『佐々木、イン、マイマイン』(2020年)の内山拓也監督による、商業長編初監督作。認知症を発症した母、格闘技選手の夢を追う弟、亡父の残した場末のカラオケバー……自らを犠牲に家族を支える若者の、葛藤や哀しみを描く。重く苦しいストーリーではあるが決して投げやりではない、覚悟と凄みに満ちた意欲作。出演は磯村勇斗、岸井ゆきの、福山翔大、染谷将太ら。2024年10月11日(金) 新宿ピカデリーほか全国公開
作家性の強いアート系作品、小規模上映される良き作品など、主に都内のミニシアターで上映される新作映画をご紹介。観るべき人に映画情報が届くことを願っています。
【10/11公開】『若き見知らぬ者たち』押し寄せる貧困と病に耐え、家族を支えたある若者の“生きた証し”
『佐々木、イン、マイマイン』(2020年)の内山拓也監督による、商業長編初監督作。認知症を発症した母、格闘技選手の夢を追う弟、亡父の残した場末のカラオケバー……自らを犠牲に家族を支える若者の、葛藤や哀しみを描く。重く苦しいストーリーではあるが決して投げやりではない、覚悟と凄みに満ちた意欲作。出演は磯村勇斗、岸井ゆきの、福山翔大、染谷将太ら。2024年10月11日(金) 新宿ピカデリーほか全国公開
【9/20公開】『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』ヘイト発言で全てを失ったファッション界の寵児
世界的ブランドのデザイナーに次々と抜擢され、ファッション界の至宝と称えられた“革命児”ジョン・ガリアーノは、2011年に起こしたヘイトクライムで有罪となり、仕事のみならず全てを失った。事件から13年経ち、ガリアーノはカメラの前に座り「洗いざらい話す」と語る。全盛期の華々しいアーカイブとともに、トップ俳優や一流モデル、ファッション業界の関係者、そしてガリアーノ本人の赤裸々なインタビューを収録したジェットコースターのような人生を綴る、衝撃のヒューマン・ドキュメンタリー。監督はアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したケヴィン・マクドナルド。2024年9月20日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町他ロードショー
【8/23公開】『ポライト・ソサエティ』カンフー&ボリウッドで女子高生が大暴れ!イギリス発、青春アクション・コメディ
ムスリムの家庭に生まれながら、スタントウーマンを夢見るパキスタン系イギリス人の女子高生が、知恵と勇気と得意のカンフーを駆使し、親友とタッグを組んで姉を陰謀から救い出すために奮闘する。女性だらけのメインキャラが楽しいイギリス発の青春アクション・コメディ! サンダンス映画祭で批評家、観客双方からの絶賛を浴び、英国インディペンデント映画賞最優秀新人脚本家賞を受賞。2024年8月23日(金)新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン 池袋、ヒューマントラストシネマ渋谷 ほかロードショー
【7/12公開】『密輸 1970』生活のため海女集団が密輸に挑む…コメディで味付けした海洋クライム活劇!
『ベテラン』『モガディシュ 脱出までの14日間』のヒットメーカー、リュ・スンワン監督が、1970年代に韓国で密輸犯罪が盛んに行われていたという史実に着想を得た、予測不能な海洋クライム・アクション。海では海女さん集団の素潜りアクションにサメも登場。陸では男たちの血みどろのバイオレンス。メインキャストのシスターフッドをベースに、密輸と摘発でせめぎ合う男たちとの攻防が描かれ、コメディタッチで味付けした、みごたえ満点の傑作!2024年7月12日(金)新宿ピカデリー他 全国ロードショー
【6/15公開】『極道恐怖大劇場 牛頭(ごず)』カルト的人気を誇るカンヌ出品作が20年の時を経てスクリーンに登場、
『殺し屋1』(2001年)の三池崇史監督&脚本家・佐藤佐吉が再タッグを組み、極道の世界を舞台に描いた、2003年制作の不条理ホラー作品。オリジナルビデオ作品でありながらカンヌ国際映画祭にも出品された、カルト的人気を誇る伝説的作品が、21年の時を経てオリジナルの35ミリフィルムで、日本の劇場でついに一般公開される。 2024年6月15日(土)シアターイメージフォーラムほか順次公開
【5/17公開】『ありふれた教室』現代の学校の秩序崩壊をリアルに描くサスペンス・スリラー
盗難事件をきっかけに、新任教師の女性に降りかかる負の連鎖。やがて教師、保護者、生徒寺へと動揺は大きく広がり、学校の秩序が崩壊していく。学校のみならずあらゆるコミュニティで勃発するかもしれない、現代特有の脅威を描くドイツ発、ノンストップのサスペンス・スリラー。第73回ベルリン国際映画祭で上映されW受賞を果たしたのを皮切りに、世界の映画祭を席巻した話題作。2024年5月17日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
【4/27公開】『正義の行方』死刑執行後も深い謎に包まれた「飯塚事件」を多面的に追うドキュメンタリー
1992年2人の女児が山林で遺体として見つかった「飯塚事件」。容疑者・久間被告は起訴事実を否認、無罪を主張したが棄却され、異例の速さで死刑が執行された。翌年、冤罪を訴える再審請求が提起され、事件の余波はいまもなお続き真実は藪の中にある。弁護士、警察官、新聞記者ら、立場を異にする事件の当事者たちにインタビューを重ねて状況を生々しく伝え、事件を多面的に追った、文化庁芸術祭大賞受賞の傑作ドキュメンタリーの劇場版である。
【3/8公開】『DOGMAN ドッグマン』リュック・ベッソン最新作!犬と共に生きる哀しきダークヒーロー現る
真っ当な人生からこぼれ落ち、犬とともに生きるアウトサイダーのバイオレンス・アクション。主演はケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(『ゲット・アウト』『スリー・ビルボード』)。仕掛けのあるアクションシーン、犬との共演、さらに女装のステージと多くの見せ場があるなかで、一貫してしたたかで哀しい男の生き様を作り上げている。共に生きる仲間には、さまざまな犬種が登場し、驚きの演技を披露する。リュック・ベッソン監督・脚本の最新作。2024年3月8日(金) 新宿バルト9 ほか全国ロードショー
【2/23公開】『落下の解剖学』事故か、自殺か、殺人か…そして法廷で浮かび上がる“それぞれの人生”
雪山の山荘で男が転落死した。 男の妻に殺人容疑がかかり、 唯一の証人は視覚障がいのある11歳の息子。これは事故か、自殺か、殺人か。やがて疑惑の妻は法廷へと引き出され、息子も証言台に立つことに…事件を解明するミステリーにとどまらず、法廷を通し、一家それぞれの人生の細部が浮き上がってくる心理サスペンス。主演にドイツ出身のザンドラ・ヒュラー(『希望の灯り』『ありがとう、トニ・エルドマン』)。カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞作品であり、第96回アカデミー賞にも5部門ノミネートされている話題作!2024年2/23(金・祝) TOHOシネマズ シャンテ他全国順次ロードショー
【1/12公開】『ビヨンド・ユートピア 脱北』北朝鮮からの脱出、緊迫の全行程を記録したドキュメンタリー!
飢えや貧困の根深い問題を抱え、人権侵害がはびこる、世界で最も閉ざされた国の1つ北朝鮮。そんな国から命をかけて脱出を図る5人連れの家族と、彼らを支援する1人の韓国人牧師を中心としたドキュメンタリー作品。真実を伝えるため、隠しカメラやスマホで撮影した貴重な記録映像で綴られ「見つかったら最後」という決死の緊迫感の中、過酷な脱北の全行程を臨場感たっぷりに追う。2024年1月12日(金)TOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
【12/8公開】『VORTEX ヴォルテックス』ギャスパー・ノエ監督カリスマを主演に迎え「老夫婦の終焉」を静かな迫力で描く
鬼才ギャスパー・ノエの新作にして異色の「静」のドラマ。元医師で認知症になった妻と暮らす、映画評論家の夫。2人の生活には日々さまざまな問題が起こり、穏やかとは言えなくなってしまう……そんな老夫婦の人生の終わりを、スプリットスクリーン(2画面分割)を駆使し、ドキュメンタリータッチで描く。主演に映画監督のダリオ・アルジェントと伝説の女優フランソワーズ・ルブランを迎えている。 2023年12月8日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開 全編通してのスプリットスクリーン 本作は全編を通し「スプリットスクリーン」。2つのスクリーンが並んだ状態で…
【11/17公開】『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』満月に特殊能力が覚醒! 精神病棟を抜け出した謎の少女が育む友情と逃走
「次世代のタランティーノ」とも評価されているアナ・リリ・アミリプール監督の長編3作目。赤い満月の夜に突如特殊能力に目覚めて精神病棟抜け出す、謎の少女の逃走を描いたポップでダークなおとぎ話。出演はケイト・ハドソン(『あの頃ペニー・レインと』)、チョン・ジョンソ(『バーニング劇場版』)。2023年11月17日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかにて公開
【11/11公開】『映画(窒息)』モノクロで描く、国家も言語も失った時代の濃厚な心理劇
言葉が失われたはるか遠い時代に、自給自足の生活を送る1人の女。そんな彼女に引き寄せられ、男たちがやってくる……。モノクロ映像にセリフはなし。主演は和田光沙(『岬の兄妹』『菊とギロチン』)、ほかにモデルでもある飛葉大樹やベテラン俳優・寺田農ら5人のキャスト。監督は本作が長編第2作めとなる長尾元。自然と廃墟の中で人間の欲望が渦巻く意欲作。2023年11月11日(土)K’s cinemaほか全国順次公開
【10/13公開】『シック・オブ・マイセルフ』何者にもなれない自分を変えたい…暴走するむき出しの自己愛を描くホラー&コメディ
アーティストである恋人の成功を目前にした平凡なヒロインに芽生えた「私だってもっと注目されたい」という承認欲求。その思いが、彼女をある種の肉体改造へと駆り立てる。果たして行く先に待つのは、破滅か幸福か? 嫌悪と共感を呼ぶメディケーション・ホラー。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で絶賛され、欧米を中心とする世界の映画祭を圧巻、アメリカではスマッシュヒットを飛ばし拡大上映となった話題作。2023年10月13日(金)新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほかロードショーほか全国順次公開
【10/6公開】『白鍵と黒鍵の間に』昭和末期、銀座のジャズクラブを漂う2人のピアニストとクセ者たちの狂乱の一夜
伝説の雑誌編集者の半生を描いた『素敵なダイナマイトスキャンダル』から5年、冨永昌敬監督が、今度はミュージシャン南博氏の回顧録を劇映画化。ピアニスト2役を演じ、自ら演奏も披露する池松壮亮を主演に、クセ者のキャストをずらりと揃え、軽妙ながら核に切なさを持つ独自の感覚で、昭和末期の銀座のジャズクラブを描く。クリスタル・ケイら、名うてのミュージシャンも出演、音楽のハイライトシーンも充実している。2023年10月6日(金)テアトル新宿ほか全国公開
【9/15公開】『ダンサー イン Paris』バレエ&コンテンポラリー! 珠玉のパフォーマンスを盛り込んだ若きダンサーの再生物語
バレエダンサーとして致命的なケガを負うのと同時に恋人を失ったヒロインが、コンテンポラリーダンスに出会う再生の物語。主演はパリ・オペラ座の正式団員マリオン・バルボー。監督はセドリック・クラピッシュ。コミカルさもある、さわやかな青春ストーリーに気分が高まりつつ、一流のバレエとコンテンポラリーのパフォーマンスまで楽しめる稀有な作品だ。2023年9月15日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開
【9/15公開】『キリング・オブ・ケネス・チェンバレン』人種差別、PTSD、職場ストレス…あらゆる負の要素が絡み合った、死へのカウントダウン
医療機器の誤作動がきっかけで、無実の黒人が白人警官に殺害された事件をリアルにみせる、ノンフィクション・サスペンス。殺害までの90分間を実際の時間経過に近い「リアルタイム進行」で描く。製作総指揮は、俳優モーガン・フリーマン。主演のフランキー・フェイソンは、本作でゴッサム賞で最優秀主演男優賞を受賞、各国の映画祭で圧倒的な存在感を残した話題作。2023年9月15日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次ロードショー!
