chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
歯医者の豆知識 https://blue10.hatenablog.com/

東京都で歯科医師をしている3児のパパです。 日常の診療の中で患者さんからの疑問・質問を中心に記事にしてみました。 歯科についてのよくわからないことをわかっていただき読者の方お役に立てれば嬉しいです。

Blue10
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2019/08/30

arrow_drop_down
  • 身元確認は歯が有効?

    テレビでニュースを見ていて「歯型などから遺体の身元を確認しました」ということを聞いたことがある人がいるのではないでしょうか。もちろん歯型を確認するのは警察ではなく歯科医師です。身元不明の遺体が発見されると警察から歯科医師会に歯型の確認の依頼がきます。誰なのか解っているが確定するために行う場合はその人の歯科診療のカルテが用意されています。これは警察が歯科医院を訪れカルテや写真などの資料を集めてたものです。全く誰だかわからないときは歯科医師が確認した治療の跡などから歯科医院を回って同じ治療をした人がいないかを探します。一度診療所に警察の方が写真とレントゲンを持って何年何月の時点でこのような口の中の…

  • TCHとはなにか?

    最近テレビで咬み合わせについていの特集をやっているのを見ることがあります。このブログでも咬み合わせについての記事をいくつか書いています。この咬み合わせのことを歯科用語でTCH(Tooth Contacting Habit)いいます。日本語では歯列接触癖といいます。その名の通りTCHは上下の歯が接触しているだけで一般的な食いしばりのイメージとは違います。また無意識にしていることなので基本的に自分で気づくことはありません。気づかないまま長時間上下の歯を接触させていると歯は疲れてしまします。TCHは顎関節症、知覚過敏、歯の破折、詰め物の脱離、歯周病、咬合痛、肩こり、頭痛場合によってはめまいなどの症状…

  • 歯科で使う金属でも金属アレルギーは起こるのか?

    金属アレルギーとはイオン化した金属に対して体が過剰に反応してさまざまな症状を引き起こすことです。女性はネックレスやピアスなどのアクセサリーで起こることが多いと思います。歯科で使う金属は大丈夫なのかということを聞かれることがありますが、もちろん歯科の金属でも金属アレルギーは起こります。ただ歯科で使う金属は基本的に貴金属なので金属アレルギーは比較的起こりにくいです。症状は金属と触れている舌や唇、頬の粘膜のただれなどの他にも全身の皮膚に現れることもあります。金属アレルギーが疑われる人はまず皮膚科でパッチテストを行ってもらいます。そこでどの金属にアレルギーがあるのかをはっきりさせ、その結果で歯科で金属…

  • 金属の被せものはどのように作られているのか?

    歯医者で治療をして金属の被せものや詰め物をしている人は少なくないと思います。型取りをしたあとどのようにして作られるか簡単に説明します。まず型取りをしたものに歯科医院で石膏を流し込み模型を作ります。この模型を技工士さんが毎日取りに来るか郵送で届けます。模型を受け取った技工士さんはまず模型を調整して作業しやすいようにします。その模型上でワックスといってロウソクのロウのような材料を使って金属になる被せものや詰め物の形を作ります。ここが技工士さんの腕の見せどころです。出来上がったワックスを模型から取り外して特殊な石膏の中に埋め込みます。この石膏を歯科用の炉の中に入れてワックスを蒸発させ、石膏の中にワッ…

  • 歯科で虐待を発見することがある?

    最近テレビで毎日のように乳幼児の虐待につい放送されているのを見ます。3児の父親としては本当に信じられないことだと思います。その虐待を歯医者が発見することがあるということで、年に何回か虐待(ネグレクト)についての研修を受けます。特に学校歯科医は研修を受ける義務があります。虐待とは暴力をふるったり、食事を与えないということだけでなく適切な医療を受けさせないということも含まれます。一見しっかりしていそうな親でも子どもの口の中を見るとボロボロのひどい状態になっていて家の中では育児放棄してしまっていることがあります。そのような場合歯医者以外が気づいて発見するのは難しと思います。行政でも歯科医師会でも虐待…

  • 歯周病は防ぐことができない?

    前回はむし歯の予防について書きましたが、その話を聞いた公演の中で歯周病についても興味深い話がありました。歯を磨く習慣があまりなかった数十年前と現在でむし歯の数が増えているということを前回書きましたが、同時に歯周病についてのデータもとってありました。そしてその結果はむし歯と同様に現在のほうが歯周病にかかっている人の割合が多いのです。その理由として8020達成率が50%を超えていることからわかるように高齢者の歯が多く残っているということが挙げられます。以前は多くの人が歯周病で歯を失っており、全ての歯を失った人は歯周病ではなくなります。そのため高齢者の歯周病が減っていくということは納得がいきますが、…

  • 歯ブラシをしてもむし歯は防げない?

    前回の記事でおやつをやめてもむし歯の予防にはならないということを書きましたがこの記事ではさらに衝撃を受けたことを書きます。みなさんはむし歯にならないように毎日数回歯を磨いていると思います。実はその歯磨きはむし歯の予防になっていないということなのです。この話を聞いたときに会場にいた歯科医師の先生たちは「えっ!?」となっていました。普段から当たり前のようにむし歯にならないように歯をしっか磨きましょうと指導しているからです。日本人の過去50年間の歯ブラシの状況を集計すると現在は歯ブラシを1日に2回以上する人が大多数ですが、以前は1回以下という人が大半を占めていました。もし歯ブラシがむし歯の予防に効果…

  • おやつを減らせばむし歯は防げるのか?

    「むし歯になるからおやつをやめなさい」という言葉を聞いたり、実際に言ったことがある人もいるのではないでしょうか。多くの人が知っているようにむし歯の原因菌であるミュータンスは砂糖をエネルギーとして使うと同時に酸を作り出します。この酸によって歯が溶かされるとむし歯になります。つまり酸の原料となる砂糖の摂取を減らせばむし歯の予防になるということです、というのが今までの常識だったのですが実はそうではないということがわかってきたそうです。砂糖の摂取量が年間15kgを超えると摂取量を減らしてもむし歯のリスクを下げることはできないそうです。つまり砂糖の年間摂取量を15kg以下にしないといけないということだそ…

  • 歯医者は儲かるのか?

