Re花の語り

チクチクと。

チクチクと食むながれる感情は抑えどころもなくチクチクと食む背中の痛みはあなたが喰らうからなめらかに激しく喰らうからいつかの約束は反故にされチクチクとしくし...

2024/05/31 10:29

眠い。

眠りの谷間に浮かぶ手のひら表に返し裏を眺めつつ光と戯れひとときの眠りに果てしなく泣くそうだ花びらの先を間違えたのだ捕まえたのではなく離したのだ泡のようなき...

2024/05/30 08:35

開く。

それは寄りそうに。カタカタとさんざめく空の悲しみのように。開くのは物覚えの悪い男には難しく幼子の泣き声に紛れてほとほとと眠り込むあなたにはたやすいのだけど...

2024/05/28 08:54

溺れる。

溺れるままに任せてみる壊れたまなざしでみつめたまま手を差し出すこともせずひらひらと泡になった過去が詰め寄るグズグズと斜線のような未来は落ちていくとがめもせ...

2024/05/27 05:03

紅色の空洞の中。

騒ごうか。紅色の空洞の中を。鼓動をひとつかかげて。名残を積み上げて。花びら三つ四つ。潜り込めたのに入口はどこなのか。騒ごうか。真っさらな一歩は紅色の空洞の...

2024/05/26 19:57

もういちど。

その時を待っていたのだろうか。いやいや。具にもつかぬ戯れを厭うぐらいの覇気は左手に。重ね合わせる言の葉を拒むような気骨は右手に。このまま男の胸に倒れ込んで...

2024/05/26 16:05