【8/5公開】『ミャンマー・ダイアリーズ』匿名の若手映画作家たちが放つ、世界に向けた“命がけの SOS”
ミャンマーでは、2021年2月1日に始まった軍事クーデターにより、突然、市民の日常が奪われ、代わりに命の危険が隣り合わせの毎日を過ごすようになり、現在に至る。軍に都合が悪い情報を発信すれば処罰の対象。そんななか制作された本作は、匿名の映画作家たちが世界に向け放った“命がけの SOS”。リアルな映像と、心情を吐露するようなイメージの映像を行き来するドキュメンタリーだ。第72回ベルリン国際映画祭でパノラマ部門ドキュメンタリー賞を受賞。なお、この映画の収益金はミャンマー支援金として寄付される。2023年8月5日(土)より、ポレポレ東中野ほか全国順次公開
【7/7公開】『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)』戦争でさえ奪えなかったものは民族を越えた愛と、歌に込めた希望
戦争でさえ奪えなかったものは民族を越えた愛と、歌に込めた希望だった……ウクライナ人、ポーランド人、ユダヤ人の3家族が第2次世界大戦下、迫害の危険にさらされたながら、隣人に託すことで子どもたちを守り、託された母は子どもたちと懸命に生きようとする。 監督は、ドキュメンタリーを撮り続けてきた、ウクライナ生まれ、キーウ在住のオレシア・モルグレッツ=イサイェンコ。愛と思いやりにあふれながらも研ぎ澄まされてた戦争下の家族の物語。2023年7月7日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国公開
【7/7公開】『Pearl パール』「映画スターになりたい!」若き女性パールが狂気を育てシリアルキラーに…
昨年公開された、ミア・ゴス主演、タイ・ウェスト監督の『X エックス』に登場する殺人鬼の⽼婆パール。その若かりし頃、時をさかのぼった前日譚の続編。抑圧された農場暮らしのなか、映画スターになることを密かに、しかし強く望んでいた若き日のパール。そんな彼女がいかにしてシリアルキラーになっていったのかを、1950年代のミュージカル映画を色濃く反映した演出で描いたホラー作品。監督はタイ・ウェストが続投、ミア・ゴスはパール役のほか、アイディアを出し脚本にも参加。圧倒的な魅力を放つ無垢で自己中なダークヒロイン、パールから目が離せない。2023年7月7日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
【6/17公開】『世界が引き裂かれる時』ロシアの国境近く、出産の時を待つ夫婦の視点で描くウクライナ侵攻の始まり
ウクライナ東部の村に住む夫婦を主軸に「親ロシア派」と「反ロシア派」対立の緊張感を描いた反戦作品。日常に食い込んでくる争いや暴力への恐怖と戦いながら、崩れかけた家に頑なに留まろうとする妊婦のヒロインが、今もウクライナで必死に生きている女性たちの姿に重なる。壁の崩壊した家屋、荒れ果てた地に広がるひまわり畑。争いの残酷さをはらみながらも美しい映像が印象的だ。2023年6月17日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次開
【5/12公開】『TAR/ター』ケイト・ブランシェット主演、クラシック界の闇に飲まれる天才指揮者の転落
天才指揮者の女性「ター」の頂点からの転落、狂気を描く。著名な指揮者に監修を依頼し、クラシック界の“巨匠の神話”にリアルに踏み込んだエピソードを取り入れ、演奏技術を習得したキャストが実際に演奏するなど、多面的にクラシック界への挑戦を試みたサイコスリラー。音楽は『ジョーカー』でアカデミー作曲賞を受賞した、ヒドゥル・グドナドッティル。主演のケイト・ブランシェットを想定し、トッド・フィールドが監督・脚本・製作、アカデミー賞主要6部門にノミネートされた話題作。2023年5月12日(金) TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー
【5/12公開】『ライフ・イズ・クライミング!』絶景! パラクライミング王者と親友のガイドが挑む赤い砂岩の尖塔
視力を失ったクライマー「コバ」こと小林幸一郎と、声によって彼の目となる“サイトガイド”「ナオヤ」こと鈴木直也。パラクライミング世界選手権で4連覇を成し遂げた彼らが、2021年、ユタ州の大地に聳え立つ真っ赤な砂岩フィッシャー・タワーズの尖塔に立つことを目指し、アメリカへと旅に出る。 この旅の映画化を提案し他のは、本作品が初の監督作となる中原想吉。MONKEY MAJIKによる主題歌「Amazing」が、本作の感動を頂点へと引き上げてくれる。2023年5月12日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー!
【5/5公開】『それでも私は生きていく』レア・セドゥ主演、パリに暮らすシングルマザーの人生賛歌
夫と死別し、シングルマザーとなったヒロインの日々を綴る人生賛歌。働きながら娘を育てるサンドラは、自分のことはいつだって後回し。老いて弱りゆく父を訪ねては己の無力さに苛まれる中、旧友と再会し恋に落ちるが……。 ミア・ハンセン=ラブ監督が脚本も担当。エキセントリックで魅惑的なキャラクターを数多く演じてきたレア・セドゥ(『アデル、ブルーは熱い色』『美女と野獣』『007 スペクター』)が、本作では親しみやすい柔和なシングルマザーのヒロインを好演、新たな表情を見せている。2023年5月5日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
【4/29公開】『私、オルガ・ヘプナロヴァー』1973年チェコ最後の女性死刑囚、その孤独な半生
1973年、トラックで群衆に突っ込み、多くの死傷者を出した実在の人物、チェコ最後の女性死刑囚オルガ・ヘプナロヴァーの半生を描く。ポーランド出身のミハリナ・オルシャニスカ(『ゆれる人魚』『マチルダ 禁断の恋』)主演で2016年に制作された本作が、日本で7年越しにファン待望の公開となる。殺人犯となる若い女オルガが、精神を病みながら、家族、集団、恋人に踏みにじられ、心を殺され、孤独を募らせていく経緯を的確に綴る。監督・脚本はチェコ出身のトマーシュ・ヴァインレプとペトル・カズダ。2023年4月29日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
【4/7公開】『ガール・ピクチャー』北欧発“ジェネレーションZ ”3人の女の子の青春映画
17歳から18歳に差し掛かる微妙な年頃の3人の少女の、恋と性、人生の冒険を描く、北欧発“ジェネレーションZ ”の青春映画。シニカルで複雑な家庭事情のあるミンミ、性の悩みを抱える素直なロンコ、孤独なフィギュアスケーターのエマらが、わずか3度の金曜日のうちに、アップダウンの激しい経験を重ねる。第38回サンダンス映画祭での受賞、第95回アカデミー賞®国際長編映画賞部門のフィンランド代表など、多くの映画祭で注目を集めた話題作。斬新ながら共感を呼ぶ3人の女の子のキャラクターが素晴らしい。2023年4月7日(金)より新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー!
【4/7公開】『ダークグラス』ホラーをアートに押し上げたダリオ・アルジェント、10年ぶりに鮮血の美学が帰還
鮮血の美学でホラー映画をアートの域に高め、今なお世界中のクリエイターに影響を与え続けている巨匠ダリオ・アルジェント。今回、自らの恐怖の原点である“ジャッロ ”に回帰した10年ぶりの新作が登場。盲目のヒロインには『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』(2015年)のイレニア・パストレッリ。美しい映像ながら、容赦ない残酷描写が潔い、正真正銘のイタリアン・スリラー&ホラーだ。2023年4月7日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
【3/10公開】『Winny』ネット史上最大の事件 開発者・金子勇と弁護団戦い〜天才はなぜ国家組織に潰されたのか?
2002年「2ちゃんねる」で公開された革新的なファイル共有ソフト「Winny」をめぐり不当逮捕された開発者・金子勇。なぜ、一人の天才開発者を日本の国家組織が潰そうとしたのか? 開発者の未来と権利を守るために、権力やメディアと戦った男たちの真実を基にした物語。金子役に18キロ増量して挑んだのは東出昌大、壇弁護士役に三浦貴大。ほか弁護団や警察・検事側のキャストも豪華な顔ぶれが揃い、事件の真髄を熱く伝える。監督・脚本は『Noise ノイズ』『ぜんぶ、ボクのせい』の松本優作。2023年3月10日(金) TOHOシネマズほか全国公開
【2/10公開】『対峙』怒り・悲しみ・絶望・後悔…感情が錯綜する「被害者家族」と「加害者家族」対話の行方
ある高校で6年前に起こった銃乱射事件の被害者遺族が、セラピストのすすめで、加害者の両親と会って話をする機会を得る。4人は立会人なしで、静かにそれぞれの息子について語り始めるが……。あくまで冷静に話し合う場として始まり、会話が進む中で少しずつ状況が見えてくる頃、後悔・怒り・悲しみ・絶望…あらゆる感情も錯綜。果たしてこの対話は実りをもたらすのか? 本作が初監督となる俳優フラン・クランツ(『キャビン』)が、実際の事件にインスパイアされ脚本、プロデュースも兼任。ベテラン俳優4人が、緻密でスリリングなやり取りを熱演する。2023年2月10日(金) TOHOシネマズシャンテほか全国公開
【2/3公開】『すべてうまくいきますように』安楽死を望む父、その娘の葛藤…深刻なテーマに、不思議なユーモアと爽快感
発作で倒れ、後遺症が残ったことで安楽死を望むようになった父に、その手配を頼まれてしまった娘たち。安楽死が合法であるスイスにアテンドしてくれる団体があることを知り……。脚本家エマニュエル・ベルンエイムが体験し原作を書いた、父の最期についての物語。フランスの国民的俳優ソフィ・マルソーと本作で初めてタッグを組んだフランソワ・オゾンが監督を務める。2023年2月3日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ 他公開
【1/20公開】『エンドロールのつづき』物語と光でできている「映画」への憧れが少年の運命を変えていく
「映画に恋した」9歳のチャイ売りの少年が、映画作りを夢見るようになっていく……インド版「ニュー・シネマ・パラダイス」との評判も高い、パン・ナリン監督の自伝的作品。敬愛する巨匠監督たちへのオマージュを散りばめた、映画ファンへの目配せも満載。インドに根強く残る身分制度や、貧困問題を背景に、片田舎の少年が映画と出会い、自身の運命を大きく変えていく希望の物語。2023年1月20日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
【1/13公開】『THE FOOLS 愚か者たちの歌』破天荒なロックバンドについての、前代未聞の音楽ドキュメンタリー!
