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第365日 浮世
浮世憂き世を浮世と読み替えたのは誰だとんでもない洒落だただ世を生きることを楽しむようになったのかどうやっても苦しい世だから逆に軽やかになろうとしたのか世は浮いて流れていくものそれに任せて軽々踊りましょう智慧なのか居直りなのか浮いて踊れればいいけれど心はどうやっても沈んでいってしまう私には浮き世に生きることは無理らしい第365日浮世
2021/06/30 19:00
第364日 甘い
甘い何でこんなに甘いのか炒め物佃煮果てはカレーまで何でもかんでも甘くする栄養不足の貧困民か甘いもんなんか食えるかと大人なら言わなくてはいけない甘いものはガキの食うもの苦さ渋さを好むのが大人もしかするとこの国には幼児性を忌避する文化がなくなってしまったのかいくつになっても漫画を読み何にでも砂糖を振りかけるそんな大人ばかりになったのか第364日甘い
2021/06/29 19:00
第363日 切れ
切れ日本の自然は放っておくと草木が茂り人など締め出されてしまう切れ人は必死に草木を刈り命の場を造ってきた人が力尽きるとそこは温帯ジャングルに戻る草木を切ってはいけませんなどと言うのは自然を知らない人草木は切らないといけない森から枝を切り出して煮炊きをする野原から茅を刈って屋根を葺くそれが日本の自然の本来の姿なのだ第363日切れ
2021/06/28 19:00
第362日 ブッダの見たもの
ブッダの見たものブッダは見たあまたの魂がそれぞれの業ゆえに生まれ変わり死に変わりする様をそれは希望の風景か絶望のそれかせめて三回を一回にとブッダは慈悲した果たしてそれが成功したのか誰も知るよしはない生まれ変わりたくないそれが仏教の根底にある叫びだ余のことは枝葉に過ぎぬしかし解決策は二千年以上経っても確立されないわれらはブッダの時代から一歩も進んでいない第362日ブッダの見たもの
2021/06/27 19:00
第361日 たくさんの宇宙
たくさんの宇宙無限の並行宇宙があると言われてもさして驚くことではない気がするこれほど精密な宇宙を創った何者かがわれらの宇宙程度で終わりにするはずがない地球がこのようになっていることも生命がこれほど繁栄していることも目の前の花が咲くことすらも途方もない精密な神秘だこの宇宙がそんな創造の唯一の作品だとかこの人間がその最高傑作だとかそんな馬鹿なことがあるはずがない宇宙はほかにも数知れずありもっと高等な存在様式もあるそれが自然な考え方ではなかろうか第361日たくさんの宇宙
2021/06/26 19:00
第360日 難関
難関素直になるというのはこの上なく単純なことなのに何と難しいことかそうして人は人生をだめにするありがとうの一言が大好きだよの一言があるいは嫌ですの一言がどうしてこれほど難しいのか傷つくのが怖いのか裏切られると怯えているのかいやそうではない奇妙な魔物が人の中にいる自らの人生をわざと歪めている得体の知れない魔物が第360日難関
2021/06/25 19:00
第359日 山の幸
山の幸ミョウガの味噌漬けを囓り八海山の冷やを味わう至福の一時を新潟に感謝蕗の薹タラの芽山の幸はどれも淡泊で質素だが豪奢だ海の幸の濃厚な美味は私には強すぎる北関東の山民の血のせいか自分の肉体の血筋に優しく寄り添う美味があるそれは呪縛であり祝福である第359日山の幸
2021/06/24 19:00
第358日 足裏の塵
足裏の塵「足の裏の塵を払え」そうナザレの男は言ったなかったことしろ恨みや怒りを残してはならぬあいつらは愚かだこんなに良いものを与えているのにそう思ったとたんに人は暴君への道を歩み始める善意を仇で返される時大切な真理を汚される時怒りや嘆きが生まれるのは自然だけれども最も賢い道は何もなかったことにすることだそれが自身と世の純潔を守る第358日足裏の塵
2021/06/23 19:00
第357日 千手観音
千手観音現代人が千手観音を造ったらその手には何を持たせるだろうスマートフォン?ワクチン?われらを救う文明の利器とやらはとても千では足りないだろうそういうものに助けられてわれらは日々を生きている千の利器の助けを受けて果たしてそれに値する生をわれらは生きているのだろうか千の手でも救い難いそれがわれら人間のさが観音様は泣いているだろう第357日千手観音
2021/06/22 19:00
第356日 蝶の脱出
蝶の脱出開けた窓のガラスの方にヒョウモンチョウがぶつかっているおいそっちじゃなく左だよ光の世界はそこにあるのになんで行けないのよ誰があたしの頭を叩くのよといらだっておいでのようでこっちもいらいらはらはらしているとヒョウちゃんはガラスに止まってしばし瞑想しそしてすらりと左の空間から出て行ったまあ俺もガラスに頭をぶつけているだけかすっと横滑りしていけば外に出られる道があるのか第356日蝶の脱出
