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第1種放射線取扱主任者試験 物理ざっくり網羅ブログ https://hatomugikun.hatenablog.com/

第1種放射線取扱主任者です。試験勉強を始めたばかりの方のとっかかりになるような、ある程度勉強を進めた方の見返しとなるようなブログを目指しています。

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2019/08/18

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  • 確定的影響と確率的影響

    確定的影響と確率的影響について記載します。 確定的影響とはしきい線量のある放射線影響です。 確率的影響とはしきい線量のない放射線影響です。 しきい線量とは、症状がでる最小作用強さです。 〇症状の例 確定的影響 白血球の減少 皮膚の紅斑 脱毛 不妊 白内障 など 確率的影響 がん 白血病 遺伝的影響

  • 陽電子放射断層撮影法(PET)について[過去問解説有]

    陽電子放射断層撮影法(PET)について説明します。 記事の最後には過去問解説も記載しますので理解しましょう。 陽電子放射断層撮影法とは身体を構成する元素の放射性同位体を体内に入れてガン等の病気を発見する検査法です。 PET検査で最もよく使われる放射性同位体は18F-フルオロデオキシグルコースというものです。これは、注射をするとブドウ糖をよく使う がん・能・心筋等に集まります。 陽電子が電子と対消滅する際に発生する2本の光子より、陽電子が消滅した位置情報を変換して断層画像を作成します。 陽電子放射断層撮影法は略してPETと呼ばれます。 [平成23年生物] 次の標識化合物のうち、PET(陽電子放射…

  • 線エネルギー付与(LET)について

    線エネルギー付与(LET)について説明します。 線エネルギー付与とはエネルギーを持った粒子、荷電した粒子が物質の中を進むとき、単位長さ当たりに失うエネルギーのことをいいます。 単位:keV/μm など。 LETに着目すると放射線は2種類に分けることが出来ます。 低LET放射線:電磁波で物質との相互作用が小さくLETも小さいもの。 例:X線、γ線など 高LET放射線:粒子の質量が大きい為、物質との相互作用が大きくLETも大きいもの。 例:中性子線、α線など LETは飛程に関わります。飛程について解説した下の記事も参照ください。

  • 同位体希釈法について

    同位体希釈法の ・直接希釈法 ・逆希釈法 は試験に必ず出題されるので覚えて理解しておきましょう。 各々簡単に説明すると、、、 ・直接希釈法 混合試料中にある特定の成分を求めるために、求めたい成分と化学式が同じ成分に放射性同位体で標識したものを入れる方法です。図で示すと以下の様になります。 ・逆希釈法 混合試料中にある特定の成分を求めるために、求めたい成分と化学式が同じ非放射性の成分を入れる方法です。図で示すと以下の様になります。 各々の方法について過去問付きで詳しく解説したページは以下です。 hatomugikun.hatenablog.com hatomugikun.hatenablog.c…

  • 同位体希釈法:逆希釈法について[過去問解説有]

    逆希釈法について記載します。 逆希釈法の方法を以下、記載します。 ①混合物中の成分について定量したい成分と同じ化学式の非放射性成分を加えます。 ※定量したい成分の比放射能Sは把握されている必要があります。 ②よく混ぜた後、定量したい成分を一部だけ化学分離して比放射能を計測します。 ③計測した比放射能から、混合物中に元から入っていた定量したい成分量を逆算して求めます。 求めたいのは混合物中の特定の成分質量:Mです。 質量:Mを求めるために、、、 混合前後での全放射能が等しくなることから以下の式が求められます。 M×S=(M1+M)×S0 M1,S,S0は分かっているので、上式より質量:Mが求まり…

  • 同位体希釈法:直接希釈法について[過去問解説有]

    直接希釈法について記載します。 直接希釈法の方法を以下記載します。 ①混合物中の成分について定量したい成分と同じ化学式の放射性同位体で標識した成分を加えます。 ②よく混ぜた後、定量したい成分を一部だけ化学分離して比放射能を計測します。 ③計測した比放射能から、混合物中に元から入っていた定量したい成分量を逆算して求めます。 文だとわかりずらいので絵にしました。 求めたいのは混合物中の特定の成分質量:Mです。 質量:Mを求めるために、、、 混合前後での全放射能が等しくなることから以下の式が求められます。 M1×S1=(M1+M)×S0 M1,S1,S0は分かっているので、上式より質量:Mが求まりま…

  • 溶媒抽出法[過去問解説有]

    溶媒抽出法について記載します。 溶媒抽出法とは水相中にある放射性核種を有機溶媒によって取り出す方法です。 絵として内容理解してしまいましょう。 【過去問平成22年度化学】 100mLの水相中にあるラジオアイソトープ(RI)を100mLの有機相に溶媒抽出すると90%が抽出された。水相に残ったRIをもう一度新たな100mLの有機相で溶媒抽出すると、2回分合わせて何%のRIが有機相に抽出されるか。最も近い値は次のうちどれか。 (1)91 (2)92 (3)94 (4)96 (5)99 【解説】 1回目の抽出では90%のRIが取り出されているので残りのRIは10%。 その残り10%の内の90%が抽出さ…

