ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(98)

ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(98)

独り、ただ独り、ずっと独りでこの闇の中を生きてきた―――― 物心付いたときから、ずっと―――― 「お願いエレジア…………あたくしに、あの子を救う力を!」 祈るように、振り絞った言葉を吐き出すマリーナ。 その祈りを『杖』――――あるいは刀身――――に込め、握り締めたまま呪文(ことば)を紡ぐ。 「光よ、背徳なる者に裁きの雷を…………そして、我が手に一振りの剣を与えよ!」 直後に振動があった。 突然、『杖』の先に圧力が掛かり、バチバチと火花が音を立て、重心を持っていかれそうになる。が、彼女は歯を食いしばって『杖』を強く握ったまま、その先端に意識を集中させる。そして、 光が弾けた―――― それは、磁気…