2021/06/21 19:00
第355日 いちにち
いちにちものうさのここちよさあまおとはうちにみちかたちなきかなしみはうらうらとみおひいてしずかなるみずのもにひとすじのかぜはすぎこともなくながれゆくいちにちのいとおしく第355日いちにち
2021/06/20 19:00
第354日 遠い光
遠い光グラスの中でカラカラと氷が鳴る今は安ウイスキーの水割りだがはるか昔はカルピスの妙なる音だったあの夏の輝く午後野山を走り回り従妹と恋の真似事をし青空に聳える入道雲を眺め祖母が畑から取ってきた唐黍を囓るこの世を喜んでいた子供の私が確かにいたそうでない私と同時に喜んでいたのは私の魂なのか心なのか体なのかあの歓喜の宝石はまだ私の中にあるこの世を喜ぶのもまた私の魂の宝なのかその光が異彩過ぎて私にはよくわからない第354日遠い光
2021/06/19 19:00
第353日 秘密
秘密秘密は物理的に隠されているのではない目の前にあっても見えないようにされているのだ誰かの企みなのかわれらの未熟なのかどうでもいい秘密は明かされてきた肝心な秘密は明かされていないわずかに手が届いた者もその先へは進めないその苦闘もなきものとされる何百年か先に明かされるのかこの物質の世では不可能なのかそれは生死の秘密とそれを秘密としている秘密第353日秘密
2021/06/18 19:00
第352日 ウイルス
ウイルスウイルスは自分は体を持たず他の体を使って遺伝子を増やしていくらしい生物と言えるのかどうかもわからないしかもしばしば寄宿する生物を殺してしまって自分もおじゃんになるいったい何を考えているのか実に厄介で危険な存在だけれどもウイルスが遺伝子をかき乱すことで生物進化が起こるとも言うならば人間が誕生したのはウイルスのおかげ?きっとウイルスは生物ではなく天が差し向けた何かなのだ良きものか悪しきものかはわからないが第352日ウイルス
2021/06/17 19:00
第351日 カタストロフ
カタストロフある日海が死ぬそれが世の終わりの始まり多くの人が知っているが人間は何もすることができない激しい雨が降り続けるだろうあるいは一滴の雨も降らないだろう竜巻と雹が襲うだろうそして人間は飢えるだろう私はその日を見るだろうかいやその前に死ぬだろう見てみたいというのは悪魔の欲望だがカタストロフは来ないだろう数多の魂にとって地球はまだ必要という天の都合があるだろうから第351日カタストロフ
2021/06/16 19:00
第350日 異国情緒
異国情緒湿気に満ちた重い空気に侵入してくる六月の陽差しは鬱陶しくも愛おしく私にいくつもの記憶を呼び起こすなぜかこの時季に横浜山手に何度も行っている相手は皆違うらしいがはっきりしない本当に自分の記憶かもあやふやになる洋館や異教墓地が醸し出すあの異国情緒は妙に懐かしい西洋への憧れなどとうに潰えただろうに誰かが抱いた憧れがわれらの中にいつの間にか入り込む六月の追憶はそんな謎を漂わせる第350日異国情緒
2021/06/15 19:00
第349日 ミルト(銀梅花)
ミルト(銀梅花)散歩道で出逢った小さな白い花かぐわしい葉私の心は不思議に震えそれは昔アフロディテに捧げられた聖なる花だったミルトというその名を歌ったマラルメの一行は今も憶えていた何十年も生きてきて初めての出会いは妙にセンチメンタルではるか昔の誰かの記憶が私の内に隠れていたという夢想を私は素直に楽しむ第349日ミルト(銀梅花)
2021/06/14 19:00
第348日 重力
重力重力は私やほかの何もかもを地に引き留めてくれるから私は生きていられるけれど重力は私に飛ぶことを許さず老いていく体を引きずり下ろし最後には地にひれ伏させる心もまた重力によって沈ませられる今夜はとりわけその力が強いいつの日か地とともに生きる必要がなくなった後私は重力を懐かしく思うだろうか第348日重力
2021/06/13 19:00
第347日 六月
六月六月の夢は恐ろしい動乱だ私の心の奥で何が起こっているのか重く湿った大気に締め上げられ私の魂はどこかへ逃れようとしているのか曇り空の下に水脈引くクチナシの香りは官能の奥に崩壊を秘める両親は六月に死んだ私も六月に死ぬのだろう近づいて来る夏の強烈さに怯え淀んだ街の臭気に息を潜める時夢とも現とも分からぬ記憶が明滅するけれども私はこの陰鬱な月が案外好きだ馴れ飽きた女の体を抱くように私はこの倦怠に心を沈めていく第347日六月
2021/06/12 19:00
第346日 分裂
分裂微細我はDNAの中にあるのか魂の古い記憶なのか私を引き裂きながら私を創る恐ろしく黒いものもあれば妙なる輝きを放っているものもあるそれは私そのものではないが私の大切なものたくさんの異なった我を抱え込んで私はピンに弾かれるボールのように生きるその航跡は混沌に似ている整った美しい人生など私には到底無理なもの私は今日も千鳥足で歩く第346日分裂
2021/06/11 19:00
