晴耕雨読という言葉もあるくらいだから、風も強い雨の日は、鬱々と・・まではいかなくても、家で静かに、というのがノーマルな過ごし方だろう。 けれど今日に限っては、あえてその逆をいくことに。 普段のノーマルな思考の逆手を取って、いつもは人気が高くてなかなか入れないようなお店に行く。 JR石川町駅南口(元町口)に程近い、石川町駅前郵便局の前の坂道(大丸谷坂)を上っていくと、すぐ右手に目に入る「シャ…
初夏らしい日々から一転、早くも梅雨っぽさもほのかに醸し出す今日この頃。 夏日にうっかり張り切り過ぎて、年甲斐もなくはしゃいでも、不安定な気候や気温差にはついていけないお疲れモード。 という訳で、本日の a cup of teaは、『アップルティートディー』 ほんのりウィスキーをたらし、疲れた体をポッポッと温める。
ゴールデンウィーク初日の4月末日。 元町・中華街駅からすぐの小高い山の上にある『港の見える丘公園』は、この時期、緑豊かな姿で人々を癒してくれる。 港の見える丘公園内にある、無料で開放している薔薇園、『イングリッシュローズガーデン』も既に見ごろを迎え、天気の良い初夏の日差しの中、昨今の時節柄とは思えない数の人々が、溢れる薔薇と草花を銘々楽しんでいた。
少し肉付きの良い体型、口元にわざとらしく付けた付けぼくろ、地声とは思えぬほどの甘い猫なで声で、冗談ではなく本当に『ウフフフ』と笑う。 今思えば、多分セクシーな子だったのだろう。 その日、東京から、彼女の友人のいる横浜まで連れて行かれた夜、横浜駅で彼女の友人達と落ち合った。 ナンパ目的の長い車の列の横をこれ見よがしに歩き、欠伸が出るほど退屈な殿方達に食事をご馳走してもらった後、はい、ではさような…
『バイトするなら海?山?』と、高校生の頃いつも一緒に過ごしていた彼女が聞いてきたのは19の夏の初め。 私が、海、と即答すると、彼女は、その頃メジャーだったアルバイト情報誌「フロム・エー」を片手に、片っ端から海の家でのアルバイト募集に電話をかけまくっては、鉛筆で丸だのバツだのを書き込んでいった。 もうすでに夏に入り始めていた頃だったので、結局海の家のアルバイトはあらかた決まってしまっていた為、仕方…
ある時、帰り際に若い女性スタッフが、客の見送りに店の外まで出てきて、深々とお辞儀をしてくれるカフェがあった。 綺麗処が沢山いるような、何処ぞのクラブでもあるまいに、ずいぶん仰々しいなと思ってその様子を見ていたが、顔を上げたスタッフを見て驚いた。 彼女の顔が、まるで能面のように無表情だったのだ。 ただただ義務でやっているのだろうが、背筋がゾッとする思いをしたのを覚えている。 理想を言えば、カ…
人が少ない所へ行こう、という友人の提案で降り立ったのは江ノ電の長谷駅。 小さな駅から海方面へ、民家ばかりの道を心細くしばらく歩いていき、『Bread Code(ブレッド コード)』という食パン専門店の脇にある小道を入って行くと、向こう三軒両隣という感じで古民家をリノベーションしたカフェやパン屋さんが密集している、ちょっと面白い一角がある。 コロナ期にお上から頂いたあぶく銭の一端を使い、たまには自分たち…
雑踏の中、サンシャイン方面へ向かう人々の波とは少しずれて左へ行くと、ひっそりと姿を現す「サンシャイン中央通り」。 サンシャイン60通りとは格差大きくあまり人気もない、❝中央❞とは名ばかりの裏通りである。 30年程前そこに、とある小さな居酒屋があった。 薄暗い階段を地下に降りていくと、居酒屋独特の黴臭さの混じった、すえた匂いが鼻をつく。 建付けの悪い木製のおんぼろな開きドアを開ければ、今ではもうあ…
昔からウィノナ・ライダーが大好きだが、彼女の出演作品の中で特に好きなのが、イーサン・ホークと共演した『リアリティ・バイツ』である。 東欧ユダヤ系の血が混じる彼女は、アメリカ人でありながらも普通のアメリカ人とは異なるとてもエキゾチックな顔立ちをしている。 シザーハンズでは、金髪ロングヘアの、可愛いが別段特徴のない、今で言うところのゆるふわ系女子だったウィノナ・ライダーだが、ブルネットのショー…
玄関を入るとすぐ、その絵が目に飛び込んできた。 壁一面ほどもあるその大きな絵には、三人の幼い少女が描かれている。 真ん中に、保育園の保母さんなのか、それとも三人の通った学童保育所の先生なのか、あるいは誰かの母親なのか分からないが、大人の女性に抱きかかえられながら梨狩りをしている少女。 その両脇には、じっと真正面を見つめ、得意げな笑みを浮かべた二人の少女。 ぐるりと周りを取り囲む黄色く色付いた…
