searchカテゴリー選択
chevron_left

カテゴリーを選択しなおす

cancel
プロフィール
PROFILE

野良ネコ音吉さんのプロフィール

住所
未設定
出身
未設定

自由文未設定

ブログタイトル
ねこえびすの名曲決定盤
ブログURL
https://muzik-und-katze.hatenablog.jp/
ブログ紹介文
東京の片隅に生息する野良ネコ音吉(おときち)がまったくの主観と偏見で選んだ自称「名曲」を紹介するブログです。音吉は入れ食いネコなので、ジャンルはクラシックからJ-POPまでハチャメチャです (^^;;;
更新頻度(1年)

57回 / 86日(平均4.6回/週)

ブログ村参加:2020/05/14

本日のランキング(IN)
読者になる

新機能の「ブログリーダー」を活用して、野良ネコ音吉さんの読者になりませんか?

ハンドル名
野良ネコ音吉さん
ブログタイトル
ねこえびすの名曲決定盤
更新頻度
57回 / 86日(平均4.6回/週)
読者になる
ねこえびすの名曲決定盤

野良ネコ音吉さんの新着記事

1件〜30件

  • ヴラド・ペルルミュテールとラヴェル

    人は思わぬところでトンでもない人物に出会っているものです。 何年であったのかがどうしても思い出せないのですが、おそらくは1970年前後であったと思います。 木枯らしの吹きすさぶ冬の夜で、コンサートとなれば嬉々として出向く音吉が気後れしてグズるという大珍事が発生。説得されて渋々、行くことにはなったんですが、コンサートホールに着くまでは機嫌の悪かったのなんの。 というのも音吉は寒いのが大の苦手。雪がコンコンと降ればコタツで丸くなるほうでしたから、真冬の、しかも寒風が街を吹き抜ける夜にYシャツ&半ズボンで出かける(昭和に男の子だった人は分かってもらえますよね)なんて、拷問以外の何物でもありませんでし…

  • アンドレ・マルシャルと『パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582』

    以前に、演奏者と作曲家の文化的な違いが音楽に反映することがあるという投稿をしたことがありますが、今回もそんな類のお話です。 アンドレ・マルシャル(André Louis Marchal, 1894 – 1980)というフランスのオルガニストをご存知でしょうか。 ドイツのヘルムート・ヴァルヒャ(Helmut Walcha, 1907 – 1991)と並んで前世紀を代表する偉大なオルガニストなんですが、録音が古い上に状態が良くないこともあってか、残念ながら日本では一部の熱烈なファンを除いて知名度はそんなに高くありません。 マルシャルは、シュヴァイツァー博士(Albert Schweitzer, 1…

  • 作曲家による自作自演の録音とロウ管蓄音機

    自作自演というと、なんだか嘘つきのアリバイみたいですが、今回は作曲家が自分の作品を演奏するという本来のお話です。それも19世紀末から20世紀初頭にかけての作曲家が遺した自作自演の録音なんです。 管の表面にロウを塗ったロウ管(wax cylinder)を機械にセットし、シリンダーを回転させながら表面に音の振動を針で刻むことによって録音し、再生する時はこの音溝を針でトレースしながら音を拡声させるというロウ管蓄音機をエジソン(Thomas Alva Edison, 1847 - 1931)が開発したのは1877年のことです。 音楽ではありませんが、1877年の記念すべき録音を聴いて頂きましょう。エジ…

  • ブクステフーデ『シャコンヌ ホ短調 BUXWV 160』

    音楽の好みは人それぞれ。親子といえども好きな作曲家や演奏者が一致するのは稀なことです。 音吉の家族もそうで、バロック音楽に限っていえば、父はJ.S.バッハ、母はパーセル、そして音吉はラモーと、てんでバラバラでした。 それでも例外はあるもので、唯一、3人が一致して好きだった作曲家がいます。デンマーク生まれのディートリヒ・ブクステフーデ( Dieterich [Dietrich] Buxtehude, 伝1637 - 1707)です。 1600年代から1700年代の前半にかけて、バルト海沿岸地域やプロイセンを含む北ドイツで活躍した作曲家とオルガニストは「北ドイツ・オルガン楽派(Norddeutsc…

