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第518日 詩の思い出
詩の思い出初めて読みふけった詩はたぶん小学生の頃横文字名前の女流詩人だった名前を思い出せない内容も憶えていないどんな本に載っていたのかも一所懸命に調べれば名前も作品もわかるかもしれないけれどそれをしたくないいいのだ忘れたままでそれは私の心の奥にあるそして私の心をいくばくか色づけている第518日詩の思い出
2021/11/30 19:00
第517日 余白
余白余白というものが街からは失われている歩いていて息苦しい一センチたりとも利用し管理し利益と安全を求めるホームレスも喫煙者も不良も佇む場所はない街は滅菌室のように異物を排除する活気に溢れているようで実は生きてはいないいのちが生み出すブレがここにはない第517日余白
2021/11/29 19:00
第516日 囀り
囀りあの鳥の囀りはたぶん意味がないのだろうただ何か内から湧いてくるものをどこへともなく弾けさせているのだろう労苦多い餌漁りも恐ればかりの子育ても今は捨て去ってただ広い野と空に自らを解き放って縄張り誇示とかではなかろうそういった合理的なものでないから美しいのだ人の言葉も表現もあの鳥の囀りのように美しいといい澄み切った原野にただ響けばいい第516日囀り
2021/11/28 19:00
第515日 旅する者
旅する者この地上は旅するには美しいけれども住み着くにはいささか重すぎるうらぶれた町の汚い路地も旅する者の目には美しいだがそこで暮らすのはあまりに侘びしいすべてを旅する者の目で見るのだ束の間目に焼き付きそして過ぎ去っていく仮象として私の苦痛や苦悩も旅の中の一場面その積み重ねの向こうに見えるものがある第515日旅する者
2021/11/27 19:00
第514日 粘土
粘土粘土は岩石の最終形態極細粒の粘土の土は固まりすぎて不毛になるそれを人間が取り出し火で焼いて器を作る微細な粒が融けて固まり岩のような硬さになる自然が圧縮や加熱によって最終形態を最初に戻すのとすこしばかり似たことをやっているそこにある茶碗は人間による鉱物リサイクル古代からの不思議な知恵第514日粘土
2021/11/26 19:00
第513日 一度も抱きしめずに終わった恋人よ
一度も抱きしめずに終わった恋人よ一度も抱きしめずに終わった恋人よ今は憎んでいるか抱きしめようとした手を君は避け私は止めた憎まれていてもやむを得ない申し訳ないがどうしようもない傷つけようとしたわけではないそんな人間だったということせめて一度だけでも抱きしめたかったと思うのは欲でも未練でもない成就することはないとわかっていたいい思い出にもならないとそれをより苦いものにするために第513日一度も抱きしめずに終わった恋人よ
2021/11/25 19:00
第512日 ポンポンと
ポンポンと胸に頭を抱き寄せて優しくポンポンと撫でるしてもらいたいししたいちっとやそっとの落ち込みならそれで回復するような気がするもうしばらくないから忘れたけどすべての妻と夫が毎日それをし合えば世の中はえらく平和になるだろう独身者はどうするか猫に肉球でポンポンしてもらうかでもそんな優しい猫はそう多くない第512日ポンポンと
2021/11/24 19:00
第511日 夢の中の木
夢の中の木夢の中に出てきた木が何の脈絡もなく浮かんでくるいやそれは本当に夢かあやふやになるがやはり夢らしいその木には実がなっていた美しい土地だった私はどこかへ行こうとしていた思い出せるのはそのくらいなぜそんなものが浮かんでくるのか私に何を語ろうとしているのか考えても胡乱な気持ちになるだけまさかエデンの園ではあるまいただ私はどこかへ行こうとしてここにいるそれだけは確かな気がする第511日夢の中の木
2021/11/23 19:00
第510日 詩恥
詩恥詩というものは読むのも書くのもどこか気恥ずかしいところがある赤裸な感情を歌うからか魂の声に近いからか近代詩はそれを排除しようとしたかっこいい近代フランス詩なら詩集を持ち歩くのもかっこいい本当に好きかどうか疑問が湧くけれどダサさを承知で詩を書き詩人を自称するのは少し変わった人間であることは確かだ第510日詩恥
2021/11/22 19:00
第509日 美しい村
美しい村美しい村はこの地上にはないそれでも人の心には美しい村の幻があるわれらは皆美しい村から来たのかもしれぬ鮮やかな光があふれ心通い合える仲間ばかりのけれどその桃源郷には大事なものが欠けている異者と交わる苦痛が美しい村はどこにもなくその幻を追うそれが自身を探る教程らしい第509日美しい村