夜中0時を回る頃、ジェット機の飛行音と共に始まる『JET STREAM(ジェットストリーム)』というラジオ番組がある。 東京FMで放送されているこの番組が大好きで、30年程前はよく聞いていた。 映画『ローマの休日』、『白鯨』等のグレゴリー・ペックの日本語吹き替えも担当していた、ナレーション城 達也氏の、妙な抑揚の無い紳士的で落ち着いた静かな声と語り口。そしてオープニングテーマ曲である「Mr.Lonely」が、昼間の…
< カップ&ソーサー ノリタケ> 暖かい日…
笑うといいとはよく言うが。 笑う門には福来たるということわざがある。 誰もがよく知っている言葉だが、それを鵜呑みにしてお笑い番組ばかり見ていた時期があった。 嫌なことがあっても、とにかく笑ってさえいれば何とかなると思ってしまっていたのだ。 一時はかなりはまって、沢山のお笑い芸人の名前を覚えたりなんかしていたのだが、しかしやはり過ぎたるは及ばざるが如し。ある頃から、笑っても一向に心が晴れなく…
毎月、湘南T-SITEにて行われていた『湘南蚤の市』。 本場フランスのプロヴァンス地方をイメージした、海外の物ばかりが集まる蚤の市である。 コロナの影響でしばらく開催されていなかったが、今までの1/4程の店舗数の小さなマルシェとして、今月からようやく再開する運びとなった。 出店数は一日わずか6店舗ほど。 アクセサリー、ミルクガラス(アメリカ等で製造された、ガラスに混ぜ物をして全体が乳白色になるよう仕上…
NHKTV番組 ❝世界はほしいモノにあふれてる❞の 1/7放送「私の幸せ部屋づくり 日本・フランス・イタリア」で紹介された、マリー=フランス・コーエン。 空間づくりにこだわるパリの人々が一目置くというインテリアショップ、Démodé(デモデ)のオーナーである。 Démodéとは「流行遅れ」という意味であるらしい。 マリーさんが心惹かれたアンティーク家具から現代の物まで、「流行りすたりに流されないアイテム」…
好きな映画は『プリティ・ウーマン』や『リアリティ・バイツ』だと言ったらミーハーだと思うだろうか。 母はモノクロのフランス映画が好きで、仕事帰りに時々、まだ若かりし頃の私と有楽町にあった小さな映画館で、名作だと言われる「禁じられた遊び」や、その他のマニアックで退屈なモノクロのフランス映画を見たりした。 家で見る映画ももっぱら、「シェルブールの雨傘」や「十戒」、「王様と私」、「雨に唄えば」、「カサ…
全国各地にある、「パン屋の激戦区」と言われる街。 神奈川県内では、元町や上大岡駅などもその一つ。 上大岡駅では、京急百貨店内にある『アンデルセン』、『プルミエ サンジェルマン』、『木村屋総本店』等の大御所をはじめ、2017年「パン・オブ・ザ・イヤー」カレーパン部門金賞、2020年「カレーパングランプリ」東日本焼きカレーパン部門金賞を受賞し、米粉100%の食パンなどでも知られる『あいわパン』、横浜のおいし…
生まれつき非常にセンシティブなお肌を持つ身故、あちこち温泉通いをしていた頃があった。 あくまでも自宅から日帰りで行ける範囲ではあるが、新宿の黒い湯の温泉から、箱根の温泉まで、肌に良いと聞けばとりあえず行ってみたものである。 箱根ガラスの森美術館に立ち寄ったのも、そのついでであった。 勿論、二十歳そこそこから陶器や磁器に心惹かれ、その延長でボヘミアグラス(チェコ共和国)、ドレスデンクリスタル(ド…
最終電車で最寄り駅に降りた辺りから、変な輩につけられているのを感じていた。 酔っ払いや不審者あたりがうろついていてもおかしくはない時間帯。 むろん、うら若き乙女の頃の話だが。 改札を出ると、本能的に自宅とは反対の方へ道を折れた。 が、行こうとした先は細く暗い道が続いているだけ。 内心しまったと気が動転しながらも、左手に数件店があるのに気づき、あそこのどこかに入ろう、 そう思って速足で店の前まで…
今年の冬は例年に比べ寒いのだろうか。 凍えるような寒い日、しかしトツカーナ骨董市は変わりなく元気に開催。 そしてこの日はトツカーナ骨董市に出店していたアンティークアクセサリー店の店主より、カメオのうんちくを聞きながらの鑑賞に時を費やす。 カメオにはシェル(貝)カメオとストーン(メノウなど様々な宝石)カメオなどがあるが、当然ながら、どちらも土台の貝や宝石の質や状態、装飾の出来不出来がそのカ…