    歯医者の治療費のことを書いた記事で少し触れたのですが、歯医者は儲かるのかというのが気になる人もいると思います。答えは歯医者によりけりということになります・・・。儲かっている歯科医院もあれば経営の厳しい歯科医院もあります。ここでは平均的な歯科医院のことを書きます。歯科医院の毎月の収入の中央値は300万円だそうです。ものすごく儲かっている歯科医院があるため平均値となるともう少し引き上げられてしまいます。中央値とは一番多いところの数値です。この300万円がそのまま給料になるのではなく、ここから家賃、人件費、技工代、材料代、光熱費、機材のリース代、修繕や機材入れ替えのための積立などの諸経費が引かれます…

  • どうしたら歯科医師になれるのか?

    学校歯科医を担当している中学校の講話をしていると、どのようにすれば歯科医師になれますか?ということを生徒から聞かれることがあります。簡単に答えると高校までは普通の勉強を頑張って歯科大学や大学の歯学部に入って6年間勉強して国家試験に合格すれば歯科医師になれます。まず最初の難関は歯科大学・歯学部に入ることです。偏差値をみると私立大学では50前後とそこまで高くありません。ただその偏差値はあまりあてにしないほうがいいと思います。入試の倍率は大学にも寄りますが10倍近くあるということも珍しくありません。10人受けて1人しか合格しないということです。なんとか大学に入っても6年間厳しい勉強を乗り越えなくては…

  • 歯科の治療費はなぜ高いのか?

    いろいろなお医者さんにかかっていると歯医者の治療費は他に比べて高いと感じる人がいると思います。そのため歯医者はお金持ちだと巷で言われることが多いです。実際に歯科治療でかかる費用はほかのお医者さんに比べて高いと思います。お医者さんでは診査・診断をした後に薬を出して終わりということが珍しくありません。歯科では基本的に診査・診断をした後に何かしらの処置をするので処置の費用がかかります。また銀歯や入れ歯などを作るとその費用がかかります。これが金額がかかる一番の原因だと思います。型取りをしたものを技工所に送って作製してもらうのですがその費用と材料代がかなり高いです。入れ歯、銀歯を入れるときに得られる収入…

  • 高血圧と歯科治療にはどのような関係がああるか?

    超高齢社会となった今基礎疾患を抱える人がとても多くなっています。中でも高血圧で薬を飲んでいる人はとても多いです。実はこの高血圧と歯科には関係があるのです。想像しやすいのは外科処置をしたときの出血です。高血圧という病気は血管の内圧が高まるので外科処置をしたときの出血が多くなり止血が困難になるこことがあります。また、もともと高い血圧が歯科医院という緊張する空間で、外科処置という緊張する処置をするとさらに高まることがあります。あまりに高くなると命に関わる重篤な症状がでることもあるのでその日の様子で処置を中止することもあります。ここまではなんとなく想像できたと思いますが実は他にも関係があります。それは…

  • 歯石にはタイプがある?

    歯石というと歯茎に悪さをするものだということはわかると思います。ただその歯石には大きく分けて2つのタイプがあることを知らない人が多いのではないでしょうか。一つは下の前歯の裏を中心に付く歯石で歯茎の上や歯と歯の間を埋めるように付くクリーム色のものです。このタイプの歯石は見た目が良くないのですが歯茎に悪さをしにくいものです。歯石というのは細菌が石灰化したものでそれ自体が悪さをするものではありません。その表面がザラザラしており細菌の住処になるということに問題があります。歯茎の上に乗っていたり歯と歯の間にある歯石はかなり大きくならなければ歯茎に悪さはほとんどしません。またついたとしてもこのタイプの歯石…

  • がんの治療は口腔内にどのような影響があるのか?

    現在がんの治療で抗がん剤を使用している人が多くいますが、薬が良くなっていてその多くが通院で行われています。ただ副作用がなくなったわけではないので倦怠感や脱毛などの症状はほとんどの人に出るといっていいと思います。歯科の領域では口内炎が多発するということがあります。また気持ち悪くて歯磨きができず口の中の環境が悪くなってしまう人もいます。口の中に出る症状を少しでも減らすためにはとにかく口の中をきれいにしておくことです。口の中をきれいにしておくと抗がん剤使用による口内炎を軽減できるということがわかっています。抗がん剤を使用することになった人には始める前と使用後体調が少し良くなったら受診して口腔内のクリ…

  • 金歯はおしゃれだった?

    みなさの中でおばあさんの前歯に金の被せものをしているのを見たことのある人がいるのではないでしょうか。咬み合せの力がかからない前歯の表面に金を使うのはあまり意味のないことだし現在では見た目が良くないので入れる人はまずいません。ではなぜ前歯に金を入れていたのでしょうか。なぜおじいさんではなくおばあさんに多いのでしょうか。簡単に答えると当時の女性の流行りだったからです。ただ現在のおしゃれとは少し違う事情がありました。何が違うかというと金歯はその家の経済力を表すものと考えられていた時代があったのです。金歯が入っていない女性の家は貧しい家庭で、そんな家の娘と結婚するのは恥ずかしいというような風潮があった…

  • 総入れ歯はよく噛める?

    入れ歯を入れている人に「残っている歯の調子が良くないし見た目も良くないから全部抜いて総入れ歯にしたい。知り合いの総入れ歯の人は見た目もきれいだし良く咬めると言っていた」と言われることがよくあります。もちろんいきなり総入れ歯を入れて上手く使いこなし良く噛める人がいるのは事実です。ただほとんどの総入れ歯の人は小さい入れ歯から始まり、歯が抜けるたびにだんだん大きな入れ歯に作り直して最終的に総入れ歯になっています。少しずつ大きな入れ歯に馴染みながら大きな入れ歯の使い方を習得しているのです。総入れ歯はよく噛める、の裏側には長い時間かけて入れ歯の使い方を練習したということがあります。ただほかの人に話すとき…

  • 風邪をひくと歯が痛くなることがある?

