里山に置いてある釣り船
首都圏から故郷に戻ってきて、子どもの頃にはなかった風景を見て少し驚いた。 船なのだ。 田園地帯に5、6人(もっとかも)は乗れそうな釣り船が置いてある。いま知っているだけで、半径1キロに3艘(そう)もある。 船は、おもに土日に利用されている。車で牽引するか、クレーン付き中型トラックに乗せて、里から海に出かけていく。 初めて見た時は、違和感しかなかった。しかし、日常的に連中から嫌がらせを受けるようになって、船がある理由がわかってきた。 町内会では、施設や公園の掃除の日がある。行事は、家族のうち一人が、事実上の強制参加。欠席すると行事によって3千円か5千円の罰金がある。 そこで、一部の連中がいつも会話をしている。「昔は、入札価格を教えてくれていたのに、最近はなあ」「役人を接待しないと商売にならんからなあ」などと、他人...里山に置いてある釣り船
2021/01/30 00:43