  • 放射平衡について<過去問解説有>

    放射平衡について説明します。 放射平衡とは、 親核種の半減期が娘核種の半減期より長い場合に親核種、娘核種が同時に存在するため放射能が釣り合う状態のことを言います。 上記放射平衡には2種類のパターンがあります。 一つ目:過渡平衡(かとへいこう) 親核種の半減期が娘核種の10倍以上の時、成り立ちます。 二つ目:永続平衡(えいぞくへいこう) 親各種の半減期は娘核種の1000倍以上の時、成り立ちます。(スゴイながい!) <過去問(平成23年度化学)> 238Uを234g含む試料中の222Rnの放射能[Bq]として、最も近い値は次のうちどれか。 ただし、この試料中のウラン系列核種は永続平衡にあり、238…

  • コロナワクチンとバイオ株について思うこと。

    最近米企業ファイザーのコロナに対するワクチンが完成間近ということで世界を驚かせましたよね。 日経平均株価もバグ上げして僕も20万円ほどの利益を得ることが出来ました。🤗ただ、 ネットニュースでこんな物を見つけました。http://alfalfalfa.com/articles/293875.htmlファイザーの社長がワクチンの効果発表後、自社株の多くを売り払っているようです。 ワクチン開発の進捗が良いはずなのに自社株をなぜ売るのでしょうか。 世界に行渡れば大儲け出来るはずなのに。。。ただ、ワクチンが完成して元の生活に戻ることが出来たらとても嬉しいので成功してほしいですね!日本企業もアンジェスがワ…

  • お腹が減ったときの吉祥寺駅周辺オススメスポット①😋

    吉祥寺に住んでいる僕が、吉祥寺駅周辺の小腹が空いたときのオススメスポットを紹介します。井の頭公園近くのカフェです。 「Cafe salon & Bar Arg」 場所はココ↓ http://www.arg-japan.com/#accessパスタを食べましたが本当に美味しかったですね〜。お店の外観もオシャレでした。 お値段もパスタ、サラダ、食後のコーヒーを飲んで2000程度。高くはない値段だとおもいます。 また、来ます。ご馳走さまでした🙏 テラスでは喫煙も可!次、「井の頭恩賜公園ボート売店」 井の頭公園のお団子 場所はボート乗り場の近く! 炭火で焼いていたのでとても美味しかったですよ。 でも串…

  • 大企業に5年間勤めた正直な感想

    22年卒の就活がそろそろ始まると思いますので、社会人の立場から5年間働いてみての感想を正直に書いてみようと思います。僕は一応誰でも知っているような大きな会社に勤めています。就活生の皆さんには自分にとって何が人生にとって大事なのかを考えた上で就活をしてほしいです。ネット上ではよく大企業は「高給まったり」という意見を目にしますがそんなことはまずありません。下っ端はとにかく働かされます。土日以外プライベートの時間は無いと言って良いです。自分が夜遅くまで働いている時、下請けの取引先の方はほぼ帰宅しており連絡は取れません。お給料は良いですが、それだけ働かされるということです。仕事内容も、年功序列がはっき…

  • 「シンゴジラ」に出てくる放射線測定器

    アマゾンプライムで久しぶりに「シンゴジラ」を見ました。 シンゴジラに登場する放射線測定器を記載します。 全て現実に在るものでしたね。 〇ガンマメラ 劇中で放射線測定器によりゴジラ表面の放射線量を画像により確認しているシーンがありました。 これは、実際に存在する放射線測定器です。それが、ガンマカメラです。 ガンマカメラの仕組みについて説明します。 ガンマカメラ内のシンチレータにγ線が入射しわずかに発光します。ガンマカメラにはいくつもの光電子倍増管が設置されており、光を増加させて発光量を読み取ります。 ガンマカメラではγ線の入射してくる角度、数から放射線源の放射線量を計算して色付けします。 〇モニ…

  • 試験まで2ヶ月

    試験まで2ヶ月となりましたね。皆さん沢山勉強しているのだと思います。 このブログも毎日200アクセス以上あり、嬉しい限りです。勉強以外の試験までの準備として僕は以下のことを大切にしていました。 ①ホテルの確保 ②就寝時間の徹底 ③自信をつける①ホテルの確保 試験当日はかなり緊張していると思いますので試験会場と遠い方は可能な限り会場の徒歩圏内にあるホテルを予約することをオススメします。 試験前日寝付けなくても、最低3時間は寝られると思います。 今年は年末に試験ということもあり、天候による交通網の乱れも予測されます。②就寝時間の徹底 就寝時間を今から徹底してください。僕は11時には必ず寝ていました…

  • チェルノブイリ 石棺とシェルター

    チェルノブイリ事故とは1986年にチェルノブイリ原発4号炉が爆発し広島型原爆の何倍もの放射性物質が放出された事件です。 石棺 チェルノブイリの話題では「石棺(せっかん、せきかん)」という言葉が良く使われると思います。 この石棺とは一体どういうものであるのか簡単に記載します。 放射性物質の拡散を防ぐために事故当時、石棺という手法がとられました。 石棺とは下の図のように爆発した4号炉をコンクリートで覆ったものです。 事故直後のチェルノブイリ原発4号機 シェルター 爆発したチェルノブイリ4号機を丸ごと覆う3万6千トンにも及ぶシェルターが造られました。 シェルターで石棺された4号機を覆うことにより放射…

  • テレビ周りの配線整理

    今日は雑談です。 引っ越ししたのでテレビ周りの配線を整理しました。 100均でワイヤーラティス、メッシュラックを購入 ワイヤーラティスに配線を括り付けます。 電源ユニットをメッシュラックに入れワイヤーラッシュに括り付けます。 空いたスペースには小物を入れたメッシュラックを括り付けます。 きれいにまとまったかなと思います。 おわり。。。

