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世界の片隅の部屋で 静かに何かを待っている 昨日も今日もおそらく明日も 性懲りもなくひたすら堂々 それは無気力怠惰による静止 生きたまま死んでいる状態 窓の外に広がる景色は 一秒たりとも移ろいを止めないのに 河川敷の奥に浮かぶ町並み あちらは此岸、こちらは彼岸か 一見にして秩序立つ様相だが、 一瞥くれるなどただの狭窄状態 裏庭には青く、美しく、トリカブトもあるだろう 素知らぬ顔で、川沿いで無邪気にはしゃぐ子ども 笑い声は大空に吸い込まれる カーテンの隙間からそよぐ風だけが頼りの舟乗り 故郷の米菓子みやげに一つもって 非現実の国を目指して進む 共生ダイヤを外れた先の 醜く、暗く、みすぼらしいとこ…
2020/05/03 22:03