≪ カップ&ソ…
バレンタインデーやホワイトデーには一味違った紅茶を。 という訳で、本日の a cup of tea は、『ホワイトチョコレートリキュールティー』 ホワイトチョコレートリキュールの甘さと香りを楽しめる。 普通のチョコレートリキュールは百貨店等でも置いているが、ホワイトチョコレートリキュールとなると珍しいようで、そこら辺のお店ではなかなか手に入れにくく、店員に首を傾げられてしまったりと難儀であるので、ここ…
晴れてはいても北風が強くて寒い日。 本日のa cup of teaはウィンターコーディアル。 コーディアルとは甘い飲み物のこと。 深々と冷えた寒い冬に最適なホットドリンク。 オートミー…
祖父達や父は植物が大好きで、沢山の草花や木を庭中に育てていた。 幼少期からそんな男たちを見てきたせいか、マメな男性が普通だと思ってきた。 しかし案外世の中には、本当にマメな男性はいらっしゃらないということを徐々に理解し始めた二十代も後半の頃、ガーデニングで有名な吉谷桂子さんの本と出逢った。 7年間の英国暮らしの中で得た、生活を楽しむ術から始まって、イギリスの美しい本場のガーデンやイタリアの古…
何度も夢に出てくる喫茶店がある。 実在はしない。文字通り、自分の夢の喫茶店だ。 いわゆる妄想なのだが、それにしては作りも何もかもが、写真で撮られたかのようにくっきりとリアルに夢に出てくるのである。 その喫茶店のデザインには、どうやらあの、カルーセル・エルドラドが一役買っているような気もする。 人は何故古いものに憧れを抱くのだろうか。 カルーセル・エルドラドが造られたばかりの頃を私は知らない。…
〈カップ&ソーサー Noritake HANA SARASA〉 甘酒は、疲労回復効果等、最近ではよく夏に熱中症予防として、「飲む点滴」などと言われなじんできたが、発酵食品であるため…
〈カップ&ソーサー 薩摩焼〉 本日の a cup of tea は、その名も ‟SAKE TEA” お正月に少しだけ余ってしまったお酒で美味しいアレンジティーを作ることが出来る。 …
今年起きた出来事で忘れられないことと言えば、夏の終わり、東京練馬区の『としまえん遊園地』が惜しまれつつも閉園してしまったこと。 幼い頃は親や祖父母に連れられて、年頃になると友達やボーイフレンドとなど、散々行った大好きな遊園地だった。 そこには『カルーセル・エルドラド』というメリーゴーラウンドが長年存在していた。 カルーセルとはフランス語で❝回転木馬❞、エルドラドとはスペイン語で❝黄金郷❞とい…
地域タグ:東京都
お気に入りのカフェを見つけるのはそう簡単なことではない、という話は先日のTHE ROYAL CAFE YOKOHAMAの紹介の時にも書いた話。 接客から飲み物、食べ物、雰囲気に至るまで全てを気に入るというのは、普通に考えてかなりレアなことだろう。 鎌倉の小町通りにあるcafe Romano は、その全てを満たしたお店の一つである。 2階にあるせいか、通りの喧騒とは無縁の静かな空間。 店内に入るとまず聞こえてくる甘いジャズの調べ…
地域タグ:神奈川県
クリスマスが近づくと、いつもとは違う変わった料理や飲み物を考えたくなる。 明らかにいつもとは違うテンションで、インスピレーションが次々と湧いてきてしまうのはけして私だけではないだろう。 そして今年はちょっとだけ早めのクリスマスパーティーに、ぜひこの一杯を作りたい。 本日の a cup of tea は、MULLED WINE TEA(マルドワインティー)。 マルドワインとはホットワインの事。蜂蜜やお砂糖で甘くして飲む…
今日のa cup of teaは『ジンジャーミルクティー』 体があったまる定番ミルクティー。 風邪の引き始めの時にもおすすめ。 〈レシピ 1人分〉 水 カップ1/2 茶葉 大きい茶葉ならティースプーン大盛り1杯 小さい茶葉ならティースプーン中盛り1杯 根ショウガ スライス2枚 牛乳 …