  • ヴィオールと映画『めぐり逢う朝』

    『めぐり逢う朝("Tous les matins du monde", 1991)』というフランス映画をご存知でしょうか。『インド夜想曲("Nocturne indien", 1989)』や『リュミエールの子供たち("Les Enfants de Lumière", 1995)』などで知られるアラン・コルノー(Alain Corneau, 1943 - 2010)監督の代表作で、1991年にルイ・デリュック賞(Le Prix Louis-Delluc)を受賞しています。キャストも豪華で、ジェラール・ドパルデュー(Gérard Xavier Marcel Depardieu, 1948 - )、…

  • 『山崎ハコ』と『ずとまよ』

    高校時代の音吉がしていたアルバイトは、もっぱらコンサートの裏方さんでした。 来場者の整理・誘導から機材の搬入・搬出まで様々で、決してラクな仕事ではありませんでしたが、不定期とはいえ高校生のできるバイトの中では格段にギャラが高く、最小限の労力で最大限の利潤を得るのが大好きな音吉にとっては「ネコにマタタビ」の仕事でした。 そんなバイトに入っていたある日のことです。 舞台裏の給湯室にいた音吉は、廊下から忙しげに飛び込んできた少女と出会い頭にぶつかってしまいました。小さな子を泣かせてしまうようでは、理由はともかく仕事人失格。そう思ってしきりに謝ると、「私がいけなかったの。ステージ前の私って、いつもこう…

  • マイク・オールドフィールドと映画『エクソシスト』

    七夕豪雨で始まり、テレビがウォーターゲート事件一色に染まり、三菱重工爆破事件で終わった1974年の夏休み、中学2年生だった音吉は3人の悪友とつるんで映画館に出かけました。ホントは行きたくなかったんですが、「音吉、怖えんだろう」 という挑発に乗ってしまったのが運の尽きでした。 当時としては本当に怖い映画だったんです。ウィリアム・フリードキン(William Friedkin, 1935 - )監督の『エクソシスト(The Exorcist)』。今でこそ特撮もお粗末に感じられて、「なんでこんなものが怖かったんだろう?」 と思える映画なんですが、怖いわ・グロいわ・キモいわの3点セットで、音吉は映画の…

  • 吉森信と『夏目友人帳』

    音吉は子どもの頃からのマンガ好き。もっぱらギャグ物と恐怖物でしたが。音楽同様の入れ食いで、面白そうだと思ったら少女マンガにも手を出していました。 とはいえ小学生の小遣いで買えたのは週に一冊。時期によって違いましたが、少年マガジンや、サンデー、チャンピオンを買うのが精一杯でした。なので少女マンガは女子(とか男子とか何であんな言い方をしてましたかね? 照れかな)の家に出かけて行って詠ませてもらっていました。土田よしこや楳図かずお、時には山岸涼子なんかも読んでました。 そのせいでしょうか、今でもマンガはジェンダーレスに読んでいます。とくに最近のものはジェンダーでジャンル分けする必要があるのかと思える…

  • ドイツ・バッハゾリステンと楽しいバッハ

    東武東上線成増駅前にモスバーガーの一号店が開店し、横浜からトロリーバスが消えてブルーラインが開業し、世界発の卓上電卓「カシオミニ」が発売された1972年のことです。 音吉は、中学2年生になるのを機にピアノ・レッスンを「卒業」したんですが、そのお祝いにと講師のSさんからコンサート・チケットをいただきました。ヘルムート・ヴィンシャーマン(Helmut Winschermann, 1920 - )率いるドイツ・バッハゾリステン(Deutsche Bachsolisten [DBS])にソプラノ歌手のエリー・アーメリング(Elly Ameling, 1933 - )を加えた公演で、演目はブランデンブル…