1980年に結成された知る人ぞ知るロックバンドTHE FOOLS(ザ・フールズ)のドキュメンタリー映画。客席を熱狂させるパフォーマンスを魅せたかと思えば、ステージの上でも下でもトラブル続出、活動停止と復活を繰り返してきたTHE FOOLSメンバーの、近年までの音楽活動と生き様を追う。監督は、フォトグラファーでもあり、前作の音楽ドキュメンタリー『Cu-Bop 』(『Cu-Bop across the border』)で注目を集めた高橋慎一。2023年1月13日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
【1/13公開】『モリコーネ 映画が恋した音楽家』数多の名曲&名画に華やかな顔ぶれ! 偉大なる映画音楽家、最後のドキュメンタリー
2020年に91歳でこの世を去った、音楽家エンニオ・モリコーネ、最後のドキュメンタリー。監督はジュゼッペ・トルナトーレ(『ニュー・シネマ・パラダイス』『鑑定士と顔のない依頼人』)。監督、俳優、歌手、音楽家…インタビューを受ける多数の著名人の、豪華すぎる顔ぶれにも気分が上がる。珠玉の名曲が映画作品の映像とともにたっぷり楽しめる157分だ。
【12/23公開】『フラッグ・デイ 父を想う日』娘はジャーナリスト、父は贋札犯 驚愕の実話を実の父娘共演で
「父はアメリカ最大級の贋札事件の犯人だった」。ジャーナリスト、ジェニファー・ ヴォーゲル氏の回顧録を映画化。名優ショーン・ペンが構想に15年かけ、父親役のみならず、自身で監督もつとめている。さらに、恵まれない家庭環境からジャーナリストへと成長していくヒロインの娘ジェニファー役に、ディラン・ペン。父がジョーン・ペン、母がロビン・ライトというサラブレットで、父に劣らぬ存在感を放ち、好演している。2022年12月23日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
【12/17公開】『EROSION』音楽と身体で対話する部族が、原生林で繰り広げる寓話…ほぼモノクロで映し撮った映像美
ジャンルを超えて集った、国内外で活躍する俳優・アーティストによる異⾊プロジェクト。セリフを一切排した寓話的なストーリーの詩情豊かな作品で、モノクロに近い淡い彩色のスタイリッシュな映像美が印象的だ。主演は⼿塚眞のアート作品などに出演してきた椿かおり、そして山田洋次監督『東京家族』などに出演の荒川ちか。ほかキャストに、⼤沢真⼀郎(『カメラを⽌めるな!』)、古⼭憲太郎(劇団モダンスイマーズ)、タップダンサーのLily ら。監督のTOOWA2 (トウワツー)は、サイレント短編映画 『ENSEMBLE』で各国の映画祭から高い評価を受けた映像作家で、本作が初の長編作品となる。2022年12⽉17⽇(⼟)〜23⽇(⾦)渋谷ユーロスペースにてレイトショー(21:00〜) 7⽇間限定公開
【12/1公開】『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』英国人気画家の苦難に満ちながらも「美しい」人生とは
ネコをモチーフにした作品で、夏目漱石にも影響を与え、英国で爆発的な人気となった、イギリスの画家ルイス・ウェインの生涯を描いた伝記映画。変り者の画家ルイスにベネディクト・カンバーバッチ、その最愛の妻エミリーにクレア・フォイ。かわいらしさいっぱいのネコの絵画を描きながら、あまりに多くの苦難と哀しみに見舞われたルイスの人生を、切なくも愛情たっぷりに演出。かわいらしいリアル猫たちと、美しい絵画のような映像もみどころ。監督は、俳優としても注目を集めているウィル・シャープ。2022年12月1日(木)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
【11/25公開】『シスター 夏のわかれ道』一人っ子政策が残した家族の歪み…姉弟はどんな道を選ぶのか?
疎遠だった両親の突然の事故死により、看護師として働く女性が、見知らぬ6歳の弟を託されて……。一人っ子政策のため「望まれなかった娘」として早くから自立するしかなかった彼女は、今度は医師になる目標を諦めなければならないのか? 押し付けられる義務、積み重ねてきた努力、初めて知る家族愛。人生の選択に葛藤するヒロインが共感を呼び、本土中国では数々の映画映画賞を受賞した話題作。2022年11月25日(金) 新宿ピカデリー、 ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
【11/18公開】『サイレント・ナイト』群像劇のコメディスリラー…人類が滅びゆく“地球最後、悪夢のクリスマスパーティ”
イギリスの田舎の屋敷でパーティーを開き、人類が滅びゆく“地球最後のクリスマスイブ”を共に過ごす家族とその友人&パートナーたち12人を描く、コメディスリラー。キーラ・ナイトレイ主演、息子役に『ジョジョ・ラビット』のローマン・グリフィン・デイヴィス、ほかにリリー=ローズ・デップも出演。監督・脚本はローマン・グリフィン・デイヴィスの実母であるカミラ・グリフィン。本作が長編デビューとなる。2022年11月18日(金)グランドシネマサンシャイン池袋 ほか全国公開
【11/3公開】『パラレル・マザーズ』2人のシングルマザー、受難のドラマに重なるスペイン悲劇の歴史
『ペイン・アンド・グローリー』『ボルベール〈帰郷〉』のペドロ・アルモドバル監督最新作。フォトグラファーのヒロインがシングルマザーになるも、愛情を注ぐ子どもが病院で取り違えられていた可能性に気づき…。愛と道徳に揺れるヒロインに、アルモドバル監督のミューズ、ペネロペ・クルス。2人のシングルマザーのドラマに重ね、30年代のスペイン内戦後、フランコ独裁政権時代に数十万人が虐殺されたという国の悲しい歴史にも切り込んでいくヒューマンドラマ。2022年11月3日(木・祝)ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、新宿シネマカリテ 他公開
【10/29公開】『ノベンバー』東欧エストニアのダークファンタジー…ミステリアスな寒村の慣習、そして残酷な恋の物語
11月1日に“死者の日(万霊祭)”を迎えるエストニアの寒村。 そこでは世にも不可思議な「純愛」が契られようとしていた…… モノクロの映像美で描かれる甘美な悪夢。エストニアの童話を分解して再構築したというダーク・ラブストーリー。『ムカデ人間』でカルト的人気を誇るドイツの名優ディーター・ラーザー以外、主要なキャストはエストニア生まれ。原作者アンドルス・キビラーク、そして監督のライナー・サルネもエストニア生まれという、貴重な“エストニア映画”だ。2022年10月29日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
【10/28公開】『君だけが知らない』優しすぎる夫、繰り返し現れる幻覚…記憶喪失の妻がたどり着く真実とは?
事故で大けがを負い、記憶喪失になったスジンが目覚めるとそばにいたのは献身的にサポートしてくれる夫だけ。退院後、夫婦でのカナダ移住を目の前に、スジンは次々と暴力的な幻覚に襲われ、唯一の頼りだった夫にも、疑の目を向けるようになっていく。主演は、ドラマ『サイコだけど大丈夫』で高飛車な人気童話作家を演じ、人気を博したソ・イェジ。今度は一転、怯えながらも真実にたどり着こうと健気に運命に立ち向かうヒロインを好演。韓国ならではのロマンも味わえる、ミステリー&サスペンス。2022年10月28日(金)全国公開
【9/23公開】『秘密の森の、その向こう』子どものママと出会った森…そこで育まれるひとときの友情と癒し
悲しみにくれるママが姿を消した日に、8歳のネリーが森で出会ったのは自分と同じ年齢の少女。彼女はなぜかママと同じ名前で…。ミステリアスな展開のなか、美しい森を背景に、ゆっくりと心に沁み込むような哀しさと優しさが漂うファンタジー。 監督は「不滅の名作」と絶賛された映画『燃ゆる女の肖像』(2019年)のセリーヌ・シアマ。彼女が再び「女性の深淵」に挑む。娘・母・祖母、三世代をつなぐ喪失と癒しの物語。 2022年9月23日(金・祝)ヒューマントラストシネマ渋谷、Bunkamuraル・シネマ 他 全国順次ロードショー! 子どもたちは大人の世界を理解している 主人公は8歳の多感な少女ネリー。大好きなおばあち…
【8/19公開】『セイント・フランシス』34歳独身“歳相応の生活ができていない憂鬱”からの脱出
30代女性に求められるもの…それは、キャリア・結婚・子ども。その全てを持たない、ちょっぴり投げやりな34歳のブリジットが、ひと夏のシッターのアルバイトで出会うレズビアンカップルと、その娘フランシス。自信のない自分から彼女たちが少しずつ回復していくシスターフッドの物語。主演は、脚本も手がけた新しい才能ケリー・オサリヴァン。監督アレックス・トンプソンも本作が初の長編というフレッシュな組み合わせだが、中絶、産後うつ、さまざまな差別と、一見ネガティブな問題を登場させながら、ポップでハッピーなテイストで見事に駆け抜ける。2022年8月19(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国ロードショー!
【8/12公開】『キングメーカー 大統領を作った男』60年代韓国、選挙の裏で展開した信頼と裏切りの人間ドラマ
韓国の第15代大統領・金大中氏には、凄腕のダーティーな選挙参謀が存在した。実在の人物を元に選挙戦の裏側を見せるヒューマンドラマ。政治家ウンボムをソル・ギョング、参謀の男チャンデにイ・ソンギュン、監督は『名もなき野良犬の輪舞』のビョン・ソンヒョン。どれだけ知恵を絞って成果をあげようとも“影”としかその存在を認められなかった男と、彼の理想であり続けた政治家のつかの間の友情とすれ違いを熱く描く。2022年8月12日(金)シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
【8/5公開】『きっと地上には満天の星』地下に潜むホームレス母娘が迎える転機 事実を元に描く社会派ドラマ
地下鉄のさらに下に広がる真っ暗な地下空間で暮らす、母と娘の物語。まるでおとぎ話のようにも聞こえるが、実際にニューヨークでは、住居を持たない人々が地下で生活をしていた時期があったという。この人々の存在を映画にしようと考えたのが、監督の1人であるセリーヌ・ヘルド。共同監督&脚本をつとめ、メインキャストの母親ニッキー役も演じている。地下生活から地上へ踏み出す不安を、幼い少女の視点で体験するような、不思議な社会派作品だ。2022年8月5日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次公開
【7/22公開】『海上48hours ―悪夢のバカンス―』獰猛なサメの巣窟に5人の大学生、彼らは絶望の大海原から脱出できるのか…
“スプリングブレイク”でメキシコのビーチやってきた男女5人の若者が、悪ふざけのつもりで、水上バイクを盗み沖に向かう。しかし、そこはホホジロザメの巣窟だった。『海底47m』の製作陣が、新たな海の恐怖を突き付ける。無軌道な大学生グループの、青春のいたずらが死の恐怖を招く、サバイバルスリラー。022年7月22日(金) 新宿バルト9 他 全国ロードショー
【7/15公開】『戦争と女の顔』戦争が終わってもPTSDに苦しむ若き女性たち 今、ロシア人が描く戦後の物語
第二次世界大戦の終戦から77年、若い世代のスタッフ・キャストらが戦争の恐ろしさを伝えるロシア映画。30歳を過ぎたばかりの新鋭カンテミール・バラーゴフ監督が、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(ノーベル文学賞を受賞)のデビュー作『戦争は女の顔をしていない』に衝撃を受け、戦後の女性の運命をテーマに本作を完成。新進の若手女優2人が主演をつとめ、戦争のPTSDに苦しむ女たちの、複雑な状況と心理状態を見事に演じきった。世界の映画祭を席巻し、カンヌ国際映画祭ほか30を超える映画賞を受賞した、さまざまな問題を孕む人間ドラマ。2022年7月15日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次ロードショー!
