エルの窓から

九、四方山話と失踪と

母の実家で海鳴き地蔵の話を聞いたことがある。地蔵が鳴くと海から津波が来る、という言い伝えがあった。地蔵は小さな社に囲われ、小学校の近くに見守り地蔵としてあっ…

2022/02/26 16:32

八、三人寄れば…

泉西高の生徒暮林夏穂はこれといって秀でるところのないごく普通の生徒だった。しかし他の二人の友人と比べクラスの中でも身長だけは高かった。すらっとした長身で17…

2022/02/23 17:43

七、キツネの火

この町のお稲荷様は宇迦之御魂神（うかのみたまのかみ）を祀ったものなのだろうか？それとも…鬼夜叉のような吒枳尼天(だきにてん)を祀ったものなのだろうか？誰が最…

2022/02/21 16:45

六、まぼろしが花、空にも地にも

遠野陸真は気象庁の温暖化対策気候変動解析チームに配属されている。海に囲まれた小さな島国にとっては温暖化、そして気候変動は国家予算にすら暗い影を及ぼしかねない…

2022/02/20 17:00

五、クラスに現れたもう一人 （二）

  「…確かに、今朝会った人…きみにそっくりだった…あれは、きみの姉さん…だとして…いま死んでるって、聞き間違い。そんなことありえない。確かにそこいて、ぼくは…

2022/02/19 14:37