第345日 反大衆
反大衆大衆を憎め大衆になるないかに凡庸な身であっても風に吹かれる葦になるな気取りではない傲慢でもない人としての矜持だ知恵を持った生き物の責務だ必要ならば耳を塞げ目を逸らせ己の声にのみ従え愚かでも未熟でもその精神で判定するのだそれが創造への責務だ第345日反大衆
2021/06/10 19:00
第344日 悪魔の思想
悪魔の思想二千年も前に人類は正しい「叡智」を知ったのになぜそこから間違った道へ入ったのか何者かが罠を仕掛けたのか一神教もその陰画である唯物論も真理を覆い隠し愚かさに自足させる罠二千年前の「叡智」は悪魔の思想として焼かれたそれが悪魔の奸計だったと私は思う悪魔の使徒に呪いあれ私はそう罵倒し続ける誰も賛同する者がいなくとも第344日悪魔の思想
2021/06/09 19:00
第343日 賭命
賭命自分の命が何よりも大事などということはないのであって客観的にはもちろん主観的にももっと大事なものはいくらもある自分の命だけが大事なのなら命は死ぬと終わってしまうのだから結局何も大事なものはないということになりゃせんかそれは何だと言われてもそりゃそれぞれに違うだろうさ議論したりするものでもなくその何かを栄えさせるために命を賭けることができるのならそれは本望じゃないかね第343日賭命
2021/06/08 19:00
第342日 聖峰
聖峰白く気高い山を眺めれば心は静かに澄み渡るそこは神々の棲まう場所人界の穢れを抜けた聖所雲を作り雪を作り水を作る生命の源泉人は足を踏み入れてはいけないそれが人と山との本源的な姿禁足の掟を消してしまうと聖所は聖所でなくなる近代登山は呪われるべきものだ第342日聖峰
2021/06/07 19:00
第341日 笛
笛誰もが笛を吹き誰も人の笛で踊らないそんな時代になってきたいいことだとんでもない笛に踊らされて穴に落ちるのは馬鹿げているみんな自分で笛を吹き自分で踊ればいいのさ誰も一緒に踊らなくても関係ない誰も見ていなくても関係ないてんでんばらばらな祝祭の時代なのだそのうち誰も笛を吹かなくなれば静かになっていい淡々と働き釣りや庭いじりをして第341日笛
2021/06/06 19:00
第340日 無限多面
無限多面数式を書いて世界を解くその数式で世界に影響を与えるそれは素晴らしい知性の営みだ私にはさっぱり不可能だがけれどもそれは世界の限られた面だけ世界は無限の多面体解いても解いても謎は生まれいくら操作しても世界は動かないそれは実にありがたいことだもし数十個の数式で世界が解決できたら生きている意味などなくなるだろうどんな根源理論も世界の一角度の姿それは負け惜しみではなく存在の豊かさの凱歌だ第340日無限多面
2021/06/05 19:00
第339日 正体不明
正体不明電磁波という何回勉強しても訳のわからないものにこの文明は大きく依拠しているらしい私が愚かなだけか素粒子の理論もいや電子や重力というものさえわかるようでいてわからないこのもどかしさものの正体というものははっきりと手で掴んで操れるようにわかることはないのだろうか人間の知性と五官がもっと進化すればそこにある土や板のように掴めるのだろうかその時われらは初めてものを支配できるのだろうか第339日正体不明
2021/06/04 19:00
第338日 最底辺の食事
最底辺の食事フランスパンを赤ワインに浸して食べるそれは最底辺の食事としてタブーだという味噌汁にご飯を入れるようなものか私の今の血にはそんな記憶はないのだけれど時々これを食べたくなるなぜなのかはわからない豆を煮て香辛料を加えるネパールの料理もトウモロコシの粉を焼く中米の料理も最底辺の食事だろうが妙においしい一番底にある食べ物というものは命を支える大地なのだその味わいはどこまでも深い第338日最底辺の食事
2021/06/03 19:00
第337日 無関係
無関係無関係が集まる都市というものの不思議すれ違う人は無関係隣の席の人は無関係関係すれば争いが起こる争いを嫌うなら関係しないのがいいそれでも人は集まる職や便利や活気を求めて無関係のまま集合するそれは驚異的な発明それが世界中に拡がっているこんなあり方は近代にしかない人類は新たなステージに進んだのかそれとも間違った道に迷い込んだのか第337日無関係
2021/06/02 19:00
第336日 陽を浴びる木
陽を浴びる木陽に照らされている木を見るのは心が安らぐどんな木でもいいうらぶれた場所でもいい木が喜びを発していてそれを受け取るのだろうか生存への保証を古い獣の血が感じ取るのだろうか明るく晴れた昼にゆっくりと腰掛けて陽を浴びる木々を眺めるそれだけで豪奢な時間心配も悩みも棚に上げてそれを心ゆくまで楽しもう第336日陽を浴びる木
2021/06/01 19:00
2021年6月 (1件〜100件)
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