【7/9公開】『WANDA/ワンダ』ロマンを排除したボニー&クライド…女優バーバラ・ローデンが自ら監督した幻の名作
巨匠と呼ばれる映画監督の妻であった女優バーバラ・ローデンが、従順な女性像に疑問を持ち、自ら脚本を書き、主演・監督したという幻の名作。1970年ヴェネツィア国際映画祭で最優秀外国映画賞を受賞、71年カンヌ国際映画祭で上映された唯一のアメリカ映画として名声を得るも、本国アメリカではほぼ黙殺され、長年「観ることの出来ない伝説的作品」とされていた。現在は、アメリカ・インディペンデント映画の代表作として知られている。崖っぷちをさまよう女の「人生を漂流する」哀しく滑稽なロードムービー。2022年7月9日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
【7/1公開】『モガディシュ 脱出までの14日間』ソマリア内戦で運命を共にした韓国大使と北朝鮮大使、その真実のドラマ
90年代初頭、国連への加盟を巡って過剰に牽制しあってきた韓国と北朝鮮の大使たちが、ソマリアの内戦に巻き込まれた。反乱軍に乗っ取られ居場所をなくし、子どもたちを引き連れた北朝鮮の大使たちは、戦火をくぐり韓国の大使に助けを求めることに…。史実をもとに、韓国・北朝鮮の両大使たちの脱出までの14日間を描く人間ドラマ。アクションとサスペンスも満載で、疾走感溢れる121分!2022年7月1日(金)新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン 池袋ほか全国ロードショー!
【7/1公開】『わたしは最悪。』等身大で刺激的なアラサーヒロインの“葛藤”が共感を呼ぶ、恋と人生のドラマ
デンマーク出身のヨアキム・トリアー監督(2017年『テルマ』) が共同脚本も担当した、ビターなロマンティックコメディ。「どう生きるべきか」を自問自答しながら恋をし、働き、生きていく1人の女性の、20代後半から30代前半を描く。理想と現実の間で揺れながらも、 自分に正直な「人生の選択」をしようとする等身大のヒロイン、ユリヤを演じるのは、今回が映画初主演のレナーテ・レインスヴェ。本作で圧倒的な魅力を放ち、2021年のカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞。2022年7月1日(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ他全国順次ロードショー
【6/11公開】『スープとイデオロギー』認知症が進行するなか、オモニが語った壮絶な体験「済州4・3事件」の記憶
『かぞくのくに』など、在日コリヤン家族の物語を綴ってきたヤン ヨンヒ監督が、自身のオモニ(母)を撮ったドキュメンタリー。北朝鮮を信じ、極端な行動をしてきた母を、心の中で責めてきたというヨンヒ監督。年老いた母はある日、心の奥底に秘めてきた恐怖体験「済州4・3(チェジュド、ヨン・サン)事件」について突然、娘のヨンヒ監督に語り始める。それをきっかけに、母がなぜ頑なに“北”を信じてきたのかが見えてくるのだが、同時に母のアルツハイマー型認知症が進行していく…。 仲が良くも、強いわだかまりも抱えていた母娘の関係が解かれていく展開、済州島の迫力ある風景など、観ごたえたっぷりのドキュメンタリー作品。2022年6月11日(土)より[東京]ユーロスペース、ポレポレ東中野、[大阪]シネマート心斎橋、第七藝術劇場にて ほか全国の映画館で順次公開!
【5/28公開】『ゴースト・フリート 知られざるシーフード産業の闇』不当に奴隷にされた人たちが捕った魚が、あなたの食卓にも
奴隷が遠洋で漁猟をさせられる…「いつの時代の話?」などと思うなかれ。今夜、私たちの食卓に並んだ魚は、不当に奴隷にされた人たちが捕ったものかもしれないのだ。世界最大の規模を誇るタイのシーフード産業では、違法かつ強引な方法を用いて労働力を確保してきた。この事実を知った「労働権利推進ネットワーク」パティマ氏らは何百人もの奴隷労働者のレスキューを展開。本作はその活動を追ったドキュメンタリーである。劇映画ばりのスリリングな緊張感、そして広大な海の映像美も見どころだ。2022年5月28(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
【5/20公開】『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』文化革命時代の映画愛に満ちたノスタルジックな人間ドラマ
『初恋のきた道』(1999年)の巨匠チャン・イーモウが長年、映画化を熱望していた企画がついに完成。文化革命真っ只中の中国を舞台に、ノスタルジックで映画愛に満ちた物語が展開する。娯楽の少ない時代に映画に熱狂する群衆の迫力と、広大な砂漠の映像美は圧倒的だ。主演は、人気俳優チャン・イーと、本作でデビューを飾る注目の新人、リウ・ハオツン。2022年5月20日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
【5/6公開】『オードリー・ヘプバーン』その人生の真実を収めた貴重なドキュメンタリー
今も昔も、多くのハリウッドスターがスキャンダルにまみれていくなか、数少ない“クリーンなイメージの女優”であるオードリー・ヘプバーン。かつてその素顔は謎のベールに包まれていたが、映画界を離れユニセフ親善大使となってからは、ナチス占領下のオランダで過ごした過酷な少女時代なども明かしている。貴重なアーカイブ映像や近しい人物へのインタビューで綴ったオードリー・ヘプバーン初のドキュメンタリー映画。2022年5月6日(金)TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国公開
【4/29公開】『不都合な理想の夫婦』ジュード・ロウの新境地、転落する成功者の姿がリアルな心理スリラー
80年代にアメリカでビジネスを成功させた英国人男性が、さらなる野心をむき出しに家族を引き連れ4人で母国へ凱旋。しかしそれを機に成功とは裏腹の運命を辿り始める。愚かな男性像にガッチリハマった主演ジュード・ロウの“新境地”と評価が高い心理スリラー。曇天に馬駆ける古城など、不穏ながらも美しい風景も印象的だ。2022年4月29日より、kino cinéma横浜みなとみらい ほかにて全国順次公開
【4/8公開】『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』周囲に関係を隠してきた女性同士の恋人…驚きのサスペンスフルな展開!
南仏のアパルトマンを舞台に、第二の人生をスタートさせることを夢見た2人に突如襲いかかる病という悲劇。そして物語は思わぬ方向へと転がっていく。女性同士の長年の恋愛の行方を、サスペンスフルに描く注目作。監督は本作で長編デビューを飾るのは、イタリア生まれのフィリッポ・メネゲッティ。主演はアメリカとヨーロッパを股にかけ、カンヌ国際映画祭・女優賞も受賞しているバルバラ・スコヴァと、フランスの名門国立劇場の団員でもあるマルティーヌ・シュヴァリエ。2022年4/8(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
【4/8公開】『連鎖』“信じる”とはどういうことなのか?…知的障がいの青年を追い詰める、哀しき負の連鎖
知的障がいをもつ善良な青年と彼を取りかこむ人々が、予期せぬ出来事によって翻弄される悲劇を描く。30代だが8歳の知能である“ソック”という難役に挑むのは、キム・デミョン(『賢い医師生活』)。彼の良き理解者である神父役にキム・ウィソン(『新感染 ファイナル・エクスプレス』)、善意の人でありながら偏見の火種を持つ青少年センターの所長・キム先生にソン・ユナ(『ウェディングドレス』)。監督・脚本は本作が長編監督・初挑戦のキム・ジョンシク。俳優の繊細な演技と緻密なストーリー展開で、偏見と偶然が生む「負の連鎖」を見事に組み上げていく。観る者に疑問を投げかけながら、静かに深く広がる哀しみを体感させてくれる注目作。2022年4月8日(金)より シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか 全国順次公開
【4/1公開】『アネット』愛のダークファンタジー!スパークスが支え、カラックスが放つ壮大なロック・オペラ
レオス・カラックス監督の長編6作目にして初のミュージカル(ロック・オペラ)は、ロック界で50年のキャリアを持つスパークスが原案・音楽を担当。主演はあらゆるジャンルの映画作品に引っ張りだこのアダム・ドライバーと、『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』でアカデミー主演女優賞を受賞したマリオン・コティヤール。美術や衣装、そして人形も登場する、暗く美しい色彩の強烈なヴィジュアルと、セリフがほぼ全て歌という構造で、観客を飲み込むような壮大な140分間の作品だ。2022年4月1日(金)ユーロスペースほか全国ロードショー
【3/25公開】『ベルファスト』少年の目線で描く、宗派紛争に分断された北アイルランドの小さな町
1969年8月、北アイルランドの小さな町ベルファストで生まれ育った9歳の少年バディの穏やかな日々がところがプロテスタントの武装集団によって暴力的な攻撃が仕掛けられるようになり、生活は一変してしまう。 名優ジュディ・デンチから本作で長編デビューしたバディ役のジュード・ヒルまで、アイルランドの実力俳優が集結。監督は俳優でもあるケネス・ブラナー。アカデミー賞「作品賞」はじめ多数ノミネート(発表は27日)。2022年3月25日(金)TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイント他にて全国ロードショー
【3/5公開】『親密な他人』息子を求める母と、母の愛を知らない青年の奇妙なつながり
劇映画からドキュメンタリーまでを手がけ、国内外で高い評価を受ける中村真夕監督の、初のスリラー作品。46歳のヒロインを演じるのは監督たっての希望でキャスティングされた黒沢あすか。中年世代である女性の愛と狂気の深さがクローズアップされた、近年の日本映画としては稀有な作品だ。2022年3月5日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
【2/25公開】『GAGARINE/ガガーリン』かつてパリ郊外に存在した公営団地の“思い出”と“光”
かつてフランス・パリ郊外にあった巨大な団地、ガガーリン。宇宙飛行士からその名をとったこの団地は、老朽化が進んでいたこともあり、パリがオリンピック開催地に決まったことを機に2019年に取り壊されてしまった。この団地を舞台に、取り壊しを阻止しようと奮闘する16歳の少年の青春を描く。『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』でも注目を集める女優・リナ・クードリが、本作でもキュートな魅了を放っている。 2022年2月25日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町 ほか全国ロードショー! 現実にパリ郊外に存在していた「ガガーリン団地」 ガガーリン団地のあった地域…
【2/18公開】『白い牛のバラッド』死刑と冤罪、理不尽に立ち向かう女性……イラン社会の問題を描いた衝撃のサスペンス
近年「死刑執行件数」世界第2位であるイランから死刑制度のを扱う作品がいくつも生まれているという。本作は、殺人罪で死刑に処された夫が冤罪だった悲劇から始まる物語。シングルマザーとなったヒロイン・ミナの過酷な運命と葛藤、決断を描く。緻密に計算されたフレーミングの美しさも印象的な衝撃のサスペンス。2022年2月18日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
【1/21公開】『声もなく』スリルとユーモアと哀切と…絶妙なバランスの、貧困クライムサスペンス
闇の仕事を請け負う口のきけない青年と、両親に身代金を払ってもらえない孤独な少女の交流を描いた、韓国発のサスペンスドラマ。セリフをしゃべらない主人公テインをユ・アイン(『バーニング 劇場版』)が好演。新人監督ホン・ウィジョンとタッグを組み、スリルとブラックユーモアを行き来する、哀愁漂う傑作がここに誕生した。2022年1月21(金)より、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公
【1/14公開】『無聲(むせい) The Silent Forest』ろう学校で起こった性暴力事件の「驚愕の真実」を明らかにする
