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中3 30 病院での打ち合わせとその後
娘が入院することだけでも嫌なのにさらに騙すようにして入院させるなんて考えられなかった。本人だって急に今日から入院だと言われて素直に受け入れることはないだろうし、反発するのにもエネルギーを使って疲れてしまう。それに医師や両親への怒りや不信感で
2021/04/30 12:15
中3 29 病院での打ち合わせの続き
「よろしくお願いします」膝を突き合わせる様に椅子に腰かけて打ち合わせ?が始まった。大野医師が話し始めた。咲は希死念慮が強くまだ薬の効き目が出ないこともあり今のままでは自殺する危険がある。しかしこの病院はもともと軽い症状の患者の診察をしており
2021/04/28 21:14
中3 28 病院での打ち合わせの続き
中3 28 病院での打ち合わせ
妹の自殺は現在でも私の行動にずっと影響していた。私が生きている限りそうだと思う。咲を一人にさせないために本当は私の母に来てもらって見守ってもらえたらよかったのだが、自分の子供(私の妹)の死を嘆き苦しみ悲しんできた両親には孫の自殺未遂のことは
2021/04/27 21:19
中3 27 私の胸中
その日の午後に保健師の松本さんから電話がかかってきた。大野医師と連絡を取って咲の事情を話したところ、学校の先生と私と市側の保健師とで集まって相談したいと言われたのだそうだ。日程は大野医師に明後日の朝9時と指定された。場所は前回行った診察室だ
2021/04/26 21:13
中3 26 校長室に行った次の日
学校側はこのあともうつ病になってしまった原因について追及することをずっと避けていた。話そうとすると今回みたいに話題を変えるか無反応になるかだった。 当時は自分の娘のことで精いっぱいだったからそのままになってしまったけれど、鴻上さんの言葉を借
2021/04/23 22:20
中3 26 校長室
松本さんは無理しないで下さいねとかなんとか労わりの言葉をかけてくれた後「私から大野医師(先生)に連絡をとってもいいでしょうか?」と聞いてきた。私は「わかりました」と答えた。医療関係者同士何か対策できるならしてほしかった。私が何をできるかを教
2021/04/22 20:43
中3 25 また校長室
その日の夜に桜井先生から電話がかかってきた。思春期外来を受診することを連絡してあったので様子を聞く電話だった。その電話で先生にうつ病のことを伝えた。先生は驚いた様子だったがその話を詳しく伺いたいので明日学校に来てほしいと言われ、前回と同じ時
2021/04/21 21:01
中3 25 診察後
その病院は夜中に患者を診る体制はなかった。調べておけばよかった。副作用や常習性を考えると薬を飲ませることには抵抗があった。しかも精神病の薬を自分の子供が服用するなんていやだった。でも自分の気持ちは無視した。感情は無視して理屈で最良と思う道を
2021/04/20 21:54
中3 24
ここが咲が死にたいだけではなく実際に自殺未遂をしたことを言える最後のチャンスだった。咲もわたしも問診の時にはそのことを言えずにいた。医師の印象が悪かったことや、初対面の人に自殺未遂の話をすることへの抵抗感があったし、メインで話している咲が疲
2021/04/19 20:39
中3 23
今度こそ診察がはじまった。大野医師は午前のことを詫びてきたあと「お昼は何を食べたの?」と咲に笑顔で話しかけた。「ミニ天丼です」咲は答えた。「え?ミリ?」「ミリ何?」なぜ人が昼ごはんに何を食べたのかを聞いてくるんだろう。診察に関係あるんだろう
2021/04/16 21:03
中3 22
大野医師は40歳後半ぐらいの女性だった。艶のない髪とそっけないメタルフレームのメガネが優しくなさそうな印象を作っていた。「日渡咲さんですね」大野医師はモニタから目を離さないままで言った。そのままカチカチとキーボードを操作している。咲が「はい
2021/04/15 21:06
中3 21
12月のはじめ、ようやく思春期外来の受診の日が来た。朝の予約だったので会社は午前休みにしてもらって午後から出社することにしていた。咲も診察が終わり次第学校に行けるように制服姿だった。おとなしく一緒に来たけれど受診することに抵抗も期待もあった
