「元気か雄大!高校はどうするかもう考えてる?」 まだ3年生になったばかりでなにも考えていなかっただろう 「俺、閃いたんだよ。まだ決めてないなら△△…
「元気か雄大!高校はどうするかもう考えてる?」 まだ3年生になったばかりでなにも考えていなかっただろう 「俺、閃いたんだよ。まだ決めてないなら△△…
春が来て中学3年生になった 少しずつではあるが着実に戦績を伸ばしてきた雄大にとって、この1年があんなにも苦しいものになるとは思いもしなかった ─┘…
※本編から離れます ※あくまでも私自身が見聞きした限りの話です 出会ったのは小学校中学年頃だっただろうか 左利きでスピン量の多いストロークが光ってい…
空気が澄んで気持ちの良い晴れの日だった 1ヶ月程入院をし身体は鈍りきっていたのだろう 運動の許可が出たこともありスクールへ向かった 久しぶり…
中学2年生のある時期、原因不明の体調不良に襲われた かかりつけの小児科へ行くも原因は分からず終い 体調不良の波は日によってあるものの毎日の練習は欠…
この年からテニスにかかる費用は大きく増えることとなった 小学生の時に比べると金銭的負担は大きく増えていった そしてこれはここから更に増え…
この年は2回の全国大会を経験した いずれも2回戦敗退 そして2大会とも いつか試合をしてみたいとずっと思っていた関東の選手と対戦することができ…
雄大は車の中で見慣れない外の景色をずっと見ていた 時に目を閉じ少し眠ろうとするも眠気はこないみたいだ 「CDを変えようか」 雄大に声をかける…
背が高いから強い 多くのジュニア選手達を見てきてこれは違うと私は感じる 有利なのは事実だと思うが 身長はそこまで大きなアドバンテージではない…
あの頃は月日が経つのを早く感じていた ジュニアテニスが終わりしばらく経つ今は穏やかな日がゆっくりと過ぎていく 雄大と共に過ごしたテニスの日々 …
この年も県予選を通過し2つの地区大会に出場した 1つの大会は初戦敗退 もう1つの大会は2回戦敗退 初めて初戦に勝つことができた年だった こ…
自分に降りかかった思いもよらぬこと しかし立ち止まってはいられなかった 不得意なものは誰から見ても明らかなものだった 一度対戦した相手にはそ…
とても不思議な現象だった 調子が悪いだけ 成長期特有のフォームの乱れ そう理由付けするにも限界がきていた 待った無しで近づいてくる試…
「最近調子が悪いんだよ」 始まりの言葉だった 調子が良い日もあれば悪い日もあるものだよ そう言って特段気にすることもなかった 今日もだ …
雄大と妻がお互いの主張を繰り返す終わりのない会話を聞いていた いつかそう言い出す日が来るのでとは思っていた でもそれはまだまだ先のことだろうと …
自分がプロになれると思っているのか そう聞かれた雄大は「プロにはなれない」そう言われているように感じ悔しかったのだろう 「確かにオレは弱いよ そん…
私は言葉が出なかった 黙って妻と雄大の会話を聞いていた 「何を言ってるの?」 雄大の冗談だと思い妻は可笑しそうに笑った 「学校に…
「話があるんだけど」 テレビを見ていた私と妻のところに雄大がやって来た 話を聞くためにテレビの電源を切る妻 「どうしたの?」 「あのさ…
人生はやり直しはできても巻き戻しはできない あの時Aクラブへ行っていたら雄大の今は変わっていたのだろうか 移籍はおろか体験や見学に行くことさ…
男性はサングラスを外し、自己紹介をしてくれた 「Aクラブの後藤と言います」 そこのクラブは県内では他クラブとは一線を画す印象で 規模的には小さ…
入学式、ブカブカの学生服を着た雄大はなんだか照れ臭そうにしていた 小学校から中学校へ 通う学校は変わっても 生活自体は特に変わりはなかった …
雄大がテニスにのめり込むに連れ妻は雄大と過ごす時間が少なくなることを嘆いていた お買い物行こうよ ご飯食べに行こうよ 動物園に行こうよ …
その年の別の地区大会 結果は初戦敗退だった 上位シード選手との対戦だったが 雄大がこの時どんな様子だったのかは何故か思い出せない 実力の差…
「え、うそでしょ?」 久しぶりに会った健太郎君に話すととても驚いていた 「本当だよ」 小学生のうちはは土台作り 小さく狭い土…
プレースタイルとは自分で選ぶものではないと思っていた 環境や性格、得手不得手があり自然とそれになっていく そういうものなのだと思っていた …