  • 放射線取扱主任者の年収

    第一種放射線取扱主任者の資格をもって民間企業のメーカーに入社した僕の年収や働き方について記載したいと思います。良いことばかりでなく辛いこともありますが、学生さんや転職を考えている読者さんの参考になればと思います記載します。 まず、年収ですが年収600万円ほどです。 院卒で入社五年目になります。 同年代と比較し多い方だと思いますが残業は平均して月に50時間程度あり平日にプライベートの時間はほぼないです。 仕事内容も設計業務に携わっていることもあり、神経を使います。 ただ、やりがいや給料の良さはありますので悪くはないと思います。 放射線取扱主任者の資格を持っていることによる手当ですが僕の会社にはあ…

  • 健康に気を付けましょう。

    久しぶりの投稿になります。 コロナの影響で放射線取扱主任者の試験日が12月となりましたね。 インフルエンザも流行りだす時期なので体調には十分注意してください。 僕は現在東京に住んでいますので、コロナにはかなり気を付けています。会社もテレワークが主となり週に一日程度出社しています。 しかし、街中は人が増え始めて密になっていますので手洗いうがいしっかりしましょう! 免疫力を高めるのには血流を良くすると良いらしいですよ! お風呂上がりには柔軟しましょう。 おすすめは肩甲骨まわりのコリに効くかんたんな柔軟です! 腕を前に突き出したあと10秒この姿勢を保ち、次に腕を開いたまま肩甲骨をくっつけるイメージで…

  • 筆記試験合格後の放射線取扱主任者講習について

    筆記試験を合格した後の放射線取扱主任者講習について記載します。 第一種、第二種放射線取扱主任者の免状を交付してもらうためには、筆記試験に合格した後、 ・第一種:5日間 ・第二種:3日間 の放射線取扱主任者講習会を受講する必要があります。 講習会の最後には筆記試験もあります。 免状取得までの詳しい道のりは、以下アイソトープ協会作成の資料ご確認ください。 第一種 https://www.jrias.or.jp/seminar/seminar/pdf/1syu_michinori.pdf 第二種 https://www.jrias.or.jp/seminar/seminar/pdf/2syu_mic…

  • プレステ4のVRは配線が多すぎる件

    こんばんは。 コロナウイルスが流行している可能性があるため、3連休は家に引きこもっておりました。 なにもしない訳にはいかないため、72時間かけてずっと気になっていたプレステ4のVR周りを整理しました。 整理前の状況です。ソニーほどの企業がなぜこれだけ多くの配線を用いる製品を造るのか。。(VRの機能自体はとっても良いです。映像革命だと思います。) まず、配線の全体像を把握するためプレステ4とVRを救出 とんでもない量の配線。 配線を一つ一つまとめ上げます。 がんばえーーー!!! 頑張って配線整理した後がこちら! どう頑張っても乱雑な見た目になりました。 おわり!

  • 壊変定数λと放射能A[Bq]を求める式

    壊変定数λと放射能について解説します。 壊変定数λを使用した放射能を求める式 がなぜこの形になるのか順を追って理解しましょう。 放射能は単位時間あたりの原子壊変数(放射性物質の原子が減る数)であり、壊変定数を用いて以下式となります。 これを変換すると以下式となります。 変換手順は以下を参照ください。 ~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~~~~~ 次に、半減期T経過時の原子数より壊変定数λを導出します。 半減期Tは原子数が半分になるまでの時間なので以下の様になります。 先ほど記載しましたように放射能Aは単位時間あたりの原子壊変数です。 半減期Tを用いて表した壊変定数λを以下の様…

  • 映画「Fukushima50」 について

    2020年3月6日に映画「Fukushima50」が公開されます。 Fukushima50は東日本大震災の時、福島第一原発で現場にいた方々がどのように活躍したかを描いた映画です。 原発事故で東日本は人の住むことが出来ない土地となる寸前でした。しかし、現場の活躍によりそれは免れることが出来ました。映画を見る前に福島原発で何が起きていたのか大筋を知っておくと、より理解が深まると思いましたので記載します。 全電源喪失 地震による津波で電源機能が失われ全電源喪失SBOが発生しました。 これにより計器等使うことが出来ず、原子炉内部の情報を得ることがほぼ不可能となりました。又、原子炉建屋内の明かりも失われ…

  • 荷電粒子の飛程まとめ

    荷電粒子の飛程を求める式をまとめます。 全て覚えてしまいましょう。 β線の飛程 飛程を求める公式はβ線エネルギーにより2通りに分けられます。 β線のエネルギーをEとすると、 0.15MeV<E1<0.8MeV<E2 で場合分けします。 α線の飛程 α線の飛程を求める公式は2つあります。 α線のエネルギーが分かっている場合に使用する式です。R:α線の飛程(α線) E:MeV単位のα線のエネルギー ブラッグ・クレーマン則を変形させた式です。 これは重荷電粒子の飛程は物質の密度に反比例し、原子量に比例するという経験則から算出されている式です。R:算出するα線の飛程 R0:判明しているα線の飛程 ρ:…

  • 荷電粒子の飛程比較について[過去問解説有]

    荷電粒子の飛程比較について過去問を解説しながら説明します。 荷電粒子の飛程には以下に紹介する式の様な関係があります。 試験では、数種類の荷電粒子の飛程を比較する問題を解くために使用します。 ∝は比例の意味であることに注意しましょう。 R:飛程 M:荷電粒子の質量 E:荷電粒子のエネルギー z:荷電粒子の原子番号 v:荷電粒子の速度 <過去問解説> 次の3つの荷電粒子に対する水中飛程の大小関係として、最も適切なものはどれか。 A 100MeVの陽子 B 200MeVの重陽子 C 1200MeVの12C原子核 (1)A<B<C、(2)B<A<C、(3)C<A<B、(4)C<B<A (5)1から4の…

  • 1月です。今から試験対策初めましょう!

