『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』考察 ※ネタバレあり
端的に申しまして、よく出来た映画でした!
ピーチ姫が、守られ助けてもらうだけのか弱いお姫様ではなく、自ら勇ましく戦うカッコイイ女性像に描かれていたり。 息つく暇もなくめまぐるしい、クライマックスの連続といった演出も、今風を意識して作られていると感じました。
昨今流行りのなろう小説では、装飾的な文章や描写などは極力カットされ、要点だけで話を繋げる書き方がウケているようですし、それに近いなと。 衰えたBBAの動体視力では、ちょっと疲れてしまったので、小休止シーンも欲しい所ですけどねw
私、この映画を観た後に何ともダークな気分になり、そういうことだったの……? と考え込んでたんです。 それで気になってネットでの評判や感想をググってみた所、誰も私のようには受け取っていない!?とショックを受けました😱 ならばここに、1人のひねくれ者(?)の解釈を残しておきたいと思い、今この文章を書いています。
約90分の鑑賞中、そこかしこでモヤモヤしていましたが、決定的だったのはラストシーンでした。
ブルックリンの街を守り抜いたマリオたちは、救世主として持てはやされ、大団円EDを迎えます。 が、その直後。 なぜか暗転し、真っ黒に染まる画面。 ポツンと現れたチコが、意味深なメッセージをつぶやきます。
「これでおしまいだなんて、出来すぎたお話だよね」 「後に残るのは闇だけ。せめてこのサックスを聴いて」
しばし独奏を経て、画面には再びマリオとルイージの、その後と思われし姿が映ります。 寝起きの二人は、ただ眠いだけなのか、他にも理由があるのか……? どこかくたびれた、疲労の残る表情でカフェを飲み干します。 それから互いの顔を見合わせ、気合を入れ直して、思い切ったように部屋を飛び出して行く。
飛び出した先に広がる世界は、一面のマリオワールド。 おなじみの障害物やブロック類が浮かんでいます。
あれ? 救ったはずのブルックリンの街は? たくさん居た街の人たちは? 大団円のラストシーンのはずなのに、一緒に戦ったピーチ姫や仲間たちの姿も見えません。 朗らかな雰囲気が漂っているのに、どことなく寂しい絵面のまま終わります。
この付近で、私が感じていたモヤモヤは自分勝手な確信へと変わっていったのでした。 ブルックリンの街は、とっくに滅んでしまったのかもしれない、と。 街の人たちも、そしてマリオとルイージも。
思
2023/05/14 03:41