青い空
ブラりと散歩に出掛けた。いつもと違う方角へ特に目的もなく進んでみたりする。 途中、竹藪の中に古びれた神社を見つけた。もう随分と手入れがされていない様子で、狛犬なんかは右側の方がどこかへ行ってしまったのか、台座だけが残されていた。 本堂前の階段に腰掛けボーッとする。会社から連絡がないのをいいことに連絡を怠っていたり、かと言って辞める旨を伝えるのもなんだか出来ないでいる。 「なんだかもう疲れたな…。」と、他人行儀な言葉が口から溢れた。「いい歳して何やってんだか」誰でもない自分に対して。空は気が狂いそうなほど青かった。 「空が青いなー」「そうですね」なんとなく出した声に狛犬が答えた。 「君はひとりか…
2020/03/25 10:46