2021/11/21 19:00
第508日 草原
草原一面の草原は美しく心安らぐ人は木を愛するが恐れてもいるらしい奥秩父の原生林を歩いた時視界のすべてが木だったことがある木の幹の向こうにはまた幹があるその光景は戦慄だった草原は夢想を拡げさせてくれる渡る風とともに心は走っていく小さな花や動物を探しながら心は森のようになりがちだ草原のようでいるためには時々野焼きが必要なのか第508日草原
2021/11/20 19:00
第507日 牛肉熱
牛肉熱久しぶりに牛肉を食べた夜体が熱くなって寝られなかったよいことなのか悪いことなのか刑務所に暮らす人はたまに大福が食べられると夜に体が熱くなるという体はけっこう正直だその声に普段は耳を傾けないがいつもあれこれサインを出しているもう色恋を卒業したのだから四つ足の肉はやめるべきか体の変な所が熱くなっても困る第507日牛肉熱
2021/11/19 19:00
第506日 統合不能
統合不能生まれて初めて脳が思いを統合できない状態を知った様々の思いがあるのはわかるが時系列も結合関係もわからない病気ではない疲れていただけ脳に栄養が行かなかったかいやまさか痴呆の前兆?思いはばらばらに存在する統合されないと日時も意味も対応もわからない脳が不思議なのか意識が不思議なのか私というのは何と危うい存在第506日統合不能
2021/11/18 19:00
第505日 先祖
先祖親は二人祖父母は四人曾祖父母は八人二のn乗というやつだな十代前は約千人二十代前は約百万人三十代前は約十億人この算数はおかしい近縁結婚なら増えないのかどうもうまく想像できない親族構造論は頭が付いていかない自分の先祖などというのはちょっと前くらいしかわからないそれでいいではないか第505日先祖
2021/11/17 19:00
第504日 夢の中の他人
夢の中の他人夢の中に登場する見知らぬ人物はどうやって作られているのか不思議で仕方がない適当に作り上げたにしては妙に具体的だ無縁の人の顔を無縁のまま保存しているのか自分の脳が何をやっているのか実はわれらはほとんど知らないほかの臓器と同じようにそんな脳に依存し操られつつわれらの自己は何とか生きるとんでもない綱渡り第504日夢の中の他人
2021/11/16 19:00
第503日 感情
感情頭に絡まる感情と胸に湧き出す感情はどうやら違うものらしい頭に絡まる感情は変な癖あるいは天の邪鬼胸に湧き出す感情はいわば宿命手なずけなければならぬ野性どちらも取り扱いは難しいそれらを宥められるのは魂の感情けれどそれを見出すことはさらに難しい第503日感情
2021/11/15 19:00
第502日 病い
病い人と関わった記憶は苦く自然と関わった記憶は甘い独りでなど生きていけないのに人と関わるのはどうしても苦しいこれは悪しき病いか苦くても苦しくても人と関わるのが至上命題なのか文句を言うものではないのか人と関わって磨かれ何かを得たのか私は言葉に詰まるこれはもっと悪しき病か第502日病い
2021/11/14 19:00
第501日 右往左往
右往左往私が好き私が嫌い私があることが幸福私があることが不幸我を忘れる幸福我を忘れてしまう不幸我を最高と思う愚か我を無意味と思う愚かこの難題の中に人は生きているあっちへ行ったりこっちへ行ったり正解という場所などなく澄み渡った私になった時右往左往は消えるだがそれを維持することは難しい第501日右往左往
2021/11/13 19:00
第500日 五合目
五合目千メートルの登りで五百メートルは半分けれども半分ではない残りの五百はもっとつらい足に疲労が溜まる空気が薄くなる荷を背負う肩は擦れる陽はさらに強烈に照りつけけれど山頂への期待は膨らむ景色が拡がっていく雷鳥や稀少植物が迎える千の詩は千行っても何か変わるわけではないまあそこで息果てるのが本望か第500日五合目
2021/11/12 19:00
第499日 真昼の校庭
真昼の校庭真昼の校庭に子供たちの姿はなく何の役にも立たぬ空間は自らをせせら笑っているようでかつての子供たちの夢はそこを走り回っていないのかうるさいほどの笑い声はふいに蘇ることはないのかこの国が終わったようないや世界が終わったような淋しさがこみ上げるそう終わったのだ何が終わったのか知らないが何かが終わりもう還って来ないのだ第499日真昼の校庭