勝てるテニス 雄大はその意味は理解していた 「それを練習してみるか?」 「やります」 帰ってきた雄大は私にどう思うかと聞いてきた …
なぜ勝てないのだろう 自分には何が足りないのだろう 悔しさよりも勝てない理由が知りたかった 勝ちたい 勝ちたい 「勝つためにも…
6年生になり2度目の地区大会を迎えた 雄大は自信があった 絶対に勝ち上がってみせる それは揺るぎない自信だった 心地良い緊張感の中コートに立…
試合に負けた時、いつも雄大はイメージをしていた 負けた相手に自分が勝つ事を想像をし 「3ヶ月」 「6ヶ月」 「1年」 その相手と自分の差を考…
この試合もハッキリと憶えている その日の天気や空気、会場の雑多な音さえもリアルに思い出せる 他県の同級生との試合だった とても小柄で華奢な男の子…
スクールに1本の電話があった 電話の主は健太郎君のコーチ うちの健太郎がそちらの小林雄大君と練習をしたいと言ってるが、そちらに行かせてもいいだろうか…
この年、身内の不幸があり関東に行く機会があった 練習を休みたくないから行きたくないという雄大を1人置いていくわけにもいかず、現地でテニススクールの見学に…
雄大の初めての優勝で所属スクールは少し湧いた おめでとう たくさんの保護者の方々にそう言ってもらった そしておめでとうの言葉の後には皆が同じ…
5年生のある日、初めて試合で優勝をした 草トーでは無い試合の優勝は初めてだった 全く想像もしていなかった私は、ひとつ、またひとつと勝つ度に大きく…
毎年大晦日まで練習をし 元日に1人で出掛けて行き友達と初打ちをする それはある時期まで毎年のことだった テニスコートで友達と初日の出を見る事…
雄大の為に私ができることはないだろうか そう思いコーチに相談をした コーチから何か課題をもらい、それを元に雄大の自主練習に私が付き合う 苦手な…
負けて悔しいと思うようになったのはいつからだっただろう 負けても「楽しかった」と笑うことはもうなかった 楽しい、ただそれだけでしていたテニス …
試合を見て苛立ったことが無いと言えば嘘になる イライラすることは当たり前のようにあった 雄大に一言言ってしまいそうな時もあったが堪え、笑顔で接す…
彼と再び対戦したのは4ヶ月後の寒い日だった 彼はあの時雄大に聞いた、例のショットを打つようになっていてとても驚いた きっと一生懸命練習したのだろう…
その年の夏 ある試合の2回戦 対戦相手の選手はとても速い球を打つ子だった 速い球と言っても小学生のそれは知れている しかし、この子は小さい身…
都道府県予選では草トーに出ていた頃には勝てなかった子達にも難なく勝ってしまった 私は驚くばかりだった 長身の6年生との試合 タイブレークでその…
寝ても醒めてもテニスのことしか考えてなかった 熱を帯びた思いは小さな種火となり、そして次第に種火とは言えないほどに大きくなっていった 月…
健太郎君との再会はすぐに果たされることとなった 1ヶ月後の試合会場 対戦相手は健太郎君 試合が終わり、健太郎君は雄大に笑顔で言った …
この日も初戦負けだった 試合が終わり木陰でぼうっとしていた雄大 「小林雄大君だよね?」 突然名前を呼ばれ驚き振り返ると、知…
関東の子達は強いらしい 強い子達がたくさんいる そんな話を聞いたのは試合会場だった 居住地区で競技レベルの差があるなんて信じ難い しか…
3ヶ月振りに試合にエントリーをした 対戦相手は以前どこかの試合で見かけたことのある子 雄大が取り乱してしまうタイプの子だった 試合前からわかっ…
あの試合の上には全国大会がある そんなことを考えることもなかった 練習と自主練の平穏な日々 1年前に戻ったかのような日常だった …
試合に出なくなりしばらくした頃コーチに呼ばれた雄大 「〇〇って大会知ってるか?」 それは都道府県予選を勝ち上がった子達が集う地区大会だった …
「もう試合に出るのはやめよう」 その理由を求める雄大に言った 雄大がしていることもマナーに反していると思う どんな状況でも全力を尽くすの…
マナー違反であってもルール違反ではない きっとスクールで教えてもらってないんだよ 気にしなければいい そう言ってみたが怒りは収まらない…
雄大は苛立っていた スクールでは試合中のマナーも指導されていた ガッツポーズ 声の出し方 親の拍手 等々、ジャッジについては勿論…
雄大は4年生になっていた 試合では草トーでもそうであったように1回戦敗退が続くこととなった 練習でした〇〇を試してみたけどあんまりうまくいかな…