2021/04/14 21:26
中3 20
そんな様子を見たときは私は咲のことが大切だ、かわいい、価値がある、すごい子だと繰り返し伝えてきた。夫もそうだったと思う。でもあの子の心には届いていないようだった。中学生にとっては家族のことはそんなに重要ではないのかもしれない。ずっと小さいこ
2021/04/13 21:57
中3 19
この日は顔合わせと情報共有で終わった。家に戻ると咲は険しい表情で待っていた。私が学校に行って話をしてきたことが相当嫌だったと言う。そして自分のいないところでどんな話をしたのか知りたがった。ではなぜ自分から先生に自殺未遂のことを話したの?と聞
2021/04/12 21:19
中3 18
それから私たちは今後どうするかについて話しあった。桜井先生がまとめ役で、松本さんが具体的な提案をし、私が家庭の状況を考えてできそうなことを答えるような感じだった。他の先生方はあまり話をしなかった。まとまったのは下記の内容だった。1.学校内で
2021/04/11 06:18
中3 17
数日後に欠席した日の夜桜井先生から咲に電話がかかってきた。同じ部屋で私は咲の応対する声を聞いていたが、途中で「ちょっと離れてほしい」と言われて部屋を出た。しばらくの間咲が話す声が聞こえたが内容まではわからなかった。しかしこの時私は直感で自殺
2021/04/09 21:09
中3 16
11月に入ったある日に咲は私に背中が痛いから押してほしいといって体操着を入れるカバンを持ったまま私のそばに来た。カバンのファスナーが半分くらい空いていて、中に入っているタオルが見えた。薄手で両端に紐が結びつけてあるあのタオルだった。自殺用の
2021/04/08 21:12
中3 15
私が咲がうつ病ではないかと疑いだしたころ、咲が学校を休んだ日に桜井先生が家まで様子を見にくることが出てきた。家と学校が近いこともあるだろうし、咲がこれまで優等生だったのに、あの日から学校を時々休むようになり、宿題を一切しなくなっていたことか
2021/04/07 20:40
中3 14
思い返してみると不調は見え隠れしていた。でも私はそのサインに気が付かなかった。最悪の部活が終わったことでほっとしてしまっていた。部活を乗り切ったからもう大丈夫だと安心してしまい、目を離してしまっていた。部活を引退して受験勉強に本腰を入れなれ
2021/04/06 20:57
中3 13
咲がうつ病なのではないかと思うようになったのは10代のメンタルヘルス⑥自殺(作者 ジュディス・ピーコック)大月書店を読んだからだった。17ページにこういう一文がある。「自殺の危険性が高い10代はほとんどがうつ病です。」同じ本の18ページには
2021/04/05 20:47
中3 12
実樹に咲の自殺未遂のことを話したのは当日ではなくその翌日だった。学校帰りの実樹を車で迎えにいったときに車を駐車場に停車させて時間を取り、状況を詳しく伝えた。実樹も動揺していた。「昨日咲の部屋から大きな音がしたの。朝の7時前にお父さんとお母さ
2021/04/04 14:34
中3 11
この時の私の予約のとりかかたがまずかったために受診した際に医師から叱られた。私は予約を取るときに電話に出た人に「どうしました?」と聞かれて「子供が死にたいと……」としか言えなかったのだった。押しとどめていた苦しい感情が溢れてしまってそれ以上
2021/04/03 22:10
中3 10
翌朝は何事もなかったかのようにやってきた。昨日あれだけ大きな事件が起こったのに、また朝がくることが不思議に思えた。咲が眠っているのを確認すると私は部屋から出た。見かけだけはいつもと同じ朝を一通りこなし、咲は学校に行った。食事をあまり摂ってな
2021/04/02 21:03
中3 9
咲の姉の実樹が高校から帰ってくると私たちは一緒に食事をとった。少し気分が和らいだ。実樹と少し話し、最低限の家事を終わらせた後で、咲の部屋に私の寝るための布団を敷いていると咲がお風呂からあがって部屋に入ってきた。表情はうつむき加減で明るくなか
2021/04/01 21:22
2021年4月 (1件〜100件)
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