    花粉症や風邪が流行る時期に上の奥歯が痛いという症状の人が少し増えます。これは鼻の周囲の骨の中にある副鼻腔という空洞の中の炎症である副鼻腔炎を起こす人が増えるからです。副鼻腔炎は主に鼻づまりが原因で起こるのですが、中でも上顎洞という空洞が比較的速く症状が出始めます。上顎洞のほかに3つの副鼻腔がありますがそちらに広がると重症となります。上顎洞は鼻の両側の頬骨の中にある12~15ml程度の空洞です。この空洞の形態は人それそれで奥歯の根がすぐ近くにあったり、奥歯の根が上顎洞に突き出している人もいます。このような人が上顎洞炎を起こすと歯の痛みを感じることがあります。症状としては上顎洞を圧迫すると痛い、咬…

  • ホワイトニングとはどのようなものか?

    芸能人の白い歯に憧れてホワイトニングをして白くして欲しい、最近鏡をよく見たら黄ばんだ感じがするのでホワイトニングをして欲しい、茶渋やタバコのヤニが付いたのでホワイトニングして欲しいとさまざまな理由でホワイトニングを希望する人がいます。まず芸能人の異様な歯の白さは基本的に被せものなのでホワイトニングをしても同じような白さになることはありません。また茶渋やタバコのヤニは歯の表面に付いた着色なのでクリーニングすればきれいになります。白くなるからホワイトニングと思われやすいですが別のものです。ではホワイトニングとはどのようなものなのでしょうか。歯科医院で行うホワイトニングとは薬を歯の中に浸透させて漂白…

  • 入れ歯を入れればだれでも咬めるようになるのか?

    訪問診療をしていると家族の方から「寝たきりになってから入れ歯が合わなくなったみたいで上手く咬めていないようです、ヘルパーさんに歯医者に新しく作ってもらうように言われました」というような依頼があります。本当に入れ歯が合わなくなっていて作り直しが必要なこともありますが、実際は当たって傷ができたり、なんともなくただ緩いだけということが多いです。そのような人に話を聞くと義歯を作って10年、場合によっては20年も経っている人がとても多いです。そんなに長い間使っていたものが急に合わなくなるということはそうそう起こることではありません。では何が原因なのでしょうか。全てに当てはまるわけではありませんが寝たきり…

  • 歯を抜いたところには差し歯を入れる?

    記事のタイトルを見ておかしいと思う人が多いと思いますが、その人たちは正解です。ただ診療をしていると意外と理解されていないことだということが分かりました。特に多いのが抜かなくてはいけない歯があるときの説明をしているときに「歯を抜いてしまったらそこに差し歯を入れるんですか」と質問されることです。ほかにも「今日はブリッジを入れ忘れて家に置いてきてしまった」「ブリッジが合わないので作り直して欲しい」ということも度々あります。この記事では差し歯、被せ物、詰め物、ブリッジ、入れ歯、インプラントとはどのようなものか説明します。 被せ物:歯をぐるっと削って全体に被せるように入れるものです。神経を残したまま被せ…

  • シーラントはしたほうが良いのか?

    みなさんの中にはシーラントという言葉を聞いたことのある人がいると思います。シーラントとはむし歯になる前に歯の溝を詰め物で埋めてしまうというものです。主に生えたばかりで、むし歯になりやすい奥歯にされます。埋めてしまえば溝に汚れがたまらなくなりむし歯になるのを防ぐことができます。溝を埋めるだけなので歯と歯の間のむし歯を防ぐことはできないので安心してはいけません。ただ溝のむし歯だけでも防げるのならやった方がいいと感じる人が多いと思います。ではなぜ全ての子供にシーラントをしないのでしょうか。実はシーラントをすることによって逆にむし歯を作ってしまうことがあるからです。前述したように生えたての歯は未成熟で…

  • 唇の裏の筋が長いと言われたが大丈夫なのか?

    お子さんがいる方の中には歯科検診などで、上唇の裏の筋が長いですね、とか舌の裏の筋が長いですね。などと言われたことがある人もいるのではないでしょうか。これは上唇小帯(じょうしんしょうたい)、舌小帯(ぜつしょうたい)と呼ばれるものでありこれが長いと唇や舌の動きに影響が出ることがあります。また上の前歯がいわゆる「すきっ歯」になってしまう可能性があります。それぞれ治療する時期は異なり舌小帯は構音期といって言葉をしゃべる始める前に切除するのが望ましいとされています。舌が上手く動かないまま喋り始めると舌っ足らずになっしまいます。大きくなってから切除しても舌っ足らずは治らないことがあるし、治すにおトレーニン…

  • 型取りが気持ち悪いのはどうにかならないのか?

    歯科医院で治療を受けたときにピンクの粘土のようなもので歯の型取りをした経験がある人は多いのではないでしょうか。中にはそれが苦手でいつも「おえっ」となってしまう人がいると思います。これは嘔吐反射と呼ばれるもので自分でコントロールすることはできません。喉の奥に異物が入ってきたときに飲み込まないようにする防御反応が過剰に出たものです。嘔吐反射がある人の治療は大変で歯科医師も苦労することがあります。対応としては形取りの前に喉に表面麻酔をしたり、型取りの材料をぬるま湯で練って固まるのを早くしたり、形取りが入っている間は下向かせていろいろと話しかけたりします。苦しい思いをしてるのに何で話しかけてくるんだ!…

  • かみ合わせは全身にどのような影響を及ぼすのか?

    咬み合わせが悪いと体も歪んだり全身に影響が出るということを聞いたことがある人は多いと思います。それを実感することができた患者さんがいたので少し書いてみます。現在は良くなって治療は終了し定期検診だけになっているのですが原因がわからず良くなった症状もあり不思議な経験をしました。 初診は左下の奥歯が昨日から咬むと痛いということでした。我慢できないほどでもなくその痛みに緊急性はなさそうだったのですが、その顔貌と喋ったときの顎の動きを見ると明らかに左の顎が外れているのです。口の中を見る前にそのことを伝えると今まで一度もそんなことを言われたことはないと驚いていました。当然のことですよね・・・。ただ外れた状…

  • マウスピースとはどのようなものか?

    マウスピースという言葉を聞いたことがある人は多いと思います。種類によってマウスガード、ナイトガード、スプリントなどと呼ばれることもあります。ではどのような種類のものがあるのでしょうか。 ・寝るときに使う夜寝ているときに歯ぎしりをしているようで朝になると顎が疲れた感じがする、顎が痛い、症状はないけど歯科医院で食いしばりを指摘されたりした人に推奨されるのが寝るときにつけるマウスピースです。プラスチックのような硬い素材のもので作るのが基本です。これをつけていれば食いしばりをしても歯と歯が接触することはなくマウスピースが力を緩衝してくれます。またマウスピースの厚さの分かみ合わせが高くなると咬む力を入れ…

  • 学校歯科医はどのような仕事をしているのか?