    サイトに訪問して頂きありがとうございます。 2020年になりましたね。 僕が第一種放射線取扱主任者試験を合格したのが2014年なので、もう6年たったことになります。 まだ試験勉強していない方は今から始めましょう。 まずは、参考書一冊をざっくりと読んで過去問を解き進めながら理解しましょう。 初めから時間をかけて参考書をじっくり理解した後に過去問を解いても、恐らく3割もとれないと思います。僕がそうでした。 過去問を何度も繰り返し解いていけば暗記するべき内容が明確になっていきます。 そのため、過去問を解きながら理解していくスタンスが最も効率の良い勉強法だと思います。本試験は、どれだけ多くの情報を暗記…

  • 中性子捕獲反応について[過去問解説有]

    中性子捕獲反応について記載します。 中性子捕獲とは、原子核は中性子と衝突して合体し、質量が一つ増える現象です。中性子が原子核に吸収された際にγ線が放出される特徴があります。 <過去問> 次の反応のうち、中性子捕獲反応はどれか。 (1)(n、α) (2)(n、p) (3)(n、n') (4)(n、f) (5)(n、γ) [解説] 上記中で質量が一つ増え、γ線が放出される選択肢は(5)のみです。 よって答えは(5)。

  • 単位Gy、Jについて

    放射線計測で用いられる単位Gy(グレイ)、J(ジュール)について記載します。 最後に過去問解説もしますので理解しましょう。 試験では、様々な放射線計測に使用される単位が出てきますが、 全て吸収線量Gy(J/kg)に変換できるよう覚えておきましょう。 以下、試験に出てくる主な単位とJへの変換方法です。 〇1[cal]=4.18[J] 〇1[GeV]=1×10^9[eV]=1×10^9×1.6×10^-19[J]=1.6×10^-10[J] 〇1[W・s]=1[J] 〇1[N・m]=1[J] <平成22年度物理科目より> 水に2Gyの吸収線量が与えられた場合、平均の温度上昇[℃]として最も近い値は…

  • 粒子放出反応について

    粒子放出反応について過去問を解説しながら説明します。 粒子放出反応とは、原子核に中性子が入射して陽子等が放出される反応です。 粒子放出反応は以下の様に略されます。 (n,p)、(n,α)、(n,n) 過去問解説 [平成28年度物理 問12] 熱中性子が3Heと(n,p)反応を起こした際に放出される陽子の運動エネルギー[MeV]はいくらか。次のうちから最も近いものを選べ。ただし、この反応の発熱エネルギーは0.765MeVである。 1)0.153 2)0.383 3)0.574 4)0.612 5)0.765 <解説> 3Heに熱中性子が入射し(n,p)反応を起こす核反応は以下の式に表されます。 …

  • 荷電粒子の衝突阻止能について

    荷電粒子の衝突阻止能を算出する式について記載します。 衝突阻止能を求める式は必ず覚えておきましょう。 過去問についても解説します。 衝突阻止能とは放射線が入射する物質中の電子にエネルギーを与えて励起・電離作用で単位長さ当たりに失うエネルギーのことを言います。 荷電粒子の衝突阻止能Sは以下の式により計算することが出来ます。 式中のそれぞれの記号は下の図を参照ください。 過去問について解説します。 <平成29年度物理問15> 40MeVのα線及び10MeVの陽子に対する水中での衝突阻止能をそれぞれSα及びSpとするとき、その比(Sα/Sp)として正しいものはどれか。 1) 0.2 2)0.5 3)…

  • 点線源からの吸収線量の求め方

    点線源からの吸収線量を求める方法を過去問の解説をしながら説明します。 <平成28年度物理29問目> 314Mbqのβ線点線源を40秒間取り扱うとき、指先の皮膚の吸収線量[mGy]として最も低いものは次のうちどれか。ただし、線源と指先の距離は10cmで、このβ線の皮膚での平均質量阻止能は、2.0[MeV・cm^2・g^-1]とする。また、線源の半減期の影響は無視できるものとする。 1)0.8 2)1.6 3)3.2 4)6.4 5)12.8 問題を整理すると下の絵のようになります。 点線源からのフルエンス率は[Bq/4πr^2]で求めることに注意し、吸収線量[mGy]を算出する式を以下のように組…

  • 中性子の弾性散乱について

    中性子の弾性散乱について記載します。 中性子の弾性散乱では、中性子が原子核と衝突した時の ・原子核の反跳エネルギー を求める問題が良く出題されます。 原子核の反跳エネルギーを求めるための公式を覚えておきましょう。 式中の記号の意味は以下の図を参照ください。 原子核の反跳エネルギーが最大になるケースを理解しておきましょう。 ①中性子の散乱角度について 中性子の散乱する角度φが180°になったとき原子核の反跳エネルギーは最大になります。式中のcosφに180を代入します。 ②原子核の質量数について 中性子の質量数が1であることから、原子核の質量数も1のとき原子核の反跳エネルギーは最大になります。す…

