少しでも自己を大きく見せようと奮闘している。 獣と私たちとを隔絶するのは、まさにそういった自己研鑽の有無に他ならず、そのために私たちは本能的欲求を抑圧しさえする。 それが無意味である、とは思わない。だが、私たちは押し並べて皆死にゆく存在である。あのソクラテスでさえ死んだのだ。例外はない。...