    小学校以上のお子さんがいる人は学校の歯科検診の結果の用紙を見たことがあると思います。そこでむし歯のあるなしで一喜一憂した人も多いのではないでしょうか。実はむし歯なしという結果であっても安心してはいけないのです。なぜなら学校歯科検診は過酷な環境で行われるため確定診断をすることができないからです。学校歯科検診はスクリーニングであり歯科医院にすぐに受診したほうがいいのかしなくていいのかのふるい分けをするためのものです。そのため用紙を持って歯科医院に受診したら検診結果と違うことを言われた、という保護者からのクレームが入ってもスクリーニングなのでご理解ください、と答えるしかないのです。最近では歯科検診の…

  • かかりつけ歯科医院とは何か?

    みなさんの中で歯科に関するアンケートを答えたときに、かかりつけの歯科医院はありますか?という設問を見たことがある人がいるのではないでしょうか。このかかりつけ歯科医院というものがどのようなものを言うのかはっきり理解している人が少ないと感じています。なぜかというとそのアンケートの中に、過去1年以内に定期検診をしてもらいましたか?1年以内に歯石の除去をしてもらいましたか?という設問があることが多いのですが。かかりつけ歯科医院があれば基本的には「はい」にマルがつくはずです。かかりつけ歯科医院があると答えたにも関わらずこの設問に「いいえ」が付いている人は、かかりつけ歯科医院があるのではなく、行きつけの歯…

  • 歯科医師会とはどのような組織なのか?

    歯科医師が入っている歯科医師会という組織はどのようなものでどのような活動をしているのでしょうか。もちろん活動は幅広くすべて説明することはできませんが基本的には国民の口の中の健康を守ることにより元気に生活できるようにするということを目指して活動しています。歯科医師会には大きなものから日本歯科医師会、都道府県歯科医師会、市区町村や地域の歯科医師会とあり基本的には全てに所属することになります。そのため歯科診療に関する全国の情報を得ることができます。歯科医師会は属する地域で高齢者、障害者、小児など困ったことがあれば相談の窓口となります。個人だけでなく団体や施設、行政からの相談を受けることもあります。ほ…

  • 咬めば咬むほどいいのか?

    よく咬むことで認知症を予防できるということは多くの人が知っていることなのですが、少し勘違いしている人も中にはいるようです。「歯と脳は神経で繋がっているからドンドン歯を使って脳を刺激すれば認知症にならないから痛くても頑張って咬んでる」という人がいます。もちろん神経はたどって行けば脳に繋がっているかもしれませんが、神経が刺激されて脳の活動が活発になるのではなく良く咬んで顎を動かすと脳の血流量が増えることで脳が活発に活動するということがわかっています。 つまり歯だけではなく口の周り全体の組織から刺激が伝わるということです。実は解っているのは脳の血流量が増えるということだけで認知症の予防になるというこ…

  • 洗口液は効果があるのか?

    CMなどでよく見かける洗口液には効果があるのかという質問をされますが、ある程度の効果はあると思います。CMでは歯垢と思われるよな汚れが洗口液により洗い流されていますがそのような効果はないと思ってください。基本的に効果を発揮させるためにはまず歯ブラシでしっかり汚れを落としてからうがいをするというのが大切です。ただ中には歯ブラシ前にうがいをしてそのまま磨くという使い方をするものもあります。洗口液を適切に使うと歯茎の炎症がよくなる、歯石が付きにくくなるということは間違いないと経験から感じています。また商品の効能には書かれていないのですが口内炎、口の中の傷、義歯が触れることによる粘膜の炎症にも効果があ…

  • 唾液はどのような働きをしているのか?

    口の中を潤わせている唾液ですがどのような役割を果たしているのでしょうか。唾液は1日に約1.5L作られておりその成分は99%以上が水分となっています。その働きはを簡単に書いてみます。 1.自浄作用-唾液の流れによって汚れが洗い流されて口の中をきれいにしてくれています。唾液が出なくなりこの働きが失われると汚れが停滞し、むし歯や歯周病になりやすくなります。 2.抗菌作用-唾液の中には抗菌物質が含まれており口の中の細菌が増えるのを抑えてくれています。唾液が出なくなると口の中の菌が異常に増えたり外から入ってきた最近と戦うことができず体に悪影響を及ぼします。 3.緩衝作用-口の中はpH7.4程度の弱アルカ…

  • 気になる口臭は大丈夫?

    人と近くで話をしていて相手の口の匂いが気になったことがある人は多いと思います。またそのとき自分の口臭は大丈夫か心配になった人もいると思います。口臭の原因にはいろいろなものがあり歯科だけでは対応できないことがあります。代表できなものに消化器特に胃の疾患がある場合、副鼻腔炎いわゆる蓄膿症などがあります。これは内科や耳鼻科が専門になります。このような場合はまず、おなかや鼻に症状が出るため医科に受診し改善させてしまうため口臭を主訴に歯科に受診することはほとんどありません。ほかにも起床時や匂いのあるものを食べたときに、女性に多いのですがホルモンバランスの変化で口臭が出ることがありますがこれに関しては特に…

  • 抜歯になる原因は何か?

    皆さんは抜歯の原因というと何を思い浮かべるでしょか。多くの人はむし歯、歯周病を思い浮かべると思います。実際日本ではむし歯と歯周病で抜歯の原因の8割以上を占めています。では歯科先進国である北欧スウェーデンではどうでしょうか。驚くことにむし歯と歯周病を合わせても抜歯の原因の約1割程度と言われています。むし歯も歯周病もほとんどない社会になっていると言えるでしょう。ここで歯を抜く原因は一体何なのだろうという疑問が出てくると思います。スウェーデンでの抜歯の原因は6割以上が歯の破折だそうです。スウェーデンでは平均寿命は81.7歳とかなりの長寿国となっています。むし歯も歯周病もなく長寿国となれば高齢者の口の…

  • 妊娠中に歯科治療はできるか?

