「は」の変遷。ハ行点呼音。
「かは」「うるはし」「あはれ」……。こういうものはこんにち「かわ」「うるわし」「あわれ」と読む。「は」と書いているのに「わ」と読む。これはなぜなのか? 「はな」「はる」「はかなし」……。こういうものはこんにち「はな」「はる」「はかなし」と読む。こちらは「は」と書いて「は」と読む。この違いはなぜなのか? ハ行「は・ひ・ふ・へ・ほ」の音声は、実は、歴史の中では一定ではなかった。 古代においてはハ行は [p] の音で発音されていた。 つまり、「母(はは)」は「パパ」と発音されていた。 これが古代~室町時代にかけて、ハ行は [ɸ] の音(ファフィフゥフェフォ)で発音されるようになった。 つまり、「母(…
2019/05/26 17:41