台湾南部のろう学校で実際に起きた、性暴力・セクシャルハラスメント事件を題材に、ろう者である少年少女たちの、あまりに苦しく切ない青春を描いたヒューマンドラマ。本国では、教育者や政治家をはじめ多くの観客が事件の深刻さを問題視し、台北の週間興行収入1位を獲得。勢いはとどまることなく、第57回金馬奨で8部門ノミネート、チェン・イェンフェイの最優秀新人俳優賞など2部門を受賞した。台湾の話題作が日本上陸。2022年1月14日(金)シネマート新宿ほか全国順次公開
【1/7公開】『こんにちは、私のお母さん』中国の人気コメディエンヌが初監督! 本国でメガヒットしたタイムスリップ・コメディ
中国のコメディエンヌ、ジア・リンが、自身の母への思いを映画化。(撮影当時)39歳で高校生に扮したジア・リンから始まり、空から落ちながらタイムスリップ。「なるほど、中国流ドタバタ喜劇か」と思って油断していると、ラストには「もうやめて」級の泣きどころが……。すべての親と子、そしてもう会えない大事な人を思い続けている人に観てほしい、本国でメガヒットを飾ったハートウォーミングコメディ。2022年1月7日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
【12/18先行上映】『誰かの花』ある日突然「被害者遺族」の立場が揺らぎ始める親子の物語
横浜シネマ・ジャック&ベティ30周年企画として製作された作品。主演は『ケンとカズ』のカトウシンスケ、脚本・監督は本作が劇場公開2作めとなる奥田祐介(『世界を変えなかった不確かな罪』)。主人公の両親に、吉行和子と高橋長英、突然シングルマザーになる主婦に和田光沙、その息子に太田琉星。他にも村上穂乃佳、篠原篤と安定感あるキャストが揃う。兄を交通事故で亡くした過去を持つ主人公が、両親の住む団地で起きた鉢植えの落下事故によって、被害者家族という立場が複雑に揺らぎはじめ、さまざまな葛藤に悩むことになる。脚本も巧みなヒューマンドラマ。2021年12月18日(土)ジャック&ベティにて先行上映、ほか全国順次公開
【12/17公開】『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』環境汚染の真実を明らかにするため闘う男の、想像を絶する受難
1998年、突然祖母の知人から訪問を受けた企業弁護士のロブ・ビロット。依頼主の農場を調べるうちに、アメリカの巨大企業・デュポン社による有害物質の流出、そして住民たちの恐るべき健康被害の実態を探り当てる。やがてこの真実は、大規模な環境汚染問題へと発展。巨大な敵によって窮状へと追い込まれながらも、真実を求めることをやめない、1人の弁護士の奮闘を描く実話に基づくリーガルドラマだ。私生活でも環境保護活動に熱心に取り組んでいる主演のマーク・ラファロは、ニューヨーク・タイムズ紙によりこの事実を知り、映画化プロジェクトを立ち上げた。本作にはプロデューサーとしても参加している。2021年12月17日(金)TOHOシネマズ シャンテほかロードショー
【12/3公開】『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』ワルシャワの悲劇を語り継ぐ音楽ミステリー
天才ヴァイオリニストの青年が、華々しい世界デビューを飾る日に、忽然と姿を消してしまう。それから35年後、兄弟同然に育った主人公がその行方の糸口を見つけ、イギリスからワルシャワ、ニューヨークへと彼を探す旅に出る。ホロコーストを新たな切り口で見せる、音楽ミステリー。ティム・ロスの真摯な演技とインパクトあるヴァイオリンの音色(演奏:レイ・チェン)が印象的。原作小説をブラッシュアップするアイディアを加え、繊細なミステリー作品に仕上がった。2021年12月 3日(金)、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
【11/19公開】『茲山魚譜-チャサンオボ-』流刑の島で「海洋生物学書」を記した学者と魚の知識をもつ青年
1801年キリスト教徒が弾圧されていた朝鮮時代、罪人とされた天才学者が、流刑された島で、自然に魅了され、海洋生物学書を書き記そうと決意。貧しい漁師の青年と知識の交換をしながら絆を深めていく。師弟を演じるのはソル・ギョングとピョン・ヨハン。監督は『金子文子と朴烈』のイ・ジュニク。生き生きとした人物像と美しい風景が心に残るモノクロ映像で、人物の内面を濃く描いた時代劇。2021年11月19日(金)、シネマート新宿ほか、全国順次ロードショー!
【11/6公開】『これは君の闘争だ』「学ぶ権利を自ら勝ち取れ!」ブラジルの高校生たちはなぜ学校を占拠したのか?
2015年サンパウロの高校生が、自分たちの学ぶ権利を守る抗議のために、学校を占拠を始めた。この運動はブラジル中に広がり、翌月には200 以上の学校が占拠されるまでに発展。本作はその学生運動を記録したドキュメンタリー作品だ。彼らはなぜ、学校を占拠したのか? そしてこの学生運動の結末は? オープニングからヒップホップ・ミュージックに乗り、ラップバトルで会話する3人の元高校生のナレーションが鮮烈な印象を残す。2021年11月6日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
【11/3公開】『アンテベラム』時を超え新たな衝撃を呼び起こす、パラドックス・社会派スリラー
奴隷としてアメリカ南部の農園に囚われ、残酷な毎日をなんとか生きているエデン。一方で、素晴らしい家族と暮らすセレブ作家だったのに、突然全てを奪われ奈落の底へ突き落とされてしまうヴェロニカ。黒人女性である彼女たちは、なぜこんなにも理不尽な目にあうのだろうか? 謎に満ちたストーリーの先に、衝撃の展開が待つ。『ゲット・アウト』『アス』のプロデューサーが放つ、パラドックス・スリラー。2021年11月5日(金)より全国ロードショー ※TOHOシネマズ シャンテは11月7日(日)より
【10/30公開】『芸術家・今井次郎』知る人ぞ知るアーティストJIROXの表現したものとそれを愛する人々の記録
今井次郎って誰だろう? と思う方も多いだろう。今井次郎は別名「JIRO(ジロックス)」とも名乗っていた表現者である。2012年還暦になった年、悪性リンパ腫の治療に専念するも、惜しくも亡くなってしまった知る人ぞ知る存在だ(ちなみにウキペディアページは存在する)。闘病中亡くなる直前まで楽曲、イラスト、回文のほか独自の「ミールアート」などの作品を作り続け、自らを作品にした画像も残している。これは芸術家・今井次郎の魅力がたっぷり詰まったドキュメンタリー映画だ。2021年10月30日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
【10/29公開】『モーリタニアン 黒塗りの記録』ジョディ・フォスターとベネディクト・カンバーバッチの競演! 同時多発テロの後に作られたアメリカの闇
2001年、世界に衝撃を与えたアメリカ同時多発テロ事件。その首謀者として疑われ、不当に拘禁されたモーリタニア人男性・モハメドゥの手記を元に映画化。レジェンド、ジョディ・フォスターを主演に迎え、今を時めく俳優ベネディクト・カンバ―バッチが競演、という映画ファン垂涎のキャスティング。見ごたえたっぷりのリーガルドラマであり、アメリカの闇を暴く問題作だ。2021年10月29日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
【10/1公開】『TOVE/トーベ』あまりに意外なトーベ・ヤンソンの情熱溢れる人生、ムーミン誕生の秘話
世界中で愛される「ムーミン」の生みの親として知られるフィンラインドの画家で作家のトーベ・ヤンソン。その作風には、ほのぼのした印象を持っている人も多いはずだが、彼女自身はとても奔放で情熱的な人物だったのだ。 成功を掴めず孤独に闘い、相手が男性であろうと女性であろうと情熱的な恋に身を焦がし、酒を飲みタバコを吸いながらダンスに興じる。人生の酸いも甘いも味わい尽くすような、波乱に満ちたトーベの生き様に肉薄する、驚くべき真実のストーリー。2021年10月1日(金) 新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか 全国ロードショー
【9/24公開】『殺人鬼から逃げる夜』 機転を武器に「聞こえない目撃者」がその夜を生き抜こうとするサスペンススリラー
街で続く連続殺人事件。サイコな犯人が次なるターゲットにしたのは「聞こえない」目撃者だった……次々と状況が変わりながらも、聴覚障がい者のヒロインが、夜の街をどこまでも走って逃げ続ける。キャストには、韓国トップ俳優が集結。弱者の立場に甘んじることなく追い詰められても諦めず、他者すらも守ろうとするヒロインに引き込まれる。サスペンススリラーでありながら、聴覚障がい者が感じているであろうディスコミュニケーションのもどかしさも同時に描いている傑作スリラーだ。2021年9月24日(金)TOHOシネマズシャンテ他 全国順次公開
【9/23公開】『MINAMATA―ミナマタ―』真実を追い、市民と共に闘ったジャーナリスト、ユージン・スミスの奇跡の写真
伝説のフォト・ジャーナリスト、ユージン・スミスが1970年代、日本の公害病・水俣病と出会い、写真集「MINAMATA」を発表するまでの濃密な日々を描く。ユージンを演じるのはジョニー・デップ。彼を日本へと導く女性・アイリーン役に美波。ほか真田広之、國村隼、加瀬亮、浅野忠信と、豪華な日本の俳優が顔を揃える。ジャーナリズムのあるべき姿を問い、カメラが起こす奇跡が感動を呼ぶヒューマンドラマ。2021年9月23日(木・祝)TOHOシネマズ 日比谷他全国公開
【9/17公開】『由宇子の天秤』真実を求め正義に突き進もうとする主人公を通し「正しさとは何か」を問う問題作
ドキュメンタリーと見紛うような緊迫感と衝撃のなか、観る者に「正義とは何か」「何が正しいのか」を問い続けながら人間の本質を浮かび上がらせる、濃厚な人間ドラマでもある、社会派サスペンス。 数年前に起きた女子高生いじめ自殺事件を追うドキュメンタリーディレクターの由宇子は、自分のすぐ身近なところで起きていた「ある真実」に気づく。彼女が正義を貫き、大切な人を守ろうと行動を起こすことにより、自らが事件の当事者となっていく。 主人公由宇子を演じるのは映画でもテレビドラマでも活躍中の旬な女優、瀧内公美(『火口のふたり』)。監督は本作が長編2作目となる春本雄二郎(『かぞくへ』)。プロデューサーには片渕須直(『この世界の片隅に』)も名を連ねる。 2021年9月17日(金)渋谷ユーロスペース他全国順次ロードショー
【8/27公開】『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』1969年ハーレムで開催された幻の音楽フェスが蘇るドキュメンタリー
1969年夏、ニューヨーク・ハーレムで6週にわたって行われ、30万人もの観客を集めたブラック・ミュージックの革命的祭典「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」。50年間の封印を解かれ、迫力のステレオ・サウンドと鮮やかな映像でその記録が蘇る。 当時を振り返るインタビュー、当時の社会情勢の情報を交え、ブラック・ミュージックを牽引する大物ミュージシャンたちの、若き日のパフォーマンスをたっぷり楽しめるドキュメンタリーだ。 2021年8月27日(金)全国公開
【8/13公開】『モロッコ、彼女たちの朝』カサブランカの街やモロッコの日常を肌で感じられる、シスターフッド・ストーリー
絵になる「異国の地」としてたびたびスクリーンに登場してきたカサブランカ。外国人が訪れる舞台という設定の作品が多いが、本作はモロッコ製作の作品。モロッコ製作で長編作品の上映は、本作が日本初とのこと。日本人にはあまり馴染みのないモロッコの日常、そして保守的な社会に生きる女性たちが描かれる。 これは、性格も境遇も真逆の女性が、反発しあいながらも友情を育んでいくシスターフッド・ストーリー。未知の国の日常でありながら、多くの人が、心にぴったりと寄り添ってくれるような親近感を覚えるだろう。 2021年8月13日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
【8/6公開】『すべてが変わった日』ダイアン・レイン&ケビン・コスナーが共演! 急展開する衝撃のサイコスリラー
60年代のアメリカを舞台に、円熟味あふれるスター、ダイアン・レインとケビン・コスナーが共演。2人の繊細なやりとりが味わえるロードムービー風の前半が急展開、西部劇のような正義の奪還計画と、身も凍るようなサイコスリラーへとなだれ込んでいく。レスリー・マンヴィル、ジェフリー・ドノヴァンらの怪演にも注目! 2020年8月6日(金)TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほかにて全国ロードショー
【7/9公開】『サムジンカンパニー1995』出世目前で、高卒“働き女子”は正義のために立ち上がれるのか?
