【連載記事 サウスウエスト航空】 航空業界の異端児#03 不可能を可能にする「奥義10分間ターン」
前回の記事でも書いたように、サウスウエスト航空はB737という1種類の機種しか保有していません。運航する機種を1機種に絞ることでメンテナンスや運航管理に掛かるコストを減らすことが出来るメリットはあるものの、乗客数が増えたときの対応には課題が残ります。では、サウスウエスト航空はどのようにこの課題を解決していったのでしょうか? 乗客数が増えた際の航空会社の対応 では、まずは通常乗客数が増えた場合に航空会社はどのような対応をするのかを考えてみましょう。まず考えられる対策としては機種の大型化です。大型の機種に変えればそれだけ座席数も増えて多くの乗客を乗せることが出来るようになります。 内山:「だけど、サウスウエスト航空は大型機を持っていないですよね?」 そうです。ですから、乗客数の増加に対応するためには運航する便数を増やさなければなりません。ただ、そうなってくると増便した分だけ、より多くの機体が必要になります。ということは、それだけ機体の購入コストや管理コストが増えるわけです。 内山:「普通はそうなりますよね。だから、B737を何機も運用するよりも大型機を1機運用した方が有利な気がするんですけど…」 普通に機体を運用したらそうなります。だけど、もし機体を増やさずに増便出来たらどうなるでしょう?普通に考えたらそんなことは無理だと考えます。しかし、サウスウエスト航空は普通の会社ではありません。航空業界の常識とはかけ離れたことをやってのけました。 10分間ターン 内山:「何をしたんですか?」 岡崎:「10分間ターンだよ」 内山:「10分間ターン?何ですかそれ??10分で機体を180度回転させるってことですか???」 岡崎:「そうそう。サウスウエストのスタッフは10分で機体の頭とお尻を反対にすることが…。って、違うわ!」 ベタなノリ突っ込みでしたね…。冗談はさておき、10分間ターンとは文字通り飛行機を10分で折り返し運転させることです。飛行機が到着して10分間でまた出発するから10分間ターンです。 空港に行って飛行機の発着の様子を観察していると分かりますが、飛行機が到着してから再び出発するためには結構時間が掛かります。 岡崎:「出発ゲートで待ってると『飛行機はあるのに何ですぐ飛ばないんだ?』って思うことあるな」 なぜそんなに時間が掛かるのかというと、飛行機の到着から出発までの間には
2019/12/04 16:03