  • 子どもの頃にお世話になったピアノ教則本

    ハノンとかツェルニー(チェルニー)と聞いて、なんとなくウンザリしたり残念な気分になる人は、子どもの頃に無理矢理ピアノの練習をさせられたか、ピアノは嫌いじゃなかったけど地道な練習が嫌いだったのどちらかだと思います。音吉は後者で、今なおその性癖は改まっておりませんです。 日本でピアノを学ぶ場合、ハノンを併用しながらバイエルかメトードローズなどの教則本で始まって、ツェルニー100番→30番→40番→50番と練習曲をこなしつつ、バッハのインヴェンションやらモーツァルトやベートーヴェンのソナタを学ぶっていうのが王道なんであります。 でも「ハノン」「バイエル」「ツェルニー」と呪文のように唱えるわりには、な…

  • 河内家菊水丸と『花 ~すべての人に花を~』

    そろそろ記事も溜まってきたので、もう「入れ食いネコ」の意味は説明するまでもないでしょう。その入れ食いネコ所蔵の音源でも、とくに異彩を放っているのが河内家菊水丸(1963 - )です。 フレディ・マーキュリー(Freddie Mercury, 1946 - 1991)が亡くなり、パンアメリカン航空が倒産し、音吉がまだ独身でウルトラに自堕落な生活を送っていた1991年のことです。 起きがけにテレビをつけたら『笑っていいとも』の放送中。「いくら何でも寝過ぎだよな」 と思いながら、それでも布団を被り直してグダグダしていると、テレビから奇妙な歌が流れてきました。ダミ声の男性が歌う盆踊りみたいな、レゲエみ…

  • アルトゥール・ルービンシュタイン

    音吉少年がショパンに入れ込んでいたお話は以前にした通りです。 正確にいえば「サンソン・フランソワ(Samson François, 1924 - 1970)のショパン」に熱中していたんです。高慢ちきといえるほど気位が高く、むらっ気があり、それでいて繊細という性分のゆえに、評価が二分される演奏家ではあります。興行的には実に面倒な御仁で、絶好調の時には「神が降臨した」と絶賛される演奏をする反面、乗り気でない時は自分で自分の演奏がイヤになり、リサイタルの途中で棄権退場しちゃうこともある人でした。アル中だったせいかもしれませんが。 サンソン・フランソワと同じく気位は高いけれど、プロとしての安定性と貴公…

  • 国分寺トーク・ライブとデューク・エリントンの『イスファハン』

    先日(7月19日)国分寺のライブハウス「Art and Jazz M's」で、東京外大教授でジャズ・トランペッターの伊勢﨑賢治さんと現代イスラム研究センター理事長の宮田律のトーク・ライブがありました。 ジャーナリストや市民活動家、学者、評論家の有志が出資し「市民のためのネット放送局」というコンセプトで設立された『デモクラTV(http://dmcr.tv/)』主催のイベントで、司会はコピーライターで環境保護運動家、そして京都造形芸術大と東北芸術工科大の客員教授をでもあるマエキタミヤコ(前北美弥子)さんでした。 ハスキーボイスにも似た伊勢﨑さんのトランペットはもちろん、NGOや国連で紛争処理や武…

  • レッド・ツェッペリンのファースト・アルバム『Red Zeppelin I』

    1969年のことです。小学4年生だった音吉は、創刊されたばかりの『週刊少年チャンピオン』と、アポロ11号の月面着陸に首ったけの夏休みを過ごしていました。「夏休みの宿題は進んでるの?」 と、母親がやきもきしだした8月の中旬だったと思います。何気にテレビの電源を入れると、突然、これまでに音吉が聴いたことのない種類の音楽が居間いっぱいに鳴り響きました。画面にはブロンドの長髪をなびかせた男性がマイクのバーを斜めに倒して絶叫し、その脇で黒々とした長髪のギタリストがエレキギターをヴァイオリンの弓で弾いているじゃないですか。この二人だけじゃなくベーシストもドラマーも長髪だし、全員がパンタロンを穿いているし。…

