いつかの花見と野点

いつかの花見と野点

もう桜も散りつくしてしまったが、今年は桜の花を満喫したような気がする。 いつかのこと、うららかな春の日の昼下がり、家人と散歩がてら花見に出かけた。 うちのほど近くにまぁまぁ広い運動公園があって、そこに毎年桜が咲く。 ランチバッグに、茶碗、茶筅、茶杓、お抹茶、干菓子、懐紙、ランチクロス、熱湯入りの水筒を詰めた即席の野点セットを手に提げて、その公園までのんびりと歩く。 道すがらの野の花たち。 ナズナ。 ホトケノザ。 タンポポ。 ラッパスイセン。 イヌナズナ。 オオイヌノフグリ。 久しぶりに目にした野の花たち。 小学生時代の通学路を思い出して、なんだか懐かしい。 そして、公園に着いた。誰もいない。 …