若宗匠の懐刀(総+つく)前篇

若宗匠の懐刀(総+つく)前篇

私がお仕えする西門流の若宗匠は、半端なくモテる。想像を絶するほどのモテ具合なのだ。何せ若宗匠は、美形でスタイル抜群で頭脳明晰でお金持ちで家柄も良くて愛想も良い。だから当然、女性陣が放っておかない。ワンナイトラブでもいいからお相手願おうと、女性達が若宗匠の周りをウロウロする。となれば、どうなるかは火を見るより明らか。据え膳食わぬは男の恥とばかりに、アッチへフラフラ、コッチへフラフラとして日に日に女遊びが激しくなっていく。そしてある日の事、ついに若宗匠はやらかしてしまう。大事な茶会を翌日に控え、事もあろうに夜の街へと繰りだしてしまったのだ。流石にこれはマズい。こんな事が家元にバレたら、叱責を浴びるだけではなく三日三晩、説教を喰らう羽目になるだろう。若宗匠も、若宗匠のお目付け役である私も。まあ、それだけで済むのならま...若宗匠の懐刀(総+つく)前篇