死亡届を書いてユーキャンボールペン字講座の伏線を回収した話
新年度初日、前日に社内発表があった無理な人事配置に文句を言うための会議中だった。机上のiPhoneが鳴った。光った画面のけたたましい通知の数と、滅多に連絡のない父親からの着信に、上司に断りを入れて電話に出た。長らく闘病中だった祖父が亡くなったという知らせだった。 今からお通夜になる、仕事は問題ないか確認してあとでLINEしてとのことだ。正直まだ現実味がなく、悲しみよりもとにかく狼狽してしまった。幸いにもさっきまで不満をぶつけていた上司が仕事を引き受けてくれたので、私は急いでお通夜の行われる葬儀場に向かった。私が葬儀場に着いたのは、病院で祖父を看取ってからこちらに向かっていた祖母と父親が着いたの…
2022/04/04 20:54