父の死③
病棟に辿り着くと、肩を落とした母がぽつんと待合室に座っていました。こんなに母は小かっただろうか?「父危篤」という超イレギュラー事態なのに、第一に思い浮かべたのはそんなこと。若い頃は結構な切れキャラ且つ教育ママで、しょっちゅう私と喧嘩していたような人だったのに、視線を落として所在なげに座る様は別人のようで戸惑ってしまいました。私達に気付くと、「来てくれて良かった〜。意識が戻ったよ」泣きながら話す母に、何もうまい言葉が見つからず、「大丈夫!大丈夫だよ」と繰り返すことしかできません。意識が戻ったなら、面会ができるかどうか、峠は越えたのかどうか、病状から今後はどうしていくのが良いか、色々と医師に確認しようと思い立ち上がると、看護士さんに声を掛けられました。「娘さんですか?お話したい事があるので、こちらへどうぞ」小...父の死③
2022/09/24 14:21