ばうんてぃえぴそ~どSS 砂の魔女(96)
何かが砕ける音。 それが、鼓膜を引き裂くような共鳴を起こす。 「マリーナさん!」 思わずフィオが叫んだ。 頭上から、パラパラと砂混じりの破片が落ちる。 見上げるとそこには、 鼻先から顎までを綺麗に失った―――― ――――巨竜の頭があった。 「なっ!?」 『ほぉ~らねぇ』 困惑する東方娘の脳内で、得意気な博士の『声』がささやく。 「あいやー、これはぶったまげたよ。あの固そうな鋼竜の顎が跡形もなく消し飛んだね!」 『どれほどの魔物を召喚しようと、所詮は「砂遊び」に過ぎませんからねぇ』 「砂遊び?」 『はい、「砂遊び」です。あの子は砂に特化した…………といいますか、「砂」という言葉にまつわる力を奮っ…
2016/02/29 08:11