1995年、韓国。大企業に勤めるも、高卒・コネなしで雑用ばかり、うんざり気味の女子社員3人。しかしグローバル化の時代に入り、英語力をつければ出世できるチャンス到来! ところが張り切った矢先、会社の環境汚染の事実に気づいてしまい……働く女性の現実問題に、実在の環境汚染事件を落とし込んだ、お仕事エンタテイメント。魅力あるキャストに二転三転するミステリーの面白さ。決して軽くないテーマにも爽快感が駆け抜ける。 2021年7月9日(金)シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次ロードショー
【6/18公開】『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』虐げられた移民の「権力への反抗」
19世紀のオーストラリアに生きた、伝説的な無法者ネッド・ケリーを描く劇映画。虐げられたアイルランド移民の家族として生まれ、理不尽な権力者たちに弄ばれ、闇に堕ちていく青年の心情に迫る、パンキッシュな迫力に満ちた"真実の物語"。ネッドケリーを演じるのは『1917 命をかけた伝令』のジョージ・マッケイ。 2021年6月18日(金)より渋谷ホワイトシネクイント、新宿シネマカリテほか全国順次公開
【6/4公開】『トゥルーノース』北朝鮮強制収容所の恐ろしい実態と、人間の生きる力を描くアニメ
北朝鮮に実在する政治犯強制収容所の恐るべき実態を描くアニメーション。父にかけられた容疑のせいで、ある日突然そこに収容された日系の少年と、その妹・母。地獄のような長い収容所生活でも希望を捨てず、人間らしく生きようとする彼らを通し「生きる」意味とは何かを問う、衝撃の人間ドラマ。また、監督の清水ハン栄治氏曰く「声なき人々の声となることを目指すプロジェクト」でもある。 2021年6月4日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
【5/28公開】『アオラレ』車を降りても追ってくる巨漢の異常者!……狙われたシングルマザーとその息子の運命は?
交通渋滞に巻き込まれ仕事を逃したシングルマザーのドライバーが、「ある男」の運転する車にイラついてクラクションを鳴らしたことから、人生が破滅するほどの、終わりなき恐怖に巻き込まれてしまう。ラッセル・クロウの突き抜けた怪演で、とてつもないモンスターキャラが誕生。些細なきっかけからターゲットにされたヒロインが追い詰められる姿に、人間の憎悪の根深さを見せつける。 近年、死亡事故にも発展し、日本の社会問題となっている「あおり運転」。日本だけの問題ではなかったと思い知らされるスリラー作品。 2021年5月28日(金)全国ロードショー
【5/14公開(休館劇場あり)】『ファーザー』認識と現実がズレていく……ミステリアスな世界に迷い込む、不思議な映像体験
アンソニー・ホプキンスが第93回アカデミー賞主演男優賞を受賞したことでも話題の、イギリス・フランス合作映画。アンソニーの娘・アンを演じるのは、映画『女王陛下のお気に入り』で第91回アカデミー賞主演女優賞を受賞したオリヴィア・コールマン。認知症の傾向があらわれ始めた81歳の老人の、現実と幻想の境界が崩れていく様を描きながら、観ている者までその混乱に引きずり込んでいく、スリリングな演出が秀逸。最後には、人生の美しさについて考察できる人間ドラマ。2021年5月14日 TOHOシネマズ シャンテ(※)他にて全国公開全国順次公開※2021年5月中は、多くの劇場が休館中です。営業状況をご確認ください。
【5/15公開】『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』“東ドイツのボブ・ディラン”と愛されながら、秘密警察に通じていた男の苦悩
東ドイツのシュタージ(秘密警察)に協力していた、伝説のシンガー・ソングライターゲアハルト・グンダーマン。その矛盾と葛藤に満ちた半生を、2つの時間軸を行き交いながら描く話題作。主演俳優が自ら歌う グンダーマンの心に沁みる楽曲を織り込み、率直ゆえにいくつもの矛盾と秘密を抱え、悩みながら懸命に生きた男の軌跡を追う。 2021年5月15日(土)より渋谷ユーロスペース他全国順次公開
【5/1公開】『海辺の彼女たち』実話に基づく在留外国人問題をリアルなドラマに
現在、日本では希望に胸を膨らませて日本にやってきた外国人技能実習生が、あまりにも不当な扱いを受け、職場から逃げ出すケースが多発しているという。そんな在留外国人に対する日本の問題を題材に、監督やプロデューサーが取材を重ねて、脚本を書き上げた本作。監督は、在日ミャンマー人の移民問題を描いた前作『僕の帰る場所』で、東京国際映画祭「アジアの未来部門」グランプリを受賞した藤元明緒氏。劇映画ながら、圧巻のリアリズムが特徴の作品。 2021年5月1日(土)ポレポレ東中野ほか全国順次公開
【4/9公開】『街の上で』若葉竜也×今泉力哉 変わりゆく下北沢で暮らす、若者たちの“恋”と“文化”
青春エンターテイメント映画『あの頃。』が大ヒット上映中の、今泉力哉監督作品が、また新たに公開される。主演は今泉組の常連であり、現在放送中の朝ドラに出演して全国の注目を集めている、若葉⻯也。他にも古川琴音ら、ブレイクしたてでこれからますます活躍が期待されてうる若手が多数出演。ここ数年で駅も街も大きく変化しつつある下北沢の街を舞台にした青春群像劇だ。 2021年4月9日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋⾕ほか全国順次公開
【4/2公開】『僕が跳びはねる理由』驚かされる体験の連続! 自閉症の世界、その真実を知るドキュメンタリー
長年、謎に包まれていた「自閉症」という発達障害。しかしある日本人の少年によって執筆された『自閉症の僕が跳びはねる理由』という1冊の本が、自閉症の世界に革命を起こした。この本は、自閉症の人の内面に何が起こっているのか、彼らが何に悩み、どのような体験をしているのかを、初めて明確に伝えてくれたのだ。 本作は、自ら自閉症を抱えた1992年生まれの東田直樹が13歳で書き上げた原作を元にしたドキュメンタリー。自閉症の世界を再現した、見事な体験型映像もあり、大きな驚きに満ちた作品だ。 2021年4月2日(金)角川シネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国順次公開
【4/2公開】『ゾッキ』シュールな漫画を映画化、監督は竹中直人・山田孝之・齊藤工の3人、キャストも豪華でまるで宝石箱!
ミニシアター界でスマッシュヒットを放ったアニメ映画『音楽』の原作者、大橋裕之の初期作品である短編漫画集『ゾッキA』と『ゾッキB』を、3人の俳優、竹中直人・山田孝之・齊藤工が監督で実写化。吉岡里帆や松田龍平ら主役級俳優含め、多数の俳優陣が参加。「ゾッキ」とは何だろうか。ちなみに古本・古書市場にて極めて安い価格で売られる新品本のことを「ゾッキ本」と呼ぶそうだ。原作者・大橋が少年期を過ごした愛知県蒲郡市で撮影、「地元感」もいい味わいになっている。懐かしく、切なく、おかしみたっぷりで、いろんな人物の人生が詰まった、不思議な作品だ。4/2(金)全国公開
【3/26公開】『ノマドランド』希望に満ちた高齢労働者“ノマド”たちを描くロードムービー
近年アメリカでは、家を持たずキャンピングカーで暮らし、移動しながら季節労働に従事する高齢者が増えているという。彼らを「現代のノマド(遊牧民)」と表現したノンフィクション書籍『ノマド:漂流する高齢労働者たち』を映像化したのが本作。状況は過酷に聞こえるが、意外にも希望に満ちたロードムービーになっている。 主演はオスカー女優のフランシス・マクドーマンド(『ファーゴ』『スリー・ビルボード』)。また“本人役”として、実際の高齢労働者が重要な役どころで出演するなど、規格外の試みが行われている。この作品で監督のクロエ・ジャオは「第78回 ゴールデングローブ賞(2021年)」で最優秀作品賞(ドラマ)・最優秀監督賞を受賞。「第77回ベネチア国際映画祭(2020年)」で金獅子賞鵜を受賞している。今年、見逃すことのできない話題作だ。 2021年3月26日(金) 全国公開
【3/12公開】『フィールズ・グッド・マン』増殖するミーム、ヘイト主義、トランプ大統領誕生…米国を身近に感じるポリティカル・ドキュメンタリー!
