ブログみるアプリ
日本中の好きなブログをすばやく見られます
無料ダウンロード
ブログ村とはIDが異なります
メインカテゴリーを選択しなおす
フォロー
峰雲の育ちもみごと熊野灘 茨木和生
山深い熊野の地。目の前に広がる海は、熊野灘だ。古来から峰々をゆく貴族たちは「アリの熊野詣で」といわれた。宮廷人たちに、本当に愛された聖地なのだ。変化に富んだ熊野の大自然は、スケール大きく、それこそ「神っている」。古代からの樹木や瀧など、とにかく見上げるも
2020/09/18 12:26
岩手けん岩手ちょうあざ鰯雲 山口 剛
ひらがなの「けん」は県のこと、「ちょう」は町、「あざ」は字で、要するに住所を表している。だが、この句にはオチがある。そのオチは、いうまでもなく「あざ鰯雲」というところである。まず岩手県の風景が、漠然とイメージされる。そして具体的には空だ。真っ青な空。その
2020/09/17 10:03
はくれんは無垢の憂ひを裹(つつ)みをり 能村研三
ハクレン(白木蓮)は、春の到来を告げる美しい花。その純白さは、見る人の心を浄化してくれるようである。今年(2020年)は、新型コロナウイルスの蔓延で、そんなウイルスの汚染を浄化してほしいという願いは、ひときわ強いのである。掲句は、「無垢の憂いを裹む」、その姿がハ
2020/09/11 12:24
寄せられて海押し返す海月かな 辻美奈子
浜辺近くに海月が打ち寄せられたのだろう。次の波が押し寄せると、引いて行く波に乗って海月も海の方に戻っていった。作者は、例えば高濱虚子が大根の葉に焦点を絞って句を作ったように、ひたすら海月に焦点を絞って作っている。ここには海月以外のなにもない。そのシンプル
2020/09/09 19:51
さよならの町角に立つ鶏頭花 栗山政子
人は人生の節目に、「さよなら」という。永遠の別れということもある。あるいは、もっと日常的なところで、たくさん「さよなら」は使われている。考えてみれば、味わい深い言葉である。この句、町角でする「さよなら」だが、さて、重い「さよなら」か、軽い「さよなら」かは
2020/09/07 19:47
実態は独居老人おでん食(は)ぶ 戸恒春人
掲句、詩的な言葉は「おでん食ぶ」だけである。いや、これはたんなる季語ですよという方もいるだろう。じじつ、季語だが、季語は詩的言語なのだということを、改めて認識させてくれる句である。ほかに言葉は、少しも詩的でない「実態は独居老人」しかない。しかないのだが、
2020/09/07 19:45
大きな木大きな木蔭夏休み 宇多喜代子
「大きな」という形容詞は、いたって曖昧。そこがこの句の面白さである。「大きな」のリフレインが効いている。大きな木だから、その下にできる木蔭も大きいという常識。その大きな木蔭に憩う心。そんな夏休みが、今始まったという解放感がいっぱい感じられる句。
2020/09/04 12:35
穂絮飛ぶ古関裕而の譜面から 池田義弘
いまオンエアしているNHKの朝ドラは、古関裕而(こせき・ゆうじ)をモデルにしている。NHKのラジオを聴いていると、いまも番組のテーマ音楽でたびたび古関の曲が流れる。いささか古風な曲調だが、けっして暗くない。そんな音楽を奏でるための譜面と、ふわふわと空に舞う綿毛の
2020/09/01 07:43
2020年9月 (1件〜100件)
「ブログリーダー」を活用して、kojitetsuさんをフォローしませんか?