試合会場で度々耳にすることがあった 雑魚、カス 自分より弱い子を影で馬鹿にしている子達 小学生の時、そしてある一定のレベルの子達に多かった …
彼はイヤな奴だった 驚くほどイヤな奴だった それはコートの外での振る舞いにあった 自分より強い子には媚びへつらい、逆に弱い子に対しては弱いこ…
初めて見た彼はとてもカッコよくて強かった 憧れ そういう気持ちが雄大にはあった その後も試合会場で見かけるとずっと彼を目で追い、試合が始まれば…
試合でのこと この日も色々な試合を見て楽しんでいた雄大 ある男の子に目が止まった 食い入るようにしばらくその子を見ていた 「お父さんあの…
まるで漫画のような草トーからの卒業のあと 2回目の全小都道府県予選に出場した 1Rはテニスを始めたばかりと思われる雄大よりも初心者感が強い子だっ…
新しいクラスになり新鮮な気持ちで練習をスタートし毎日を楽しく過ごしていた 自宅がスクールにほど近いこともありこの頃から1人で歩いて通うようになった …
次のクラスに上がりスクールの練習時間は週6日、1日3時間になった 間もなく草トーを卒業するよう言われた 今までのクラスは『本当の試合』に出るための…
草トーでの初戦敗退が終わりのない出口のように永遠と続いていた しかし少しづつ何かが変わってきていた 初戦に勝つことが時々出てきた 初戦で負け…
負けたくないと思っていない そう確信できる試合があった 3年生、ある日の草トー 対戦相手は雄大と比べたらとても上手な子だった いつも通…
負けたくないという気持ちがあまりないと気がついたのは草トーに出始めてしばらくたった頃だった 勝つ経験が一度も無いからかもしれない そうも考えたが…
その後はまたこれまで通り練習と友達との自主練の日々だった それが雄大にとって楽しい日常で、試合に出たいなどという考えは全くなかった テニスさえで…
あれは本当に雄大なのだろうか テニスとは言えないひどいものだった テニスを初めて1年も経っていないので仕方がない 初めての試合…
一枚の紙を持って帰ってきた 見てみるとそれは試合の要項 忘れもしない これが初めて出た試合 それがどんな試合なのか当時の私と雄大は知らなか…
「プロになりたいです。僕はプロになれますか」 コーチは腕を組んでしばらく考え込んでいた 返答に困ったのだろう 考え込んでいるコーチを…
好きなことしかやらないのはよくない 皆んなが走っているのだから雄大も走らないと 辛いことこそ頑張り甲斐があるじゃないか 何度となく言ってみたが…
ランニングは続いていた 5kmを走るのは楽ではなかった 毎回タイムを計り、次は前回のタイムを更新させることを毎回課されるようになった 更新できないと…
練習時間は1回2時間、週に6回になっていた 既に習い事のレベルは越えている クラスが上がり少しした頃 「ジシュレンてなに?」 耳元…
新しいクラスで練習を始め、とても楽しそうにしていた 上級生との練習はとても刺激があった しかし、ひとつちょっとした問題が浮上していた 理解…
このクラスへ入り3ヶ月経った 「予定より少し早いですが雄大を上のクラスへ上げたいと思います」 今よりたくさんテニスできること 上手な上級…
ある日の練習の後、コーチに声をかけれた 「今から上のクラスの子達が走る競争するから一緒に走ってみないか」 喜び勇んで走りますと答えていた 上の…
今もそこを通るとあの日のことを思い出す カウントを覚えたての雄大に一緒にテニスをしようと誘われた 「お父さんにテニスを教えてあげる」 …
大きなゴムボールを使い擦り上げるようにラケットでボールをなぞる その練習をよくするようになった スピンをかける練習の1歩目だった 1人ラリーも…
テニスを始めて5ヶ月 思い返せばここがスタート地点だった 選手コースの一番下のクラス 周りは皆年下の子ばかりだった 赤い色が入ったボールを上…
※本編から外れます※ 早い時期に適正がわかっていたらどんなに良かっただろうと今も思うことがある 自分はテニスではなかったと雄大が気がついたのは中…
もっとテニスがしたい 5ヶ月程して、週に1度の練習を2回にしたいと言い出した 周りは皆、週に2回来ていたようだったし、1時間の練習では物足りなか…
週に1度、日曜日の10時から11時を楽しみにしていた 一般ジュニアの初心者クラス ラケットを肩まで振り抜きましょうと教えてもらった 数球打った…