自作のキャラクターを悪用されてヘイト騒動に巻き込まれてしまった、米アンダーグランド・コミック界で人気のアーティストのマット。心も名誉も傷ついた彼を救うため、一連の出来事を追って、マットの友人である監督のアーサー・ジョーンズが、ドキュメンタリーを制作。アニメーションを駆使しながら、ホットでダークな問題を浮き彫りにする。 単なる著作権問題ではなく、ノンポリの無名アーティストがSNSやインターネットの強大な影響力によって、大統領選や陰謀論の場へと引きずり出されていく恐怖体験を追ったポリティカルドキュメンタリーだ。 2021年3月12日(金)ユーロスペース、新宿シネマカリテにてロードショー ほか全国順次公開
【2/20公開】『痛くない死に方』自宅で心地よい最期を迎えるには?
在宅医のスペシャリスト・長尾和宏医師の書籍『痛くない死に方』『痛い在宅医』を高橋伴明監督(『愛の新世界』)が劇映画化。主演に柄本佑、さらに坂井真紀、余貴美子、大谷直子、宇崎竜童、奥田瑛二ら豪華出演者が勢揃い。末期がん患者、家族、在宅医の交流を描きつつ、実際に「痛くない死に方」をするための知識も盛り込まれている。いずれのエピソードも医師の書籍に基づいているので非常にリアルだが、エンタメの味付けもうまく挟みこまれ、今までにない見応えの作品に仕上がっている。 2021年2月20日よりシネスイッチ銀座ほかにて順次公開
【2/19公開】『藁にもすがる獣たち』大金の入ったボストンバッグが転がり続ける、ブラックな群像劇
日本の作家・曽根圭介の犯罪小説を、韓国を代表する豪華キャストで映画化。息つく間もない見事なテンポで物語が転がる群像劇。ある者は運に見放され必要に迫られて、ある者は追い詰められ逃げ場を塞がれて、あるいは元来の欲深さゆえに……大金を目の前に獣と化していく人間たちを描く。金の詰まったボストンバッグが次から次へと持ち主を変えていくスピード感が、心地いい。躊躇なしのバイオレンス描写も見ものの、クライムサスペンス。 2021年2月19日ロードショー 多種多様な人生が交差する港町で G区分にはなっているが、ときにギョッとするバイオレンスシーンがはさまれる本作。アクションシーンも満載だ。 そんな激しさが映える…
【2/11公開】『ファーストラヴ』ヒロインの傷みが殺人事件の謎を解き明かす……極上の心理サスペンス
直木賞受賞作である島本理生の同タイトル小説を、堤幸彦監督・浅野妙子脚本で映画化。公認心理師のヒロイン・由紀に北川景子、殺人容疑をかけられ精神的に不安定な女子大生・環菜に芳根京子、由紀の義弟で弁護士の迦葉に中村倫也を配役。少女時代に受けた環菜の心の傷に迫ることで、由紀は自らの過去と向き合うことになっていく。弱者が抱える傷みを、繊細かつ衝撃的に描いた、心理サスペンス・ミステリー。 2021年2月11日(木・祝)全国ロードショー 丁寧に作られた心理サスペンス&ミステリー 丁寧に仕掛けられた設定そのものが楽しめる、秀逸な心理サスペンス&ミステリー。あっという間に、その見事な迷宮に引き込まれるだろう。 …
【12/18公開】『この世界に残されて』“残された者”同士が出会い、魂を通わせる、かけがえのない日々
約56万人ものユダヤ人が殺害されたと言われるハンガリー発の、新たなホロコースト作品。1948年、4人家族のうち、たった1人ホロコーストを生き延びた16歳のクララ。とげとげしく振る舞う問題児の彼女が、寂しさをたたえた父親のような医師・アルドと出会い、少しずつ心の鎧を外していく。しかしスターリン率いるソ連がハンガリーを掌握するにつれ、世の中は再び不穏な空気に包まれて……。 “残された者”の、悲しみに満ちたやるせない日々から、ゆっくり立ち直っていく2人が、観る者の孤独まで癒すようなヒューマンドラマ。 2020年12月18日(金)よりシネスイッチ銀座、ほか全国順次公開
【12/18公開】『声優夫婦の甘くない生活』1990年、イスラエルにやってきた60代夫婦の軽妙な喜劇
1990年鉄のカーテン崩壊を機に、ソ連からイスラエルへ移民したヴィクトルとラヤは、洋画吹き替えで活躍した声優夫婦。しかし移住先での第2の人生は厳しく、ロシア語声優の需要が全くナシ。2人はそれぞれ、なんとか声を活かした職を得るものの、それはとてつもなく裏街道の仕事だった……。オフビート感覚で楽しませてくれる、イスラエルから届いたビタースイートな大人の物語。 2020年12月18日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
【12/11公開】『レディ・トゥ・レディ』冴えない主婦と売れない女優の意地と友情 笑いと感動が溢れる本気のダンス・エンターテイメント!
かつて同級生だった、冴えない主婦と売れない女優が、異例の女性同士のペアを組み、競技ダンスに挑む。主演は、本作のために競技ダンスの猛特訓を重ねた、大塚千弘と内田慈。日常に追われ現実に失望し、熱い思いを忘れた大人たちが、競技ダンスを通じて周りの人々を巻き込みながら青春を取り戻していく、笑いと感動のエンターテインメント・ムービー。監督は本作が商業デビューとなる藤澤浩和。 2020年12月11日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
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『佐々木、イン、マイマイン』(2020年)の内山拓也監督による、商業長編初監督作。認知症を発症した母、格闘技選手の夢を追う弟、亡父の残した場末のカラオケバー……自らを犠牲に家族を支える若者の、葛藤や哀しみを描く。重く苦しいストーリーではあるが決して投げやりではない、覚悟と凄みに満ちた意欲作。出演は磯村勇斗、岸井ゆきの、福山翔大、染谷将太ら。2024年10月11日(金) 新宿ピカデリーほか全国公開
世界的ブランドのデザイナーに次々と抜擢され、ファッション界の至宝と称えられた“革命児”ジョン・ガリアーノは、2011年に起こしたヘイトクライムで有罪となり、仕事のみならず全てを失った。事件から13年経ち、ガリアーノはカメラの前に座り「洗いざらい話す」と語る。全盛期の華々しいアーカイブとともに、トップ俳優や一流モデル、ファッション業界の関係者、そしてガリアーノ本人の赤裸々なインタビューを収録したジェットコースターのような人生を綴る、衝撃のヒューマン・ドキュメンタリー。監督はアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したケヴィン・マクドナルド。2024年9月20日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町他ロードショー
ムスリムの家庭に生まれながら、スタントウーマンを夢見るパキスタン系イギリス人の女子高生が、知恵と勇気と得意のカンフーを駆使し、親友とタッグを組んで姉を陰謀から救い出すために奮闘する。女性だらけのメインキャラが楽しいイギリス発の青春アクション・コメディ! サンダンス映画祭で批評家、観客双方からの絶賛を浴び、英国インディペンデント映画賞最優秀新人脚本家賞を受賞。2024年8月23日(金)新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン 池袋、ヒューマントラストシネマ渋谷 ほかロードショー
『ベテラン』『モガディシュ 脱出までの14日間』のヒットメーカー、リュ・スンワン監督が、1970年代に韓国で密輸犯罪が盛んに行われていたという史実に着想を得た、予測不能な海洋クライム・アクション。海では海女さん集団の素潜りアクションにサメも登場。陸では男たちの血みどろのバイオレンス。メインキャストのシスターフッドをベースに、密輸と摘発でせめぎ合う男たちとの攻防が描かれ、コメディタッチで味付けした、みごたえ満点の傑作!2024年7月12日(金)新宿ピカデリー他 全国ロードショー
『殺し屋1』(2001年)の三池崇史監督&脚本家・佐藤佐吉が再タッグを組み、極道の世界を舞台に描いた、2003年制作の不条理ホラー作品。オリジナルビデオ作品でありながらカンヌ国際映画祭にも出品された、カルト的人気を誇る伝説的作品が、21年の時を経てオリジナルの35ミリフィルムで、日本の劇場でついに一般公開される。 2024年6月15日(土)シアターイメージフォーラムほか順次公開
盗難事件をきっかけに、新任教師の女性に降りかかる負の連鎖。やがて教師、保護者、生徒寺へと動揺は大きく広がり、学校の秩序が崩壊していく。学校のみならずあらゆるコミュニティで勃発するかもしれない、現代特有の脅威を描くドイツ発、ノンストップのサスペンス・スリラー。第73回ベルリン国際映画祭で上映されW受賞を果たしたのを皮切りに、世界の映画祭を席巻した話題作。2024年5月17日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
1992年2人の女児が山林で遺体として見つかった「飯塚事件」。容疑者・久間被告は起訴事実を否認、無罪を主張したが棄却され、異例の速さで死刑が執行された。翌年、冤罪を訴える再審請求が提起され、事件の余波はいまもなお続き真実は藪の中にある。弁護士、警察官、新聞記者ら、立場を異にする事件の当事者たちにインタビューを重ねて状況を生々しく伝え、事件を多面的に追った、文化庁芸術祭大賞受賞の傑作ドキュメンタリーの劇場版である。
真っ当な人生からこぼれ落ち、犬とともに生きるアウトサイダーのバイオレンス・アクション。主演はケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(『ゲット・アウト』『スリー・ビルボード』)。仕掛けのあるアクションシーン、犬との共演、さらに女装のステージと多くの見せ場があるなかで、一貫してしたたかで哀しい男の生き様を作り上げている。共に生きる仲間には、さまざまな犬種が登場し、驚きの演技を披露する。リュック・ベッソン監督・脚本の最新作。2024年3月8日(金) 新宿バルト9 ほか全国ロードショー
雪山の山荘で男が転落死した。 男の妻に殺人容疑がかかり、 唯一の証人は視覚障がいのある11歳の息子。これは事故か、自殺か、殺人か。やがて疑惑の妻は法廷へと引き出され、息子も証言台に立つことに…事件を解明するミステリーにとどまらず、法廷を通し、一家それぞれの人生の細部が浮き上がってくる心理サスペンス。主演にドイツ出身のザンドラ・ヒュラー(『希望の灯り』『ありがとう、トニ・エルドマン』)。カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞作品であり、第96回アカデミー賞にも5部門ノミネートされている話題作!2024年2/23(金・祝) TOHOシネマズ シャンテ他全国順次ロードショー
飢えや貧困の根深い問題を抱え、人権侵害がはびこる、世界で最も閉ざされた国の1つ北朝鮮。そんな国から命をかけて脱出を図る5人連れの家族と、彼らを支援する1人の韓国人牧師を中心としたドキュメンタリー作品。真実を伝えるため、隠しカメラやスマホで撮影した貴重な記録映像で綴られ「見つかったら最後」という決死の緊迫感の中、過酷な脱北の全行程を臨場感たっぷりに追う。2024年1月12日(金)TOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