  • 照射線量・カーマについて

    照射線量・カーマについて記載します。 各々の意味について混乱しないよう理解しましょう。 放射線の測定対象や放射線が入射する物質の定義が変わります。 照射線量 照射線量とは、質量dmの空気と光子(X線、γ線)が反応した際に生成される二次電子が完全に停止するまでに発生させる電離電荷の合計を表します。 式に示すと以下の様になります。 カーマ カーマとは、質量dmの全ての物質と非荷電粒子(X線、γ線、中性子線)が反応した際に発生する二次電子の初期エネルギーの総和となります。質量dmの空気に対して測定した場合、空気カーマと呼びます。 空気カーマを式に示すと以下の様になります。 照射線量と空気カーマの関係…

  • W値について

    W値について解説します。 W値とは、1つの電子対(自由電子・陽イオン)を作るために必要な荷電粒子のエネルギーです。空気、アルゴン等それぞれ違う値が与えられています。 ※W値は、荷電粒子のみに適用されます。 W値が使われている試験問題を解説します。 [平成30年度物理26問目] 電子平衡条件下で有感体積1.0cm^3の空気空洞電離箱にγ線を照射したところ10nCの電荷を得た。電子の空気に対するW値を34eV,このときの空気の密度を1.3kg/m^3とすると、空気の吸収線量[Gy]の値として最も近い値は次のうちどれか。 1)0.26 2)0.38 3)2.6 4)3.8 5)4.4 まず、10nC…

  • GM計数管の原理と分解時間について

    GM計数管の原理と分解時間について解説します。 GM計数管については分解時間を用いた計算問題が良く出題されますので、式を覚えてしまいましょう。 GM計数管は、非常に感度良くγ線やβ線の入射した本数を数えることが出来ます。 ※入射した放射線のエネルギーを計測することはできません。 まず、GM計数管の原理について順を追って説明します。 GM計数管にはハロゲンガスが封入されています。 ①GM計数管の陰極(金属壁)と陽極(芯線)に高電圧をかけると放射線が入射したときイオン対が生成されます。 ②生成されたイオン対は近くの気体分子を電離して新たにイオン対を生成させます。 ③GM計数管にかける電圧を上げてい…

  • α線の飛程について

    α線の飛程について記載します。 試験に臨む上で、α線の飛程を求める式を2通り覚えておきましょう。 ほぼ毎年出題される式です。 ①α線の空気中の飛程を求める式 R:α線の飛程(α線) E:MeV単位のα線のエネルギー ②ある物質中のα線の飛程が判明しているときに他の物質中を通過するα線の飛程を求める式 この式をブラッグ・クレーマン則と呼びます。 これは重荷電粒子の飛程は物質の密度に反比例し、原子量に比例するという経験則から算出されている式です。 よって R:算出するα線の飛程 R0:判明しているα線の飛程 ρ:飛程を算出するα線が通過する物質の密度 ρ0:飛程が判明しているα線が通過する物質の密…

  • 光核反応について

    光核反応について説明します。 試験では「正しいものの組み合わせはどれか」という問いで光核反応の性質が組み合わせの選択肢に上がっていることが多いです。 光核反応とは、高エネルギーのγ線が原子核に入射すると原子核より、陽子・中性子・α線等が放出される現象です。 光核反応は吸熱反応に分類されます。 光核反応が発生する条件として、入射するγ線のエネルギーが原子核の結合エネルギー以上である必要があります。 ここで、原子核の結合エネルギーについて説明します。 陽子・中性子は相互作用し原子核になります。 その際、(陽子数量×質量+中性子数量×質量)の質量に対し、結合エネルギーを質量に変換した分だけ軽くなりま…

  • 荷電粒子の阻止能について

    荷電粒子の阻止能について記載します。 荷電粒子が物質との相互作用でエネルギーを失う現象には以下の2通りがあります。 ①荷電粒子が物質中の電子にエネルギーを与え、励起や電離作用でエネルギーを失います。この失うエネルギーを衝突阻止能と呼びます。衝突阻止能を物質の密度で割った値を質量衝突阻止能と呼びます。 ②制動放射によりエネルギーを失います。制動放射により失うエネルギーを放射阻止能と呼びます。放射阻止能を物質の密度で割った値を質量放射阻止能と呼びます。 又、 ・全阻止能=衝突阻止能+放射阻止能 ・質量阻止能=質量衝突阻止能+質量放射阻止能 となります。 〇重荷電粒子(α線、陽子線等)の阻止能につい…

  • フルエンスについて

    フルエンスについて説明します。 フルエンスには4つの種類があり、それぞれに意味があるので理解しましょう。 まずは、下の図を見てください。 m2:放射線の当たる面積を表します。 Q:放射線の本数を表します。 J:放射線1本のエネルギーを表します。 4つのフルエンスそれぞれを説明します。 〇フルエンス[Q/m2] →単位面積に入射する放射線の本数です。 〇フルエンス率[Q/(m2・s)] →単位面積・単位時間に入射する放射線の本数です。 〇エネルギーフルエンス[J・Q/m2] →単位面積に入射する放射線のエネルギーです。フルエンス[Q/m2]に放射線1本のエネルギー[J]を掛けて算出します。 〇エ…

