裏切りの始まり 通帳に取りつかれた男 割れた墓と弟の死 静かに何かが忍び寄る 会社に現れた何か 裏切りの始まり ある地方の旧家の話です。この家は代々地元で事業を営み土地や不動産を多く持ち、資産も潤沢。 経営も安定しており、「名家」と呼ばれるにふさわしい立場でした。 そこには二人の兄弟がいました。長男と体の弱い次男。幼い頃から母親はことあるごとにこう口にしていました。 「お前が弟を守ってやってね。私がいなくなっても後は頼むよ」 母親にとってはこの弟のことが本当に気がかりだったのです。 やがて長男は家業を継ぎ経営の手腕を発揮しはじめます。しかしその矢先に母親が突然、心臓発作で急逝したのです。 葬儀…