今、俺はゴミ箱を漁っている。ひとっけの無い住宅街で。ぼんやりと街灯が揺らいでいる道端で。俺は、必死に食べ物を漁っていた。なんでもいい。エネルギーになりさえすれば、なんでもいい。恥ずかしいなんて感情は、とうの昔に捨てている。あっ、あった!ミカンの皮だ!しかも、3つも!俺はためらいもなく、貪り食う。これで3日はいける。満足感が俺の体中を包む。いつ頃からこうなのか。けれど、少量の食べ物で動ける俺は、まだいい方なのかもしれない。と、わからないふりをしているが、実はこうなってしまった原因を、俺は知っている。すべては、8年前。俺が、”アイ”を発見した事からだった。アイの体は機械だった。完全に停止していたと思われたアイを、システムエンジニアだった俺は、うかつにも直してしまった。それから世界が大きく変わった。金持ち達は、...『俺の話(AI=愛2)』
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