  • 放射線取扱主任者試験まで3ヶ月

    今年度の試験日程がアナウンスされていますね。 第1種試験:令和元年8月21日(水)、8月22日(木) 今年から出題科目に変更があるのでしっかり確認しましょう。 8月21日:法令(75分)、実務(100分)、物理(110分) 8月22日:化学(110分)、生物(110分) 従来の試験と比較し、 ・管理技術がなくなったこと ・実務という科目が加わったこと ※管理技術に相当? ・物化生がなくなったこと があげられます。 物理・化学・生物には、多岐択一問題(恐らく従来の物化生のような試験問題)が2問づつ追加されています。そのため、物化生の過去問をやりこんでおいて損は無いと思います。 ※物化生の問題を読…

  • 壊変定数について

    壊変定数λについて記載します。 壊変定数とは、1個の原子核が単位時間に壊変する確率を示します。核種に固有に与えられた定数です。記号λで表されます。ここでは、壊変定数の使われ方について解説します。 まず、単位時間に壊変する原子核の個数dNは以下式で表されます。これは、壊変定数λとまだ壊変していない原子核の個数Nと単位時間dtに比例します。 dN = −λNdt 放射能Aは単位時間dtに壊変する原子核の個数dNであるため A=-dN/dt=λN となります。 また、時間tが経過した後の壊変前の原子核数は と表されます。半減期Tは初期の原子核数N0が半分になるまでの時間であるため よって となります…

  • 放射化分析について

    放射化分析について記載します。 放射化分析については、計算問題が出題されることが多いです。計算問題に使用する式の意味から理解しましょう。 放射化分析とは安定な核種に放射線(主に中性子)を照射することにより不安定にさせ、半減期や放射線のエネルギー、強度を調べて核種を同定・数量を求める作業のことです。 特定する元素に放射線(中性子)を照射し、放射性核種の量を調べるには以下の式を用います。 A=N・f・σ・(1−EXP(−λt)) それぞれの記号の意味は以下の通りです。 A:中性子照射により発生する放射能(dps)N:目的元素に存在する標的核種数f:中性子束密度(毎秒1平方センチメートル当たり)σ:…

  • 放射性崩壊(α崩壊、β崩壊、γ崩壊)

    ここでは放射性崩壊について解説します。放射性崩壊の3種類 ・α崩壊 ・β崩壊 ・γ崩壊 についてまず説明します。 α崩壊とは 不安定な原子核がα線を放出して安定した原子核に変化しようとする現象です。 上図に示すようにα崩壊によりα線を放出した原子核は質量数4、原子番号2の減少がみられます。 β崩壊とは 不安定な原子核がβ線(電子)を放出して安定した原子核に変化しようとする現象です。 上図に示すようにβ崩壊によりβ線を放出した原子核は質量数に変化はありませんが原子番号が1つ増えます。β崩壊とは、原子核中に中性子が陽子よりも多く存在する場合に起きる現象です。原子核は安定な状態に変化しようとし、β線…

  • 内部転換について

    内部転換について記載します。 以下の現象を内部転換と呼びます。 まず、原子核が励起状態から基底状態に戻る際γ線が発生します。 次に、軌道電子がγ線に弾かれ内部転換電子として放出されます。 内部転換電子のエネルギーは以下のように表されます。 Ee=Eγ-Eb ※Eγ:原子核から発生するγ線のエネルギー Eb:軌道電子の結合エネルギー 内部転換のイメージ図を載せます。 試験では、内部転換係数αを用いて内部転換におけるγ線の放出率算出を求められます。γ線の放出割合をPγ、内部転換電子の放出割合をPeとするとγ線の放出割合は以下式のようになります。 上記式のPe/Pγ=αを内部転換係数と呼びます。 内…

  • 軌道電子捕獲について

    軌道電子捕獲について記載します。 原子核中の陽子が軌道電子を捕獲し中性子に変化する反応です。陽子が1つ減るため原子番号も1つ低くなり異なる原子核となります。質量数に変化はありません。原子核中に陽子が多くあり不安定な場合、原子核が安定を保とうとし陽子から中性子に変化します。 陽子が軌道電子を捉え中性子となる際、原子核からニュートリノvを発生させます。 式で表すと以下の様になります。 P+e=N+ν 原子番号は1つ上がりますが、質量数が変化することはありません。 軌道電子捕獲では特性X線、又は、オージェ電子が発生することに注意しましょう。 特性X線・オージェ電子について記載した記事はこちら↓ ha…

  • 特性X線・オージェ電子について

    特性X線・オージェ電子について解説します。 まず、特性X線・オージェ電子が発生する過程を説明します。 ①軌道電子が飛び出す。 ②励起状態を解消するため、軌道電子が飛び出した軌道上に上位軌道から軌道電子が遷移する。 ③軌道のエネルギー準位差(EK,EL等)に基づき特性X線orオージェ電子が発生する。 上の図はK軌道電子が飛び出したときの特性X線orオージェ電子発生までの過程です。 特性X線のエネルギーはEX=EK-ELとなります。上位軌道電子が特性X線に弾かれるとオージェ電子となります。その時、オージェ電子のエネルギーはEe=(EK-EL)-ELとなります。原子番号が高いほど特性X線の発生する確…