  • ウイグル人と『ムカーム』

    音吉は20代の頃、紙媒体の仕事で生活していたんですが、ひょんなことから評論家先生や某有名誌の編集委員さんに誘われて、旧社会党の副委員長さんがリーダーを務めるマスコミ関係者の中国取材旅行に同行したことがあります。 その折に、ある音楽との鮮烈な出会いがありました。 音吉が担当した取材先のトルファンでのことです。カレーズという地下水道の取材を終えてホテルに戻った音吉は、ソファに座り、様々な種類のブドウが盛り付けられた籠を膝に乗せて口いっぱいにブドウを頬ばっていました。「ブドウって、こんなにたくさんの種類があって、味もそれぞれに違うんだ」 と感動しながら、窓の外に広がる緑豊かなブドウ畑を眺めていました…

  • タテタカコと映画『誰も知らない』

    今回は、音吉が結婚してからのお話です。 2004年のことです。当時、まだ小学生だった3人の子どもたちと一緒にDVDで映画を観ました。是枝裕和監督作品の『誰も知らない』です。 この映画は1988年にあった巣鴨子供置き去り事件という実話をもとにしています。シングルマザーが14歳の長男を頭に4人の我が子を残して家を出て行ってしまったという、いわゆるネグレクトですね。 母親は月に数万円の生活費を長男に渡し、家賃を支払い、時には様子を見に来ていたものの、長男が下の子ども達の面倒をみる保護者のいない暮らしは一年近くに及びました。その間に長男の遊び友達によって2歳の三女が暴行を受け死亡。保護された時には、コ…

  • J.S.バッハ『ブランデンブルグ協奏曲第3番』聴き比べ

    先だって、Facebookのお友達から、「聞き比べ楽しいですよね。指揮者別も面白いですよ」 というコメントを頂きました。まことにもってその通りだと思い、今回は規模の小さな合奏協奏曲で聴き比べをやってみたいと思います。 曲はJ.S.バッハのブランデンブルグ協奏曲から、いかにもドイツ的なムード漂う第3番ト長調 BWV1048を聴いてみましょう。 まずはバッハの演奏では定番中の定番ということで、カール・リヒター(Karl Richter, 1926 - 1981)指揮のミュンヘン・バッハ管弦楽団(Münchener Bach-Orchester)による演奏です。音吉と同じく牧師の息子として生まれたリ…

  • フィービ・スノウと『サンフランシスコ・ベイ・ブルース』

    高校生の頃から輸入盤を買う楽しみを知って、放課後や休日に音吉は友達とつるんでレコード店巡りをするようになりました。 初めは、同じレコードなら国内盤より輸入盤のほうが安く買えるからというのが理由だったんですが、じきに「日本で知られていないヤバいアーティストを発掘する」コンペを友達と競うようになりました。 輸入盤は大抵の場合、お店での試聴ができませんでした。そんなサービスをしていたらキリがありませんし、第一、ほとんどの輸入盤はラッピングされていましたから、聴きたかったら買うしかなかったんです。アーティストをスマホで検索することができる時代でもありませんでしたし。 では、どうやってレコードを選んでい…

  • リゲティと『2001年宇宙の旅』

    www.youtube.com スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick, 1928 - 1999)監督の名作『2001年宇宙の旅("2001:A Space Odyssey", 1968)』を音吉少年が観たのは小学3年生の夏休みでした。どこで観たのかはよく思い出せないのですが、たしか従兄に付き合ってもらって銀座に行ったと思います。 春先の日本公開直後に観たという友達の、「メチャクチャ面白かった」 という感想を聞いて以来、既に田舎に越して近所に映画館の「え」の字も無いような環境に放り込まれていた音吉は、夏休みの上京をジリジリと恋い焦がれる思いで待っていたんです。なので映画館に…

  • エンニオ・モリコーネと『ニュー・シネマ・パラダイス』

    www.youtube.com 7月6日に数々の映画音楽で親しまれたエンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone, 1928 - 2020)が亡くなりました。享年91歳でした。 音吉は『ニュー・シネマ・パラダイス("Nuovo cinema Paradiso", 1988)』や『マレーナ("Malèna", 2000)が大好きですが、古くは『夕陽のガンマン("Per qualche dollaro in piu", 1965)』のようないわゆるマカロニ(本当はスパゲッティ)・ウエスタンものから、最近では『鑑定士と顔のない依頼人("La migliore offerta", 2013)』…