    妊娠中に歯の治療はできるのかというと基本的にはできます。ただ大きな外科処置は抗生剤や痛み止めが必要になることがあるので緊急でなければなるべくしないようにしています。いわゆる安定期に行うのがおすすめとされていますがもちろん初期でも臨月に入っていても可能です。また安定期と言っても普通の人と同じように対応していいというわけではなく母体と胎児に負担が掛からないように細心の注意を払う必要があります。余談ですが医科では細心の注意が必要なため妊婦加算というものがあり妊婦さんは3割負担の人だと数百円多くかかります。歯科では細心の注意をしながら治療しますが妊婦加算が認められていないためかかりません。 妊娠すると…

  • 血液サラサラの薬は歯科治療に影響があるか?

    基礎疾患と歯科治療について書いてきたのでもう一つ続けで書きたいと思います。心筋梗塞や脳梗塞、心臓弁の疾患など循環器系の疾患で血液サラサラの薬を飲んでいる人が少なくありません。そんな人たちが注意しなくてはいけないのが抜歯などの外科処置をしたときの止血です。もちろん患者さんは抜歯後の注意を守るだけで注意するのは歯科医師です。血液サラサラの薬を飲んでいるひとが抜歯が必要になったらどのように抜いていくか計画を立てます。なるべく出血が少なくなるように炎症を抑えながら、なるべく狭い範囲の処置で済むように工夫をします。必要であれば処方したお医者さんと連絡をとって薬を止めてもらうこともあります。ただお医者さん…

  • 糖尿病と歯科治療に関係はあるか?

    糖尿病と聞くと皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。読んで字のごとくおしっこに糖分が出てしまう病気なのはわかると思うのですが詳しくわからない人もいると思います。詳しく説明すると難しくて長くなってしまうので本当に簡単に歯科治療に関わることを書いてみます。糖尿病とは体の細胞が糖分をエネルギーとして使うことができなくなってしまう病気で体中に糖分があまってしまうようになります。余ったものを処理しきれずに本来出てこないおしっこにまで糖分が出てしまいます。血管内に溜まった糖分で赤血球も砂糖漬けになってしまします。どろどろになって循環器系に悪そうな感じがイメージ出来ると思います。歯科治療で問題になる…

  • 現在骨粗鬆症で薬を飲んでいる人はかなり多くなっています。特に60歳以降の女性は骨粗鬆症になりやすくその大半を占めます。骨粗鬆症で歯は溶ける?の記事で少し書きましたが骨粗鬆症で歯は溶けませんが歯を支える骨を弱らせる可能性はあります。 骨粗鬆症で歯は溶ける? - 歯医者の豆知識 骨粗鬆症の治療薬でビスホスホネートという系統の飲んでいる人はほかにも歯科治療で注意しなくてはならないことがあります。それは歯を抜いたりする外科治療です。ビスホスホネートを飲んでいる人は骨の治りが悪くなることがあり場合によっては骨髄炎を起こすことがあります。頻度は決して高いものではありませんがこれを起こすと普通の骨髄炎よりも…

  • かんでいる時間はどのくらいあるのか?

    今この記事を読みながらみなさんの上の歯と下の歯はどうなっているでしょうか。上の歯と下の歯が触っているか離れているか確認してみてください。触っている人と離れている人がいると思いますがどちらが正解なのでしょうか。実は離れているのが正解です。正常な顎の位置の人は上の歯と下の歯は食事のとき以外離れているのです。3食食事をすると上下の歯の接触時間は合計17分程度と言われています。つまり17分以上上下の歯が触れている人は余計な負担をかけてしまっていることになります。もともと人間の体は歯を守るために20秒以上上下の歯を合わせていると強い違和感が出るようにできています。ただ時間をかけて咬み合せる癖をつけてしま…

  • セカンドオピニオンはしてもいいのか?

    セカンドオピニオンとは最初にかかった先生とは別の先生に診てもらって診断や方針があっているか、またもっといい別の治療法がないかの意見を聞くことです。以前はセカンドオピニオンをしたいと言うと信用されていないと思い機嫌が悪くなる先生もいたようですが現在はそのようなことは少なくなっていると思います。 セカンドオピニオンは患者さんの当然の権利でありそれを妨げるような態度をとってはいけないと思います。当院ではセカンドオピニオンの申し出があったときは必要であればレントゲンなどの検査資料や手紙を書いて渡すようにしています。次に行く病院はその分野に長けている先生を紹介したり、患者さん自身で決めていただいたり様々…

  • すぐ抜く歯医者=悪い歯医者?

    たまにセカンドオピニオンで歯が痛くなって別の歯医者に行ったらいきなり抜かないとだめと言われた、抜かずに残せないか。という相談をしに来る人がいます。抜く歯医者は良くないという風潮があり抜くのは良くない歯医者だ、という考えの人も中にはいます。このようにして来た人の歯はほとんどの場合抜かなくてはいけない状態になっています。初診で要抜歯と判断されるということは相当ひどい状態になっているからです。とりあえず悪い歯は何でもかんでも抜くという歯科医師はそうそういるものではありません。歯科医師の仕事は歯を残してしっかり食べられるようにすることだからです。抜かないと痛みや腫れが止まらない、使い道がなく悪さだけは…

  • 親知らずは抜くべきなのか?

    よく親知らずは抜いたほうがいのかどうか聞かれることがありますが、人によって異なるというのが答えです。人によって顎の大きさ、歯の生え方が違うので当然の答えだと思います。顎の大きい人は上下の親知らずがしっかりと生えてかみ合っていれば抜く必要はないと思います。ただ現代の日本人には親知らずがまっすぐ生えて咬むのにしっかり使えている人はかなり少ないと思います。多くの人は出てこない、半分だけ出ている、向きがおかしい、などの問題がある人が圧倒的に多いです。出てくるスペースがないからこのような状態になるので当然歯ブラシが入るスペースがないということになります。特に上の親知らずで多いのですが汚れが溜まりむし歯に…

  • 8020運動とはどのようなものか?