  • 光電効果・コンプトン散乱・電子対生成まとめ

    光電効果・コンプトン散乱・電子対生成についてまとめます。 それぞれの反応の発生確率を見ると、以下のことが分かります。 ・光子のエネルギーが低い場合光電効果が支配的である。 ・吸収物質の原子番号が小さいほどエネルギーが上がるにつれて光電効果→コンプトン散乱に移行する。 ・光子のエネルギーが1.022MeV(陽子+電子の静止エネルギー)をこえると、吸収物質の原子番号の大きい場合からコンプトン散乱→電子対生成に移行する。 以下の図は、それぞれの反応について発生する電子・光子をまとめたものです。 それぞれの反応について詳しく記載した記事は以下参照ください↓ hatomugikun.hatenablog…

  • 第1種放射線取扱主任者受験のための集中セミナー

    4月になりますね。 皆さん、試験対策はどうでしょうか? アイソトープ協会から以下の講座案内が出ていますね! 定員制なのでお早めに! 第一種放射線取扱主任者受験対策講習 〇第1種放射線取扱主任者受験のための集中セミナー 2019年5月27日(月)-5月31日(金) 申込締切 2019年5月20日(月) 〇第1種放射線取扱主任者受験のための直前セミナー 2019年7月29日(月)-7月31日(水) 申込締切 2019年7月22日(月) 僕は受験の際、アイソトープ協会主催ではないですが5月のセミナーを受けました。とても為になりましたよ。全科目、基礎を学び出題範囲を理解することが出来ます。 セミナーを…

  • 光電効果について

    光電効果について記載します。 光電効果とは、光子のエネルギーが軌道電子に全て与えられ、光電子として放出される現象です。光電子のエネルギーは光子のエネルギーから軌道電子の結合エネルギーを差し引いた値になります。 軌道電子が光電子として放出された際、空いた軌道上に上位軌道から電子が遷移してくるため特性X線、又は、オージェ電子が発生します。 光電子のエネルギーは光子のエネルギーと軌道電子の結合エネルギーに依存するため、線スペクトルになります。 特性X線・オージェ電子を解説した記事はこちら↓ hatomugikun.hatenablog.com

  • アボガドロ数と放射能について

    放射能を求めるうえでの、アボガドロ数の使い方について説明します。 まず、アボガドロ数について記述します。アボガドロ数とは、炭素12Cが12g集まった時の原子の数:6×10^23 個です。又、6×10^23個=1mol(モル)と定義されています。 原子がもつ質量数は、原子が1mol=6×10^23個あるときのg数です。これは、炭素12Cを基準に算出されています。つまり、水素1Hの原子の質量数は炭素12Cの1/12ということです。 以上を理解した上で、放射能を求める式でアボガドロ数がどのような役割を持つか理解してください。アボガドロ数はモル数と掛け合わされ、放射性物質の総原子数を求める役割を持って…

  • 減弱係数・半価層について

    線減弱係数μ・質量減弱係数μm・半価層について説明します。 〇線減弱係数μ(単位:m^-1,cm^-1) まず、線減弱係数μについて説明します。遮蔽体を通過する光子は光電効果・コンプトン錯乱・電子対生成等により本数を減らします。本数の減り易さを表す数値が線減弱係数μです。 〇質量減弱係数μm(単位:m^2/kg,cm^2/g) 質量減弱係数μmは、線減弱係数μを遮蔽体の密度で割った数値です。物質の密度による影響を無視することが出来るため、放射線測定では質量減弱係数μmが使用されます。 質量減弱係数を表す式は以下の様になります。 また、光子が遮蔽体を通過した際、本数を半分に減らす遮蔽体の厚み(x…

  • チェレンコフ光について

    ここでは、チェレンコフ光について記述します。 チェレンコフ光とは、荷電粒子速度が光速度を超えるときに発生する光です。 水中での光速度は真空中での光速度と比較し0.75倍となります。 原子力発電所の燃料プール等で見られる現象です。

  • β線の飛程

    β線の飛程について記述します。 β線の飛程を求める公式はβ線エネルギーにより2通りに分けられます。 β線のエネルギーをEとすると、 0.15MeV<E1<0.8MeV<E2 で場合分けします。 例として、イットリウム90Yから発生するβ線のエネルギー:約2.28MeVの飛程を求めます。 0.8MeV<2.28MeVであるため、飛程R=0.542E-0.133(g/cm^2)の式にE=2.28MeVを代入します。注意!:代入するEの単位はMeV R=0.542×2.28-0.133(g/cm^2)の値をβ線が入射する物質の密度(g/cm^3)で割ります。アルミニウムであれば約4mm、空気中であれ…

  • 中性子の反応断面積

    中性子の反応断面積について記載します。 反応断面積とは、中性子が照射対象物質の原子核と1秒間に反応する量を表す概念です。 j(フルエンス率):単位時間、単位面積に照射される中性子ビームの個数を表します。 N0dx:十分に薄い対象物質内の原子核の個数を表します。 単位体積あたりの中性子と原子核の反応率Rを求める式は以下のようになります。 R=σ×j×N0dx σは比例定数を表します。これが反応断面積です。 N0dxをNAとするとσを算出する式は以下のようになります。 R/NA:照射対象物質内の原子核1個の単位時間当たりの反応率です。 σを表す式の単位はm2となります。ここで10^-28[m2]を…