  • ショパン『幻想即興曲』聴き比べ

    今日は、小学生の音吉が熱に浮かされたように聴いていたショパン(Frédéric François Chopin, 1810 - 1849)の作品から『幻想即興曲(即興曲第4番嬰ハ短調 作品66, Fantaisie-Impromptu)の聴き比べをしてみたいと思います。「同じ曲でしょ、じゃあ誰が弾いても一緒なんじゃない?」 そんな声が聞こえてきそうです。クラシック音楽に興味がなければ、楽譜通りに演奏するんだから、誰が演奏しても同じに聞こえるだろうと思うのは無理もないことです。 もちろん実際はそうではありません。論よりなんとやらで、早速、聴いてみてください。 ショパンの『幻想即興曲』は、「僕が死…

  • 西洋音楽と現代の日本人

    メシアンの音楽に初めて触れた頃のお話にも書きましたが、音吉少年は日曜の夜11時からNHK-FMで放送されていた『現代の音楽』を欠かさず聴いていました。 当時、番組を担当していた上浪渡さんのお喋りは、正直に言いますが好きではありませんでした。作曲者や曲のタイトルをフランス人ならフランス語風に、ドイツ人だったらドイツ語風に発音してみせたりすることに、子ども心にカチンときてたんです。 もうひとつの反発は、「知識の特権階級」的な優越感と、それゆえの言いたい放題が耳について嫌だったんです。ただ上浪さんの熱心なファンは今もいらっしゃるので言い訳をしておきますが、現代音楽の普及に上浪さんが果たした役割は大き…

  • カール・W・スターリングと『ルーニー・テューンズ』

    1963年のロードランナー・ショーです。 1943年の作品。エンディングがポーキーのバージョンです。 音吉の少年時代は、以前にアップした『トムとジェリー(Tom and Jerry)』はもちろん、『ルーニー・テューンズ(Looney Tunes)』なしでは語れません。とはいっても友達の間では少数派でしたが。 たしかNETテレビ(なんて名称を覚えてたら歳がバレますね。現テレビ朝日のことです)で放送されていたと思いますが、何はさておいても絶対に観たい番組でした。 間抜けなメロディを意味する『ルーニー・テューンズ』というタイトルは、1929年から1939年までディズニーが製作した短編アニメ映画『シリ…

  • ジュリエット・グレコと『パリの空の下』

    www.youtube.com 音吉少年にはお爺さんのお友達がいました。ピシェさんというフランス系カナダ人の神父様で、既に頭頂部に御髪はなく、丸眼鏡をちょんと鼻に乗せて上目遣いに人を見る癖のある小柄なお爺さんでした。お年の割には身のこなしが機敏で、白いリネンのシャツの袖をまくり、片手にじょうろを持ち、飛び回るように教会の花壇の世話をしていたのを今でも鮮やかに思い出します。 音吉に気付くと、少し身体をかしがせてお辞儀をし、「音吉さん、よく来てくれましたね!」 と、両手で音吉の手を包み込むように握手をしてくれました。 たいていはお三時の招待だったので、ピシェ神父様にとっては音吉の登場が休憩の印だっ…

  • クラフトワークの『Autobahn』

    www.youtube.com 高校受験の勉強たけなわの、中学3年生の夏休みのことでした。昼下がりに居間でゴロゴロしていたら電話がかかってきました。 ベルリン自由大学に留学していた従兄が一時帰国し、「遊びに来い」 とのお達し。音吉の母は、「音吉が受験生だってことは知ってるはずなのに、そんな子を遊び相手に呼び出すなんて!」 とおかんむりでしたが、音吉は内心、大喜びで、「兄ぃもさぁ、そんなに非常識じゃないでしょ。すぐに帰してくれるよ」 とポーカーフェイスで母をなだめて家を出たんですが、結論から言うと、従兄は非常識極まりませんでした。 従兄は自室に音吉を閉じ込めると、ドイツで買い込んだレコードを次か…