植物は良い。あるだけで癒される不思議な存在である。 家の中には観葉植物が、外にはガーデニング用の植物があってほしい。 けれどもなぜか観葉植物は高い。 その鉢込みでその値段が妥当なのかどうかは分からないが、とにかく高いので、私はいつも近所の小さな花屋で、小さくても勢いがあって元気そうなものを数百円で買ってくる。 多少枝葉があっちこっち明後日の方角を向いていても構わない。とにかく元気な物が良い。 …
おすすめカフェ THE ROYAL CAFE YOKOHAMA
最近どこも似たり寄ったりの喫茶店ばかりで、まるで喫茶店のコンビニを作っているようなものだとさえ思うようになってしまった今日この頃。 お気に入りのカフェ探しも人間の恋人探しと似ていて、これから長くお付き合いしたいと本当に思えるお店に出会えることは滅多にない。 ネットでも雑誌でもいろんな喫茶店を紹介してはいるけれど、行ってみてがっかりしてしまうことが多いのが現状。 しかしそんな中、『THE ROYAL CA…
地域タグ:横浜市
『インテリア』というと大袈裟に聞こえるかもしれない。 有名なお店の物、あるいは有名なデザイナー物や高価な物などを探さなければならないと考えがちだが、そんなにお金をかけなくても出来たり、特別な才能も必要なかったりする。 例えば私の場合、カレンダーやどこかの店のパンフレットの写真が気に入ると、それを切り取って家族の写真フレームにしてみたり、フリーマーケットで数百円で仕入れたような写真立てに子供の描…
底冷えのする雨の土曜日。 わざわざ冷たい雨に濡れてお出掛けするのもたまにはいいけど、…
寒い朝。 この辺では昨日より5℃近く気温が下がった。 全国的には昨日と今日とでそんなに気温差は無いようだが、この地方だけ−5度とは全く恐れ入った。 冷たい雨も少しぱらついたようだ。 こんな日は、とかく心までも凍てついてしまいそうだが、知り合いからのお下がりならぬお上がりのカラフルなセーターと、可愛い花柄のモチーフのカップで気持ちを上げるお手伝い。 そして、ルノワールの『靴紐を結ぶ女』や、セザン…
蛇柄のショルダーバッグの彼女は大の『廃墟』好きである。 長崎の軍艦島の事を語りだすとお喋りがとまらなくなるので少々辟易としていたが、 ある日彼女から1冊の小冊子を渡された。面白いから是非読んでくれという。 なんだろうと思って表紙の題名を見て、思わず目を見開いてしまった。なんとラブホテルの写真集?的なものだったのだ。それも、全国津々浦々の昭和のラブホばかりを集めて掲載している。 彼女は目をキラキラ…
かれこれ30年程前、池袋の東口を出てすぐの横断歩道を渡ったところに、小さな食器屋があった。 今はもう、とうにその店はなくなってしまったようだが、当時二十歳になるかならないかの私は、ある日何の気無しにぶらりとその店に立ち寄った。 今思えば、それが『食器屋』というものに初めて自ら足を踏み入れた日であった。 1階は普通の、いわゆるよくある食器を売っていたのだが、2階は少し変わった趣向の食器ばかりを、ま…
昼間街を歩くと目につく、黄色く色づいた銀杏の木々。 空は明らかな曇天でも、この黄金色の風景を見ていると、まるでモネだかマネだかの描いた絵のように思えてくる。 それほど美しい。 10月のハロウィンが終わればすぐにクリスマス支度を始める街並みには、少しだけそぐわない気もするが、これが本当のこの時期の姿だ。 テレビでは今日も、やれ本日の感染者数は〇〇人などと、アナウンサーがさもありなんという顔をして喋…
知り合いに、よく鍵を失くす女性がいる。 自宅の鍵や実家の鍵など、とにかくしょっちゅうどこかへ忘れてくる。 先日も、出先にコートごと忘れてきてしまった。幸いその場所へ連絡したら、コートも無事で、鍵もポケットにちゃんと入っているという。 あまりにしょっちゅう失くすので、他人事ながらどうしたものかと思案していたところへ、いいものを見つけた。 縦長で、小さなタイプのショルダーバッグだ。 レイジースーザ…
最近はあまり見かけなくなった喫茶店コロラド。 昔よく通っていた。 あれは16歳か17歳のころだったか。 高校の近くにあった小さな店だった。 動きのスロウな手動式の開きドアを開けると、チリンチリンと少し錆びついた金色の呼び鈴が鳴る。 店内は、外の冷気を忘れてしまうほどの温かさと、店いっぱいに広がったコーヒーの香りで満ちていて、 一人かまたは友達と、いつもの奥まった席につく。 壁は赤茶けてすすけた本物…
インテリアの醍醐…
「ブログリーダー」を活用して、たまきさんをフォローしませんか?