貸してもらったラケットを握りしめ緊張の面持ちで皆んなに自己紹介をした それは蚊の鳴くような小さな声だった ラケットの持ち方を教えてもらい、コーチ…
テニスを始めることになったのはとても突然のことだった それはまるで昨日のような、遥か遠い昔のような 子供のジュニアテニスの始まりから終わりを…
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「元気か雄大!高校はどうするかもう考えてる?」 まだ3年生になったばかりでなにも考えていなかっただろう 「俺、閃いたんだよ。まだ決めてないなら△△…
春が来て中学3年生になった 少しずつではあるが着実に戦績を伸ばしてきた雄大にとって、この1年があんなにも苦しいものになるとは思いもしなかった ─┘…
※本編から離れます ※あくまでも私自身が見聞きした限りの話です 出会ったのは小学校中学年頃だっただろうか 左利きでスピン量の多いストロークが光ってい…
空気が澄んで気持ちの良い晴れの日だった 1ヶ月程入院をし身体は鈍りきっていたのだろう 運動の許可が出たこともありスクールへ向かった 久しぶり…
中学2年生のある時期、原因不明の体調不良に襲われた かかりつけの小児科へ行くも原因は分からず終い 体調不良の波は日によってあるものの毎日の練習は欠…
この年からテニスにかかる費用は大きく増えることとなった 小学生の時に比べると金銭的負担は大きく増えていった そしてこれはここから更に増え…
この年は2回の全国大会を経験した いずれも2回戦敗退 そして2大会とも いつか試合をしてみたいとずっと思っていた関東の選手と対戦することができ…
雄大は車の中で見慣れない外の景色をずっと見ていた 時に目を閉じ少し眠ろうとするも眠気はこないみたいだ 「CDを変えようか」 雄大に声をかける…
背が高いから強い 多くのジュニア選手達を見てきてこれは違うと私は感じる 有利なのは事実だと思うが 身長はそこまで大きなアドバンテージではない…
あの頃は月日が経つのを早く感じていた ジュニアテニスが終わりしばらく経つ今は穏やかな日がゆっくりと過ぎていく 雄大と共に過ごしたテニスの日々 …
この年も県予選を通過し2つの地区大会に出場した 1つの大会は初戦敗退 もう1つの大会は2回戦敗退 初めて初戦に勝つことができた年だった こ…
自分に降りかかった思いもよらぬこと しかし立ち止まってはいられなかった 不得意なものは誰から見ても明らかなものだった 一度対戦した相手にはそ…
とても不思議な現象だった 調子が悪いだけ 成長期特有のフォームの乱れ そう理由付けするにも限界がきていた 待った無しで近づいてくる試…
「最近調子が悪いんだよ」 始まりの言葉だった 調子が良い日もあれば悪い日もあるものだよ そう言って特段気にすることもなかった 今日もだ …
雄大と妻がお互いの主張を繰り返す終わりのない会話を聞いていた いつかそう言い出す日が来るのでとは思っていた でもそれはまだまだ先のことだろうと …
自分がプロになれると思っているのか そう聞かれた雄大は「プロにはなれない」そう言われているように感じ悔しかったのだろう 「確かにオレは弱いよ そん…
私は言葉が出なかった 黙って妻と雄大の会話を聞いていた 「何を言ってるの?」 雄大の冗談だと思い妻は可笑しそうに笑った 「学校に…
「話があるんだけど」 テレビを見ていた私と妻のところに雄大がやって来た 話を聞くためにテレビの電源を切る妻 「どうしたの?」 「あのさ…
人生はやり直しはできても巻き戻しはできない あの時Aクラブへ行っていたら雄大の今は変わっていたのだろうか 移籍はおろか体験や見学に行くことさ…
「元気か雄大!高校はどうするかもう考えてる?」 まだ3年生になったばかりでなにも考えていなかっただろう 「俺、閃いたんだよ。まだ決めてないなら△△…
春が来て中学3年生になった 少しずつではあるが着実に戦績を伸ばしてきた雄大にとって、この1年があんなにも苦しいものになるとは思いもしなかった ─┘…
※本編から離れます ※あくまでも私自身が見聞きした限りの話です 出会ったのは小学校中学年頃だっただろうか 左利きでスピン量の多いストロークが光ってい…
空気が澄んで気持ちの良い晴れの日だった 1ヶ月程入院をし身体は鈍りきっていたのだろう 運動の許可が出たこともありスクールへ向かった 久しぶり…