ろまんす

ろまんす

それはもう濃い三ヶ月間だった。 大袈裟でもなんでもなく、文字通り、現実離れしていて、空想的で白昼夢みたいなーーロマンス。パラドックス。 コスタリカの強烈な緑と、息を呑むような夕陽。広々とした空と、ハチドリの声。ゆったりとしたコロンの街の時の流れに反して、 大学の勉強は飛ぶように前進するし、スクールバスは1分たりとも遅刻しない。学校で生物多様性と人間の愚かな環境破壊行為を勉強しながら、悲しいくらい美しい自然に癒される矛盾。 世界中の学生がそれぞれの意見と倫理を抱えてやってきて、信じられないスケールでディスカッションが行われる。あれやこれやと並び立てる自分の言葉が、時に立派に思えたり、どうしようも…