こうもり miomio
こうもり短い前髪吹き上げる風に少し苛立ちを覚えて沈みかけた太陽自転車のライトたったひとりのこうもり帰る場所は決まっているのにピタリとはまる鍵も持っているのにペダルをこぐ右足が前に進まないの行き交う人々の嫌味な笑顔幸せなふりならできる嬉しそうな笑い声だって弱音を吐きたくないから真っすぐ立っていたいから本当は全部逆さまなんでしょひとりで飛んだってさみしくないよなんて嘘つきだよひとりで飛んだってさみしくない訳ないでしょう赤い夕陽遠くに落ちてにごった鐘の音を聞いた手をつなぐ人々見つめあう人々たったひとりのこうもり名前もちゃんとあるんだよ家族も待っていてくれるのに曖昧な記憶の隅にさみしそうなあたしの姿幸せなふりならできる楽しそうな笑い声だって弱音を吐きたくないから真っすぐ立っていたいから本当は全部逆さまなんでしょひとりで...こうもりmiomio
2020/06/20 20:55