2021/11/11 19:00
第498日 商売恐怖
商売恐怖幼稚園でお店屋さんごっこをやれと言われて私はなぜかパニックで固まった「いらっしゃいませ」やお金のやりとりが恐怖そのものだった商売は生きることの一部会社員であろうと職人であろうとそれができないのは致命的かくして私は貧困老人となった今は商売人ぽい仕草はできるようになったが相変わらず商売はできない第498日商売恐怖
2021/11/10 19:00
第497日 延命
延命「生き永らえさせるのが目的なら医療は常に敗北だ」そうどこかの医者が言っていた今のお医者様は常に敗北しているのか些細な不具合なら治せばいい致命的な病なら痛みを取ればいい病気を治すためだけに生き永らえているようなそんな逆立ちはやめればいいあるところまで行ったら後はうまく死ぬことだ今の医療なら簡単だろうに第497日延命
2021/11/09 19:00
第496日 狭小
狭小ああいやだ小さくて狭くて家のことではない私自身のこと動こうとしてもつっかえる空気が淀んで息苦しい拡げようとしてもすぐに戻るどこに行ってもついて回る自分を捨てて活動して戻ることがなければこの苦しさはなくなるのか大きくて大変な仕事に没頭するのが一番の幸福への道なのだろうけれどそういう幸運はあまりない第496日狭小
2021/11/08 19:00
第495日 それぞれの時間
それぞれの時間人それぞれの時間伸びたり縮んだりはるか昔と絡まったり世の物理的時間とは違う人それぞれの時間は見えないし計れない私の時間と世の時間はなかなか折り合いがつかないそれが生きることのつらさけれどばらばらの時間を生きる魂が出会うためにはこの世の冷たい時間が必要らしい第495日それぞれの時間
2021/11/07 19:00
第494日 誇り
誇り誇りとは超越的な価値への信念と献身からなる地上の功利は何ら誇りを生まない富も栄華も誇りとは何の関係もない今の世には超越的な価値はないだから誇りも存在しないあるのはただ尊大だけ誇りを失った人間には自己拡大の闘争しかない第494日誇り
2021/11/06 19:00
第493日 家族落第
家族落第家族は人を生につなぎ止める家族の幸福は世の幸福の大半を作るけれど家族が苦手だった父親もそうだった学んだのか血の呪いなのか傲慢で冷たいだけかそういう種族の魂もいるということか家族の幸福は手の届かぬものもっと早くに知るべきだった第493日家族落第
2021/11/05 19:00
第492日 耽美
耽美耽美主義者だったあの頃に戻りたい一枚の絵に無数の幻を見一片の詩に無数の劇を紡いだあの貪欲な自分に生活などしたくなかった美に溺れて死にたかった恋愛すらしたくなかったただ恋の幻を紡いでいたかった何かが私を引きずり出し楽園は砕け散ったその何かを私は思い出したくない今でも時たまあの頃の貪欲を懐かしむけれどもう美はあの日のようには輝かない第492日耽美
2021/11/04 19:00
第491日 反動
反動犬が西向きゃ尾は東神聖なるものを見つめると尻尾が悪魔のほうに伸びる昔から神社の周りには遊郭があった心を洗う読書をするとネットの腐海を探りたくなる真剣なお行をすると荒い性欲に身を染めたくなる尻尾が伸びているのではなく本性が顕わになるだけかほれ見たことかと悪魔が笑うそれでも高みを見つめたい尻尾が伸びて泥に浸かろうとしまいにはぷっつり二つにちぎれるだろうか第491日反動
2021/11/03 19:00
第490日 氷山
氷山聳え立つ氷山に小舟ははじき飛ばされ私は凍った海に溺れる氷山は白く強烈に輝きすべてのものの色を消し私の目を焼くこんな航海は無謀だったのかのどかな田園を流れる小川をゆったりと徘徊していればよかったのか凍えていく体で小さく歌を歌おう敗北の誇らしい凱歌を第490日氷山
2021/11/02 19:00
第489日 旅の終わり
旅の終わりどこへ行き着くかわからぬ旅はどこへも行き着かぬのかもしれぬそれでも私は夢見る旅が終わったと思える場所をそこは旅の始まる前の場所かもしれぬ忘れてしまっていた甘い故郷かもしれぬだが故郷は前の故郷ではなく私は前の私ではなく旅は私と共にあるのかもしれぬ輝きを増し闇も深くなりまた新たな旅が始まるのかもしれぬ第489日旅の終わり
2021/11/01 19:00
2021年11月 (1件〜100件)
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