  • Q値と発熱・吸熱反応について

    Q値と発熱・吸熱反応について解説します。 Q値、発熱・吸熱反応はセットで理解しましょう。 計算問題は毎年必ず出題されますので、特に吸熱反応のしきい値算出式は覚えてしまいましょう。 まず、Q値とは核反応、放射性壊変の過程で発生、又は吸収されるエネルギーのことです。 核反応を式に表すと以下の様になります。 A+a=B+b+Q A:標的核 a:入射粒子 B:生成核 b:放射粒子 Q:Q値 ここで、Q値を式に表すと以下の様になります。 mA:標的核の質量 ma:入射粒子の質量 mB:生成核の質量 mb:放射粒子の質量 Q値がQ>0である場合:発熱反応 Q値がQ<0である場合:吸熱反応 と呼びます。 Q…

  • 電子対生成・対消滅について

    電子対生成と対消滅について説明します。 電子対生成 光子(γ線)が原子核に衝突、又は原子核付近のクーロン場に入射したときγ線がエネルギーを失い、電子と陽電子が生成される現象です。 電子対生成は、電子・陽電子の静止エネルギーの和である1.02MeV以上の光子(γ線)により発生することを覚えておきましょう。 電子対生成により発生した電子・陽子の運動エネルギーの和は光子のエネルギーをEとすると、 電子・陽子の運動エネルギーの和=E-電子・陽電子の静止エネルギーの和(1.02MeV) となります。 対消滅 電子対生成により発生した陽電子が周囲の電子と衝突し消滅する現象です。消滅の際、主に2本の消滅γ線…

  • 半減期について

    半減期について記載します。 半減期とは、放射性物質が壊変して元の半分になるまでの時間です。放射性物質が半分になると、発生する放射線の本数も半分になります。放射線の本数が半分になるということは光子束密度(フルエンツ率)が半分になるということです。 ●壊変前の放射性物質 ●壊変後の放射性物質 →放射線 半減期Tを用いた2つの式を記載します。半減期関連の問題で特に使用する式です。 ①放射性物質(半減期T)の持つ放射能を求める式 放射能は単位時間の放射性物質の壊変数です。単位時間は秒[S]を使用します。よって、半減期も単位を秒[S]に変換してから式に代入しましょう。1[年]=3.15×10^7[秒]は…

  • β線と電子線

    β線と電子線の違いについて記載しました。試験で問われることは無いと思いますが勉強する上で頭の中に入れておくと良いでしょう。 β線と電子線の違い〇β線は原子核がβ⁻壊変した際に発生する。〇電子線は人工的に作り出したもの。 β線と電子線に性質の違いはありません。制動X線の発生に気を付けましょう。 制動X線について記載した記事はこちら↓ hatomugikun.hatenablog.com

  • γ壊変の反跳核エネルギーについて

    γ壊変が起こった時に粒子が持つ反跳核エネルギーについて記載します。γ線は質量を持たないため粒子用の運動エネルギー式・運動量式が使えません。 そこで、γ線の運動エネルギーはプランク定数hと振動数νを用いて光子用の運動エネルギー式・運動量式で表します。 試験ではγ壊変が発生したときの粒子が持つ反跳エネルギー算出をよく求められます。 ここでは、γ壊変が起きた時の粒子が持つ反跳核エネルギーを求める式の算出方法を記載します。試験中、式を忘れても対応できるよう、理解しましょう。 γ線を放出した粒子は反跳エネルギーを持ちます。 γ線のエネルギー・運動量と粒子の反跳エネルギー・運動量は等しくなることから、以下…

  • コンプトン散乱について

    コンプトン散乱について記載します。コンプトン散乱とは、光子と軌道電子の衝突により光子が散乱し、電子が反跳する現象です。 入射光子・散乱光子・反跳電子の運動量・エネルギーから以下の式が導き出されます。 水平方向:P0=Pr×cosθ+Pm×cosφ 垂直方向:0=Pr×sinθ+Pm×sinφ エネルギー保存則:E0=Er+Em 上記3式よりコンプトン散乱光子のエネルギーを以下のように求めることが出来ます。 電子の静止エネルギーmc^2=0.511[MeV]より と近似することが出来ます。 後方散乱についても説明します。後方散乱とは入射光子が180度後方に跳ね返る現象です。このよき弾かれる電子の…

  • 制動放射について

    制動放射についてに記述します。 制動放射とは、荷電を持った粒子が原子核周りのクーロン場に入射し曲げられる際に失ったエネルギーを制動X線として放出する現象です。 原子核のクーロン力は原子番号が高くなるほど大きくなります。一般的に原子番号の二乗に比例し大きくなります。発生する制動X線のエネルギーは、荷電粒子の曲がった角度に依存するため連続スペクトルを示します。X線管で人工的に作られるX線は制動放射の現象を利用しています。 NOTE 荷電粒子が発生する物質を保存する際は制動X線を考慮してください。β線を発生させる物質を保存する場合の例を記述します。 ①β線は数mmのアルミで遮蔽することが出来るため、…

  • γ線の減衰についての正しい認識

    僕は試験勉強を始めた当初、光子(γ線、X線)の減衰について誤った認識を持っていました。それについて記します。例えば、鉛等でγ線を遮蔽した場合、γ線1本1本のエネルギーが小さくなると当初認識していました。遮蔽物を通過するγ線の本数が減るというのが正しい認識です。皆さん、気を付けてくださいね。 ↓遮蔽物を通過する光子(X線、γ線)の減衰率50%についての正しい認識。

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第1種放射線取扱主任者試験 物理ざっくり網羅ブログ
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