夏目漱石『文鳥』を読む~自らの無責任を認めないまま,けれど・・・

夏目漱石『文鳥』を読む~自らの無責任を認めないまま,けれど・・・

ときにあきれるような漱石の筆致は,自らの自己中心的な醜さを平気でそのまま書く漱石の天才が溢れている作品で,私は,繰り返し読んでいる。引用に当たっては,ルビの一部を省略した。  十月早稲田に移る。伽藍のような書斎にただ一人、片づけた顔を頬杖で支えている