鬼才ギャスパー・ノエの新作にして異色の「静」のドラマ。元医師で認知症になった妻と暮らす、映画評論家の夫。2人の生活には日々さまざまな問題が起こり、穏やかとは言えなくなってしまう……そんな老夫婦の人生の終わりを、スプリットスクリーン(2画面分割)を駆使し、ドキュメンタリータッチで描く。主演に映画監督のダリオ・アルジェントと伝説の女優フランソワーズ・ルブランを迎えている。 2023年12月8日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開 全編通してのスプリットスクリーン 本作は全編を通し「スプリットスクリーン」。2つのスクリーンが並んだ状態で…
「次世代のタランティーノ」とも評価されているアナ・リリ・アミリプール監督の長編3作目。赤い満月の夜に突如特殊能力に目覚めて精神病棟抜け出す、謎の少女の逃走を描いたポップでダークなおとぎ話。出演はケイト・ハドソン(『あの頃ペニー・レインと』)、チョン・ジョンソ(『バーニング劇場版』)。2023年11月17日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかにて公開
言葉が失われたはるか遠い時代に、自給自足の生活を送る1人の女。そんな彼女に引き寄せられ、男たちがやってくる……。モノクロ映像にセリフはなし。主演は和田光沙(『岬の兄妹』『菊とギロチン』)、ほかにモデルでもある飛葉大樹やベテラン俳優・寺田農ら5人のキャスト。監督は本作が長編第2作めとなる長尾元。自然と廃墟の中で人間の欲望が渦巻く意欲作。2023年11月11日(土)K’s cinemaほか全国順次公開
アーティストである恋人の成功を目前にした平凡なヒロインに芽生えた「私だってもっと注目されたい」という承認欲求。その思いが、彼女をある種の肉体改造へと駆り立てる。果たして行く先に待つのは、破滅か幸福か? 嫌悪と共感を呼ぶメディケーション・ホラー。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で絶賛され、欧米を中心とする世界の映画祭を圧巻、アメリカではスマッシュヒットを飛ばし拡大上映となった話題作。2023年10月13日(金)新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほかロードショーほか全国順次公開
伝説の雑誌編集者の半生を描いた『素敵なダイナマイトスキャンダル』から5年、冨永昌敬監督が、今度はミュージシャン南博氏の回顧録を劇映画化。ピアニスト2役を演じ、自ら演奏も披露する池松壮亮を主演に、クセ者のキャストをずらりと揃え、軽妙ながら核に切なさを持つ独自の感覚で、昭和末期の銀座のジャズクラブを描く。クリスタル・ケイら、名うてのミュージシャンも出演、音楽のハイライトシーンも充実している。2023年10月6日(金)テアトル新宿ほか全国公開
バレエダンサーとして致命的なケガを負うのと同時に恋人を失ったヒロインが、コンテンポラリーダンスに出会う再生の物語。主演はパリ・オペラ座の正式団員マリオン・バルボー。監督はセドリック・クラピッシュ。コミカルさもある、さわやかな青春ストーリーに気分が高まりつつ、一流のバレエとコンテンポラリーのパフォーマンスまで楽しめる稀有な作品だ。2023年9月15日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開
医療機器の誤作動がきっかけで、無実の黒人が白人警官に殺害された事件をリアルにみせる、ノンフィクション・サスペンス。殺害までの90分間を実際の時間経過に近い「リアルタイム進行」で描く。製作総指揮は、俳優モーガン・フリーマン。主演のフランキー・フェイソンは、本作でゴッサム賞で最優秀主演男優賞を受賞、各国の映画祭で圧倒的な存在感を残した話題作。2023年9月15日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次ロードショー!
ミャンマーでは、2021年2月1日に始まった軍事クーデターにより、突然、市民の日常が奪われ、代わりに命の危険が隣り合わせの毎日を過ごすようになり、現在に至る。軍に都合が悪い情報を発信すれば処罰の対象。そんななか制作された本作は、匿名の映画作家たちが世界に向け放った“命がけの SOS”。リアルな映像と、心情を吐露するようなイメージの映像を行き来するドキュメンタリーだ。第72回ベルリン国際映画祭でパノラマ部門ドキュメンタリー賞を受賞。なお、この映画の収益金はミャンマー支援金として寄付される。2023年8月5日(土)より、ポレポレ東中野ほか全国順次公開
戦争でさえ奪えなかったものは民族を越えた愛と、歌に込めた希望だった……ウクライナ人、ポーランド人、ユダヤ人の3家族が第2次世界大戦下、迫害の危険にさらされたながら、隣人に託すことで子どもたちを守り、託された母は子どもたちと懸命に生きようとする。 監督は、ドキュメンタリーを撮り続けてきた、ウクライナ生まれ、キーウ在住のオレシア・モルグレッツ=イサイェンコ。愛と思いやりにあふれながらも研ぎ澄まされてた戦争下の家族の物語。2023年7月7日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国公開
昨年公開された、ミア・ゴス主演、タイ・ウェスト監督の『X エックス』に登場する殺人鬼の⽼婆パール。その若かりし頃、時をさかのぼった前日譚の続編。抑圧された農場暮らしのなか、映画スターになることを密かに、しかし強く望んでいた若き日のパール。そんな彼女がいかにしてシリアルキラーになっていったのかを、1950年代のミュージカル映画を色濃く反映した演出で描いたホラー作品。監督はタイ・ウェストが続投、ミア・ゴスはパール役のほか、アイディアを出し脚本にも参加。圧倒的な魅力を放つ無垢で自己中なダークヒロイン、パールから目が離せない。2023年7月7日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
「次世代のタランティーノ」とも評価されているアナ・リリ・アミリプール監督の長編3作目。赤い満月の夜に突如特殊能力に目覚めて精神病棟抜け出す、謎の少女の逃走を描いたポップでダークなおとぎ話。出演はケイト・ハドソン(『あの頃ペニー・レインと』)、チョン・ジョンソ(『バーニング劇場版』)。2023年11月17日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかにて公開
言葉が失われたはるか遠い時代に、自給自足の生活を送る1人の女。そんな彼女に引き寄せられ、男たちがやってくる……。モノクロ映像にセリフはなし。主演は和田光沙(『岬の兄妹』『菊とギロチン』)、ほかにモデルでもある飛葉大樹やベテラン俳優・寺田農ら5人のキャスト。監督は本作が長編第2作めとなる長尾元。自然と廃墟の中で人間の欲望が渦巻く意欲作。2023年11月11日(土)K’s cinemaほか全国順次公開
アーティストである恋人の成功を目前にした平凡なヒロインに芽生えた「私だってもっと注目されたい」という承認欲求。その思いが、彼女をある種の肉体改造へと駆り立てる。果たして行く先に待つのは、破滅か幸福か? 嫌悪と共感を呼ぶメディケーション・ホラー。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で絶賛され、欧米を中心とする世界の映画祭を圧巻、アメリカではスマッシュヒットを飛ばし拡大上映となった話題作。2023年10月13日(金)新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほかロードショーほか全国順次公開
伝説の雑誌編集者の半生を描いた『素敵なダイナマイトスキャンダル』から5年、冨永昌敬監督が、今度はミュージシャン南博氏の回顧録を劇映画化。ピアニスト2役を演じ、自ら演奏も披露する池松壮亮を主演に、クセ者のキャストをずらりと揃え、軽妙ながら核に切なさを持つ独自の感覚で、昭和末期の銀座のジャズクラブを描く。クリスタル・ケイら、名うてのミュージシャンも出演、音楽のハイライトシーンも充実している。2023年10月6日(金)テアトル新宿ほか全国公開
バレエダンサーとして致命的なケガを負うのと同時に恋人を失ったヒロインが、コンテンポラリーダンスに出会う再生の物語。主演はパリ・オペラ座の正式団員マリオン・バルボー。監督はセドリック・クラピッシュ。コミカルさもある、さわやかな青春ストーリーに気分が高まりつつ、一流のバレエとコンテンポラリーのパフォーマンスまで楽しめる稀有な作品だ。2023年9月15日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開
医療機器の誤作動がきっかけで、無実の黒人が白人警官に殺害された事件をリアルにみせる、ノンフィクション・サスペンス。殺害までの90分間を実際の時間経過に近い「リアルタイム進行」で描く。製作総指揮は、俳優モーガン・フリーマン。主演のフランキー・フェイソンは、本作でゴッサム賞で最優秀主演男優賞を受賞、各国の映画祭で圧倒的な存在感を残した話題作。2023年9月15日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次ロードショー!
ミャンマーでは、2021年2月1日に始まった軍事クーデターにより、突然、市民の日常が奪われ、代わりに命の危険が隣り合わせの毎日を過ごすようになり、現在に至る。軍に都合が悪い情報を発信すれば処罰の対象。そんななか制作された本作は、匿名の映画作家たちが世界に向け放った“命がけの SOS”。リアルな映像と、心情を吐露するようなイメージの映像を行き来するドキュメンタリーだ。第72回ベルリン国際映画祭でパノラマ部門ドキュメンタリー賞を受賞。なお、この映画の収益金はミャンマー支援金として寄付される。2023年8月5日(土)より、ポレポレ東中野ほか全国順次公開
戦争でさえ奪えなかったものは民族を越えた愛と、歌に込めた希望だった……ウクライナ人、ポーランド人、ユダヤ人の3家族が第2次世界大戦下、迫害の危険にさらされたながら、隣人に託すことで子どもたちを守り、託された母は子どもたちと懸命に生きようとする。 監督は、ドキュメンタリーを撮り続けてきた、ウクライナ生まれ、キーウ在住のオレシア・モルグレッツ=イサイェンコ。愛と思いやりにあふれながらも研ぎ澄まされてた戦争下の家族の物語。2023年7月7日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国公開
昨年公開された、ミア・ゴス主演、タイ・ウェスト監督の『X エックス』に登場する殺人鬼の⽼婆パール。その若かりし頃、時をさかのぼった前日譚の続編。抑圧された農場暮らしのなか、映画スターになることを密かに、しかし強く望んでいた若き日のパール。そんな彼女がいかにしてシリアルキラーになっていったのかを、1950年代のミュージカル映画を色濃く反映した演出で描いたホラー作品。監督はタイ・ウェストが続投、ミア・ゴスはパール役のほか、アイディアを出し脚本にも参加。圧倒的な魅力を放つ無垢で自己中なダークヒロイン、パールから目が離せない。2023年7月7日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
ウクライナ東部の村に住む夫婦を主軸に「親ロシア派」と「反ロシア派」対立の緊張感を描いた反戦作品。日常に食い込んでくる争いや暴力への恐怖と戦いながら、崩れかけた家に頑なに留まろうとする妊婦のヒロインが、今もウクライナで必死に生きている女性たちの姿に重なる。壁の崩壊した家屋、荒れ果てた地に広がるひまわり畑。争いの残酷さをはらみながらも美しい映像が印象的だ。2023年6月17日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次開