不幸犬ロペのお話④ ~~最終~~
そして避けることのできない時間が訪れました。 大好きだったチーズを差し出しても鼻先すら動かなくなり、ただ呼吸だけは浅く速くなって行きました。 そして最後に、この世の思い出を吐き出すかのごとく「はあ」と大きな呼気をしてロペの犬生は幕を閉じたのです。 それは深夜の出来事だったので、翌朝白い布を被され段ボールに横たわるロペを発見した子供達が妻に質問します。 「どうしたの?」 妻はあれこれと説明を始めますが、途中で胸が一杯になり号泣してしまいます。 最後扱い悪すぎだし、死ぬこと自体は不幸な事ではあるけど天寿だったし、死ぬことの意味とか学べる機会だし、子の情操教育の良い機会かな? なんて思いながらボーッ…
2020/05/25 18:19