    8020運動という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。80歳になっても20本以上歯を残しましょう、という運動です。現在日本ではこの8020を達成している人は50%を超えています。まだまだ増えそうな勢いです。 ではなぜ20本と決めたのでしょうか。しっかりとしたデータに基づいたものであり適当に決めたものではありません。残っている歯が20本を境にして寝たきりになる人の割合が大きく変わることがわかったのです。歯が20本以上あれば寝たきりにならず元気でいられる人が多く健康寿命が延びるのです。ではなぜ20本を境にして変化が出るのでしょうか。それは食べ物をよく噛めるからだと思います。20本歯…

  • 口の中もがんになるのか?

    口の中もがんになるのかということですが、口の中もがんになります。 最近認識されるようになってきましたがまだ口の中にもがんができるということを知らない人がいます。がん全体の中のおよそ1%が口腔がんと言われているので比較的希なものだとは思います。最近芸能人の方で舌がんを公表された方がいるので気にされている方が確実に増えた感じがします。彼女はほかの病気で口内炎ができやすく、その口内炎の中に一部にがんがあったようです。一つ勘違いしないでいただきたいのは、この報道をみてがんは全てが痛いものだと思わないことです。実は口の中のがんは舌にできたものは痛むことがあますが、多くのものは痛みのないまま進行します。そ…

  • 指しゃぶりはいつまでにやめさせる?

    お子さんお指しゃぶりで困っているお父さんお母さんがいらっしゃるのではないでしょうか。小児科で相談すると心の心の栄養だから続けでいても大丈夫と言われることがあるようです。確かに精神的な安定を保つために指しゃぶりをしているのは間違いないと思います。ただ指しゃぶりを続けでいると歯並びが悪くなるという弊害があります。ではどのようにすれば良いのでしょうか。日本小児歯科学会では4歳までに指しゃぶりをやめることを推奨しています。つまり4歳までにやめれば指しゃぶりの影響が歯並びに出ないということです。逆に4歳を超えて指しゃぶりをしていると歯並びに影響が出る可能性があるということです。難しいのは指しゃぶりをどの…

  • 咬む力の強さはどのくらいある?

    硬いおせんべいをバリバリと咬む力、あめ玉をがりがりと咬む力はどのくらいあるのでしょうか。もちろん強い人、弱い人の個人差はありますが大まかに自分の体重と同じぐらいの力があると言われています。体重40kgの人は咬む力も40kg、70kgの人は70kgということだそうです。では100kgある人は咬む力も100kgとなるのでしょうか。あくまでおおよその数値でありそこまでの咬む力は出ないと思います。逆に子供は体重に比べて大きな力で咬むことができます。3歳児に穴が開くほど指を咬まれた経験があります・・・。 握力で40kgというとそこそこの力で女性ではほとんどいないと思います。また70kgというと成人男性で…

  • 八重歯はかわいい?

    たまに「あの娘は八重歯でかわいい」ということを耳にすることがますが本当にそうなのでしょうか。芸能人でも八重歯をチャームポイントとしている人がいるのは確かです。ただかわいいかどうかは人によって感じ方が違うので何とも言えないところです。私の感覚では八重歯がかわいいのではなくて、かわいい娘が八重歯だっただけな感じがします。八重歯を治した人もいますが、よりかわいく綺麗になったと私は感じてしまします。 かわいいかどうかは別として今度は八重歯だと何か口の中で良くないことが起こるのでしょうか。結論から言うと悪いことが起きます。まず八重歯と一般的に言われますが、歯科的には上顎犬歯低位唇側転移といいます。上の歯…

  • 歯科治療で使うレントゲンの被爆でがんのリスクは高くなるのか?

    sikatiryoude歯科医院で治療をする際に診断のためにレントゲン撮影をすることがあります。歯科治療をするにあらたり欠かせないものなのですがレントゲンの被爆を心配する人も中にはいると思います。 通常歯科治療で行うレントゲン撮影はがんをはじめとする疾患のリスクはどの程度あるのでしょうか。 結論から言うと安全です。 日本歯科医師会の報告では日本で歯科治療のためのレントゲンでがんを発症している人は年間で1人以下であると推定される、となっています。がんになっても歯科のレントゲンが原因だと確定できないため推定となっています。1人以下というのは多くても1人ということなので極め少ないと思います。 では実…

  • いびきの治療は歯医者でできる?

    一緒に寝ている人のいびきがすごくて寝られないという悩みを抱えている人がいるのではないでしょうか。実はこのいびきの治療にも歯科医師が関わっています。もちろん診査診断はお医者さんがします。そこで治療としてマウスピースを作る必要があると判断されたときに歯科医院に紹介されます。そもそもいびきとは寝ているときの喉の奥のスぺ―スが狭くなり、そこを空気が通ると周囲の組織が震えて音が鳴るというものです。マウスピースを装着することによって空気の通り道を広げると音がしなくなるというのが治療の狙いです。 ではなぜいびきは良くないのでしょうか。周りの人が困るだけではなく重大な疾患の原因になることがあるのです。いびきを…

  • 黒いむし歯よりも危険なむし歯がある?

    「しみるところをよく見たら歯に黒い点があるのでむし歯だと思う」と言って受診する人は少なくありません。黒い点はむし歯かもしれませんがただの着色であることのほうが多いという感じがします。実際それが悪さをしていることはほとんど経験したことがありません。知覚過敏でしみているところをよく見たら黒い点ができているということで多くの人が受診するのですが他のしみないところを見ても同じような黒い点が意外とあちこちあるものです。ほとんどの人がむし歯は黒というイメージを持っていると思いますが、黒いむし歯は木基本的に進行が遅くあまり悪さをしないのです。まして点状の小さなものが悪さをすることはほとんどありません。ただ黒…

  • 痛い敗歯医者=下手な歯医者?

    よく「あそこの歯医者は上手だよ。全然痛くないから。」ということを聞きますが本当にそうなのででしょうか。 腕が悪くて余計な痛みを感じさせてしまうということはあると思います。ただ「痛い=下手」という認識が世間に広まってしまうと下手だと思われたくない歯医者はとにかく麻酔を使いまくります。麻酔を使えば治療の痛みはなくなるので上手な歯医者になれるからです。さらに悪い方向に行くとむし歯を全部取らずに残したまま詰め物をし始めます。むし歯自体は触っても痛みはなく、むし歯を取り切ったところの健康な歯が痛みを感じるからです。 こんなことをしてしまっては歯を治すどころか壊す手伝いをしているようなものです。また痛みを…

  • 自費の治療は高いものほどいいものなのか?

