クローゼットの神様

クローゼットの神様

独り暮らしをしていた祖母が亡くなってから、2年が過ぎた。わたしは祖母が愛用していた赤茶色の洋服ダンスの前に立っている。すずらんが彫刻された観音開きの扉を開けると、祖母の服がまばらにつるされていた。この家をいつまでも空き家にしておけないし、わたしの独り