  • 古代ギリシャの楽譜と『セイキロスの碑文』

    www.youtube.com 音吉の父が持っていたクラシックの音楽全集。10巻は軽くあったかな。白いハードケースにレコードと立派な装丁の解説書が入っていて、クラシック音楽を体系的に聴くことができるという以外は版元も覚えていないんですが、たったひとつ、覚えていることがあります。 たしか中世以前の音楽という、やたらとざっくりした切り口で、グレゴリオ聖歌を中心にした構成の巻だったと思います。グレゴリオ聖歌に至る古代の旋法が具体例として何曲か選ばれていたんですが、中に不思議な音楽というか、当時の音吉には音の切れ端みたいに思える曲が入っていました。 『セイキロスの碑文(Seikilos epitaph…

  • 金延幸子とNHK少年ドラマシリーズ『とべたら本こ』テーマ曲

    小学2年生の時、音吉は都会から田舎の学校に転校しました。そこで待ち受けていたのは、豊かな自然でもなければ純朴な友達でもなく、壮絶な虐めでした。 それも小学校を卒業するまでの4年間です。3年生までは、チラホラとあった虐めを先生がカバーしてくれていたのですが、4年生から6年生まで続けて担任となった先生は、よほど音吉とウマが合わなかったのでしょうか。信じられないかもしれませんが、先生が虐めを容認し、時にはクラスを率いての虐めを行ったのです。クラスをまとめたがる先生で、当時大流行だったスポ根ものや青春ドラマの大好きな先生に、「先生は和とかクラス一丸とか言うけど、どうしてバラバラじゃいけないんですか?」…

  • 初めて買った現代音楽はメシアンの『アーメンの幻影』

    www.youtube.com 現代音楽と呼ばれるジャンルのレコードを音吉が初めて買ったのは小学5年生の時でした。 それまで熱に浮かされるようにショパンを聴いていた音吉でしたが、憧れのショパン弾きだったサンソン・フランソワ(Samson François, 1924 - 1970)が1970年10月22日に亡くなったのを機に魔法が解けたんでしょうか。音楽の関心が現代音楽にぐらりとシフトしたんです。 もちろん、きっかけもありました。NHK-FMで放送されていた「現代の音楽」という番組で、たしかNHKのディレクターで音楽評論家の上浪渡(1925 - 2003)さんが担当していた頃だったと思いますが…

  • ソノシートとショパン

    ディスク社の音楽雑誌『世界名曲シリーズ』第4集より レコード世代の方なら、たぶん「ソノシート(Sonosheet, [英] Flexi disc)」のことはご存知でしょう。ペラペラの塩化ビニール製レコードで色は様々。サイズはシングル盤と同じ17センチ(稀に8センチ盤もありました)で、ほとんどがモノラル盤で片面でした。「え、フォノシートとかシート・レコードって言わなかったっけ?」 そう思った方、大正解です。 ソノシートは、フランスのレコード・メーカーS.A.I.P.社によって1958年に開発されました。そして同年、S.A.I.P.と出版社のHachetteが共同で設立したSonopresse社は…

  • 向田邦子とNHKドラマ『阿修羅のごとく』テーマ曲

    www.youtube.com 音吉が大学生だった1981年8月のことです。 アルバイト先だった通信社でベルの音がオフィスに鳴り響きました。記事のタイトルに"urgent"の文字が打ち込まれた速報が流れると、決まってテレックスが鳴らすアラートでした。 速報は数分から数十分のスパンで入電したので、音吉のようなアルバイトがザッと目を通して「これは本当のアージェント」と思ったものをデスク(当務のボス)に渡し、それ以外はヒラの記者に渡すのが常でした。 昼前で猛烈な飢餓状態にあった音吉は、「これを整理したら昼飯に行かせてくださいよぉ。餓死寸前なんで」 なんてベタなお願いをデスクにしながら、いつものように…

カテゴリー一覧
商用