    歯科医院で治療をしていく中で保険のものにするか保険のきかないものでやるかの選択を迫られたことがある人は少なく ないと思います。かぶせ物や入れ歯、インプラントなどが多いと思います。さらにその中にもランクがありよくわからなくなり、体のことだから一番高価ないいものを入れてもらおうと選んだ人もいるのではないでしょうか。 やはり高価なものほどいいものだという傾向はありますがすべてがそういうわけではありません。 金額がどのように決まっているかというと技工士さんに作ってもらうのにどのくらい費用がかかるか、使う材料の費用がどのくらいかかるか、治療にどのくらいの時間と手間がかかるかなどで決まっています。これは各…

  • 骨粗鬆症で歯は溶ける?

    骨粗鬆症は60才前後の女性が特になり易い病気です。骨は作ることと溶かすことを常に同じ量行っており見かけの量は変わらないまま新しい状態を維持しています。この均衡が崩れ溶かす量が作る量よりも多くなり骨がスカスカになってしまうのが骨粗鬆症です。歯を支える歯槽骨も例外ではなく骨粗鬆症になると弱くなるので歯周病が進みやすくなると言われています。ただむし歯は別です。「骨粗鬆症だから歯からもカルシム取られてむし歯になったのでは」という人がいますが骨粗鬆症になっても歯からカルシウムは取られません。そもそもむし歯で歯を溶かすのは細菌で骨を溶かすのとは過程が全く異なります。また外界に出ている歯が溶けてもカルシムは…

  • 歯ブラシの硬さはどれを選べばいいのか?

    当院でも歯ブラシを販売していますが、硬さはどうすればいいかよく聞かれます。それよりも治療しながら歯ブラシの硬さを説明するほうが多いかもしれません。基本的に「やわらかめ」か「やややわらかめ」を勧めます。当院にはこの2種類の硬さしか置いていないので普通以上の硬さのものを使いたい人はは薬局などで買ってもらっています。 なぜやわらかいものを勧めるかというとやわらかいものでないと歯周ポケットの汚れを取ることができないからです。毛が硬いものはしなりが弱く歯周ポケットの中に入って行かないのです。また無理に力を入れると歯肉を傷つけてしまいます。 ただ中にはやわらかいものでは磨けた気がしない、という人がいます。…

  • 歯を削るキィーンという音はどうにかならないのか?

    歯を削るときのあの「キィーン」という甲高い音を聞くだけで痛い感じがしてしまう人がいるのではないでしょうか。聞くだけで不快になる音ベスト3に入ると思われるあの音はエアータービン(通称タービン)を使ったときのものです。よくドリルと言われますがザラザラした金属の細い棒を回転させるのでヤスリの方がイメージが近いです。 ・甲高い音あのどうしても好きになれない「キィーン」という甲高い音ですがこれは空気を出す勢いで機会を高速回転させるために生じるものです。どのくらいの速さで回っているかというと1分間に40~50万回転と言われています。この高速回転があるからこそエナメル質という硬い組織を少ない振動で削ることが…

  • インプラントは万能なのか?

    歯が抜けてしまった人は歯科医院ででインプラントの説明をされたことがあるのではないでしょうか。ではそのインプラントとはどのような治療なのでしょうか。 まず歯が抜けてしまったときの治療法ですが保険でできるものはブリッジと入れ歯です。ブリッジとは抜けてしまった両隣の歯を削り3本つながったかぶせ物です。橋を架けるような形になるのでブリッジと呼ばれます。ブリッジはセメントで着けるので取り外しの必要がなく違和感も少ないので快適に使うことができます。その一方前述したように両隣の歯を削らなくてはならないし、抜けた歯の部位や本数によっては選択することができません。また橋を架けた部分の力も支えなくてはならないので…

  • 日本の食卓の配膳についての疑問

    食育関連で続けて記事を書いてみます。 先日食育についての講演を聞いたのですが疑問に思ったことがありました。簡単な内容と合わせて書いて見ます。 公園の中で日本の食卓の配膳についての話がありました。 ・箸は結界 箸文化の国は世界で3割程度あるそうですがそのほとんどが箸は料理の脇に縦に置くそうです。日本だけは料理の手前に横向きに置きます。日本では食事は神様からもらうという考えからがあり箸は神様の領域と人間界をわける結界の役目をするという意味があるそうです。 ・左上位 日本は左上位の歴史が長い国で食卓の配膳にもそれが現れているそうです。配膳の基本はお米が左手前、お味噌汁が右手前、主菜が右奥、副菜が左奥…

  • いただきます、ごちそうさまは日本だけの習慣

    前回の記事で食卓のことを書きましたのでそれに関連することを書きたいと思います。 我々歯科医師はむし歯の治療や予防だけではなく、食育という分野にも専門職として関わっています。 子供向けに食について話をするときにはまず「いただきます」「ごちそうさま」に意味について説明することが多いです。 普段何気なく口にしている「いただきます」「ごちそうさま」にはどのような意味がこめられているのでしょうか。 ・「いただきます」に込められた意味 「いただきます」は漢字にすると「頂きます」、「戴きます」となります。これは食事を作ってくれた人に対して頂戴します、という感謝が込められています。また食事を作ってくれた人だけ…

  • サザエさんの食卓のシーンにはこだわりがある

    今歯科界ではアニメサザエさんの磯野家の食卓が密かに注目されています。なぜ注目されているかは後で書きます。 最近の子供は顎が小さくなり歯並びが悪くなっている。と言われていますがこれは顎の骨格が小さくなったのではなく歯が植わっている歯槽骨という骨の発達が悪くなったためです。歯槽骨の発達が悪いと歯が並ぶスペースが狭くなり歯が重なって生えたり、八重歯になったりします。そうなると磨くのが難しくなりむし歯や歯周病のリスクが高くなります。またかみ合わせの悪さから体全体の不調に繋がることもあります。 ではなぜ歯槽骨の発達が悪く歯並びの悪い子供が増えたのでしょうか。答えを先に言うと唇と舌の筋肉をうまく使えていな…

  • なぜ神経を残しておくのか?

