天井裏の猫
真海さんは猫を何匹も飼っていた。 愛らしい猫に心癒される日々が続いていた。 家には猫が自由に外へ行き来できる穴が空いていたので、たまに何日か帰ってこない事があったが、いつものことで心配はなかった。 真夏の暑い日が続く季節に、その事件は起こった。 家の壁には通気のために隙間があり、猫はそこから天井裏へと抜けることができた。 その通気の隙間から、タヌキが紛れ込んだらしかった。 真海さんは、数日帰らない猫の行方を心配していた。 古い家屋なので、お風呂場の近くに雨漏りがあり、風呂の蒸気と相まって、以前から天井が腐りかけていた。 「猫ちゃん、今日も帰ってこないのかなぁ…?」 そう、ふと思っていたとき、ミ…
2019/07/31 15:40