人間とは恐怖心やマイナスの感情がないと生き甲斐まで消えてしまう生き物
《恐怖》は、生きる上で最も重要な感情である。恐怖心を抱くからこそ、人間は交通ルールを守るし、おいそれと犯罪に手を出すこともない。が、世の中には、一切の恐怖を感じない人間が存在する。 他人よりも度胸や肝っ玉があるといったレベルの話ではない。脳の障害により、恐怖という概念を持つことができないのだ。この病態、専門的には『クリーバービューシー症候群』と呼ぶ。主に頭部を強く打った患者が発症しやすく、恐怖心の欠如の他、触覚の鈍化や記憶障害などが起きるケースもある。東京・幡ケ谷の安ァパートに住むK(26才)という男が診察室に現れた。近頃、常にイライラしてまともに睡眠が取れないので、眠剤を処方して欲しいという…
2019/12/30 10:51