笑顔の白い歯
一兵の父次郎は歯科医だが、一兵には医師になる事を強く勧めた。これは一兵の祖父が医師であった事が影響している。次郎は浪人したが医学部に受からず、歯学部に行きそのコンプレックスを一兵に託した。歯科医にはそういう人間は多い。しかし一兵も医学部に合格できず、浪人したくなかったので歯学部に進んだ。 そういう次郎の影響もあり一兵の根底には医科は命を預かる1番の仕事、歯科はそこまでやりがいがないというのが根底に流れていた。 ある時、一兵が若い女性の患者、河田里美を担当した。里美は20代半ばの若い女性である。右下奥歯のCR修復を終え、右上4番のFMCのマージン不適が気になっていた。 一兵はTCの正力にコンサル…
2021/12/30 21:31