    むし歯の治療をするときに「キィーン」と音のする機械で削られて痛い思いをした人は多いと思います。また削ると痛いので削る前から麻酔をしてもたった人もいると思います。この痛みは歯の中にある神経に刺激が伝わるためです。またむし歯が神経まで到達して炎症を起こし寝られないほどのズキズキする痛みを経験した人も入と思います。そしてその痛みを経験した人はこう思うはずです、神経なんでなければいいに。 ではまずなぜ歯の中に神経はあるのでしょうか。・センサーの役目歯という組織は人間の体の中で最も硬くお茶碗などの陶材と同程度の硬さがあります。その歯が削られるといことは体にものすごい刺激が加わっているということになります…

  • 歯間ブラシやデンタルフロスは使ったほうがいいのか?

    歯間ブラシやデンタルフロス(糸ようじ)を使った方がいいのか使わない方がいいのかということですが、答えは簡単で間違いなく使った方がいいです。中には ・歯茎に傷をつけてしまうから使わない。・使うと歯茎が下がると思う。・血が出るから怖くてできない。・詰め物が取れてしまう。・難しい。・面倒。 という理由で使わない人がいます。圧倒的に多いのは入れるのが難しくて面倒だからという理由です。これには解決法がなく練習するしかありません。歯医者に行けばコツを教えてくれます。あきらめてしまい歯周病やむし歯が進んでしまい後悔する人は多いです。 そのほかの理由で歯茎に傷をつけてしまうというこですが、これは歯間ブラシで起…

  • 詰め物がすぐ取れてしまう歯医者は下手なのか?

    初診の患者さんで今まで通っていた歯医者は詰めたものがすぐ取れて下手だから歯医者を変えたいという人がいます。 詰めたものがすぐ取れる歯医者は本当に下手なのでしょうか。 結論を言うとそうとは限らないと思います。 削ったり接着の操作が下手ですぐ取れてしまうことがないとは言えませんが、経験を積んだ歯科医師が何度も失敗するというのは考えにくいです。歯科医師という職業は基本的に歯を守るのが仕事であり取れなければなんでもいいと考えているわけではありません。詰め物を取れにくいようにするには歯を深く削ればいいし、差し歯を取れにくくするにはピンを太く長くすればいいです。しかし深く削れば神経が出てしまう可能性がある…

  • フッ素塗布は効果があるのか?

    一般的にフッ素と呼ばれているものですが、本物のフッ素は気体で存在しており微量で死に至る超危険なものです。歯科で使われるフッ素は正式にはフッ素化合物といいます。中でもフッ化ナトリウム(NaF)というものがが使われることがほとんどです。 ただ歯医者に行ってフッ素を塗ってください、と言って危険なものが出てくることはないので安心してフッ素と言ってください。ではフッ素を塗ると本当に虫歯になりにくくなるのでしょうか。結論から言うと効果あります。これはデータが出ており効果があることが証明されています。 フッ素を塗る方法は歯科医院で塗る、歯磨き粉に入っている、洗口液でブクブクするなどがありますが一番効果がある…

  • 銀歯の材質は本当に銀?

    我々歯科医師を含めてですが世の中の多くの人が銀歯という言葉を使います。銀色をしているから銀歯と言われるのですが本当に銀でできているのでしょうか。実は保険の治療で使われる金属の銀の含有量は約40%です。そのほかにどのような金属が含まれているかというと金が12%、パラジウムが約20%とかなり高価な貴金属が使われています。咬む力に耐えられる強度と、化学変化を起こしにくい安定した貴金属でなければ口の中の厳しい環境に耐えられないのです。この合金は12%金銀パラジウム合金というもので歯科のために作られたものです。通称「金パラ」と呼ばれます。 私の診療所では年に一回治療のために除去した金属をまとめて日本歯科…

  • 食べたらすぐ磨く?

    昔から食事をしたらすぐに歯を磨きましょうと言われていました。これはむし歯菌の餌になる食べかすを除去し、歯を溶かす酸を作らせないためです。しかし最近食べたあとにすぐ歯磨きをすると歯に傷がついてしまうので食後30分以内は磨かない方が良い、という意見もあります。これがテレビで取り上げられて話題になりました。どちらが良いのでしょうか。 結論からいうと食べたらすぐ磨く方がいいです。このことについては日本歯科医師会、日本小児歯科学会からしっかりと見解が出ています。確かに強い酸性の飲食物を摂取すると微量ですが歯の表面がが溶かされます、特に歯の根が露出している人は注意です。そこに歯ブラシを当てると削れてしまう…

  • 仕上げ磨き

    昨日電動ハブラシのことを書きましたのでそれに関連して子供の仕上げ磨きについて書いてみようともいます。仕上げ磨きに毎日苦労しているお父さんお母さんは多いのではないでしょうか。では仕上げ磨きをいつまで続けるかということですができれば小学生のうちはやってあげるのが理想的です。高学年になるにつれて親の仕上げ磨きを嫌がるようになる傾向がありますのでもちろん絶対ではありません。だんだん回数を減らしながらたまに見てあげるというケースが多いように思います。 また子供を持つお母さんからよく仕上げ磨きに電動ブラシを使っても良いか、ということを聞かれます。 結論から言うと使っていいと思います。 プロではない人が他の…

  • 電動歯ブラシ

    歯科医師という職業柄新製品を業者さんからいただくことがあります。 先週はブラウンの最新電動歯ブラシを使ってみてくださいということでいただきました(定価2万弱)。使った感想を伝えないといけないので毎日使っています。また自分でも他社の電動歯ブラシを買って比べてみています。 ブラウンの電動歯ブラシは業界唯一の回転式のブラシを採用しています。歯の表面の汚れを取るのにはかなり効果的、ただ歯周ポケット内の汚れは少し不安がある感じがします。また振動と音がすごいので弱った歯には負担が大きい感じがします。さらにテレビを見ている妻にうるさい!と怒られました。 今最もメジャーな電動ブラシは音波の力で振動するタイプの…

  • 初ブログ!

    初めまして! 東京で歯科医師をしている3人の男の子のパパです。 日頃の診療の中で患者さんからされる質問を中心に記事にしていきたいと思っています。 歯医者の豆知識のような感じでみんさんのお役に立てればと思っています。

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、Blue10さんをフォローしませんか?

ハンドル名
Blue10さん
ブログタイトル
歯医者の豆知識
フォロー
歯医者の豆知識

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用