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ブログタイトル
どうなってんの? マントル細胞リンパ腫闘病記
ブログURL
https://www.aboba.net/
ブログ紹介文
脾臓摘出・生検の結果、判明した病型は標準治療も定まっていないマントル細胞リンパ腫(MCL)だった…。MCLと闘う50代オバさんの記録。
更新頻度(1年)

41回 / 215日(平均1.3回/週)

ブログ村参加:2019/06/24

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ハンドル名
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ブログタイトル
どうなってんの? マントル細胞リンパ腫闘病記
更新頻度
41回 / 215日(平均1.3回/週)
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どうなってんの? マントル細胞リンパ腫闘病記

BONOさんの新着記事

31件〜60件

  • 1コース R-high-CHOPの評価

    2015年8/11(火)。1コース(R-high-CHOP)のday15。今日はリツキサンの日だ。2回目なので投与時間は前回よりだいぶ早い。昼食後に始めて16時には終了した。1コースはday21まであるが、薬の投与はこれでおしまい。白血球も上がったし、次コースまでゆっくりリラックスして過ごすのみ。と思っていたら、明日は早くも1コースの評価のためのCTや骨髄穿刺などの検査予定が入った。効果が認められなかったら治療変更になってしまうのでちょっとドキドキだが、先生方は回診の度に「順調ですよ」と言われるので、まぁ大丈夫だろう。 2015年8/12(水)。1コースのday15。朝の採血で白血球がドカンと…

  • 熱発対策

    花火見物が終わり、夫を見送って早めに就寝。夜中、ふと目が覚めて何の気なしに体温を測ってみると… あれ、微熱がある。体温計は37.7℃ を示していた。もう一度測りなおしたが、37.8℃ だ。入院以来37℃ を超えたことはなかったので、どうやら熱発らしい。悪寒や頭痛はなく、気分はいたって普通だが、37.5℃ を超えたらすぐ言うようにとのことだったので、躊躇せずナースコールする。体温計を見せると、わかりました、と看護師さんはすぐさま採血→血液培養(血培)を行った。血液培養検査は小さなガラスのボトルに血液を注入し、検査室で培養して血液中に微生物がいないかを調べる。微生物がいる状態を菌血症というらしい。…

  • 東京湾花火

    2015年8/8(土)。1コース(R-high-CHOP)のday12。白血球減少期のため、day8 にG-CFS注再開、以来毎日投与されている。day11に白血球が1,000/μl になったので、そろそろ感染症に要注意だ。この週のはじめ、担当の看護師K野さんが「今週の土曜日、東京湾花火があるのご存知ですか?この部屋からバッチリ見えますよ」と言う。K野さんは仕事が丁寧確実かつ速いデキるナースである。しかも美人。「エアコンの効いたお部屋で、ゆっくり花火をお楽しみください」素敵な笑顔でそう言い残して部屋を出るK野さんの背中を見送りつつ、まるでコンシェルジュつきの高級ホテルだなぁ、とウットリする。東…

  • ドクターはチェックマン

    2015年8月2日(日)。1コース(R-high-CHOP)のday6。本日よりG-CFS注(グラン)で白血球を増やす。 8/3(月)day7、白血球減少期だが、前日のグランが効いて白血球高値。したがってこの日はグラン中止。G-CFSを注射すると、その夜は高頻度で骨痛、腰痛やだるさなどが起きるらしい。しかし昨夜、骨痛やだるさはまったくなかった。この症状が出ると「痛いけど、骨髄が頑張ってるんだな、と実感する」とリンパ腫患者さんのブログなどによく書いてあるが、どうやら私の場合は症状が出ないようだ。でも白血球はしっかり上がっていたので、まぁいいか。主治医のM先生と担当医のT先生(チーフ)は一日1回、…

  • ダメージは0?

    2015年8月1日(土)。1コース(R-high-CHOP)のday5。day2 から続いていた輸液がやっと終了、10時に点滴棒から解放された。今のところ副作用が軽いのでとても楽だが、地味に辛いのが尿量測定(尿測)だ。なにせ輸液がジャンジャン入っていたのでトイレ頻回。6時間で尿量が600cc以下の場合&夕方体重を測ってday1より1.5kg増えていたら、利尿剤が注射される。その後はもう1時間おき(ヘタすると30分おき)のトイレパレード。回数にして一日20回は軽い。その度に毎回紙コップに受けて量を記録するのだ。やれやれ。しかし、逆にいえばそれくらいしか辛いことがない。吐き気 なし。口内炎 なし。…

  • ネクサス・ジャパン MCL対象 オンライン交流会開催

    闘病記をちょっと中断してお知らせです。悪性リンパ腫の患者会グループ・ネクサス・ジャパンでは、ZOOMを使ったオンライン交流会を催されています。2019年7月11日(木)つまり今週の木曜の夜、マントル細胞リンパ腫(MCL)の方とそのご家族を対象としたオンライン交流会があります。【開催要項】 日時 : 2019年7月11日(木)19:30~21:00(開場19:15)会場 : 「ZOOM」を用いたWebミーティング会費 : お一人500円(グループ・ネクサス・ジャパン会員は無料)対象 : マントル細胞リンパ腫の患者または家族の皆さま(定員20名)家からでも、病院からでも、旅先からでも。PCでもスマ…

  • 夜中のうがい

    2015年7月31日(金)。1コース(R-high-CHOP)のday4。朝起きると、吐き気やだるさはない。が、左手薬指と小指、それに舌下左側にかすかなしびれがある。朝食を食べると、軽い味覚障害も出てきたように感じた。しかしまだ気のせい、と思える程度だ。点滴はソルデムA(輸液)のみ。プレドニン20錠を朝と昼半分づつ飲む。本日の予定はこれだけだ。あとはシャワーを浴びてのんびりするだけ。ヒャッホーイ。担当の看護師さんが口内炎にならないようにと、口腔ケアについて色々教えてくれた。歯磨きは朝起きぬけが一番大事。あとは毎食後。そして、夜中トイレに行くタイミングでうがいをすると良いですよ、とのこと。うがい…

  • 荒野の三悪人

    2015年7月30日(木)。1コース(R-high-CHOP)のday3。 朝、プレドニン(経口薬)を20錠を渡される。20錠 !? ずいぶん多いなぁ。とても 小さい薬で、ミントタブレットのフリスクに似た感じだが、かなり苦みがあると看護師さんに説明を受けた。これはちょっと飲み方に工夫が必要だ。 プレドニンは副腎皮質ステロイド薬で、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用のほか、この薬自体リンパ系腫瘍細胞の細胞死を誘導する作用があるらしい。飲み薬だけど、結構大事な薬なのだ。免疫が低下するので、感染に注意が必要。血糖値が上昇するので、測定して上がりすぎていれば一時的にインスリンが必要になる。ムー…

  • レジメンと仲良くなろう(R-high-CHOP編)

    2015年7月29日(水)。1コース(R-high-CHOP)のday2(2日目)。 今日は抗がん剤はなし。お昼から輸液が開始され、これは day5 まで続く。その間は点滴棒がお供である。 午後には担当の薬剤師のTさんが挨拶に来られた。親切で相談しやすい雰囲気だ。ここでの治療は薬がメインなので、薬剤師さんの存在は大きい。 さて、ちょっと順序が逆になってしまうが、次にすすむ前にこの療法の全体像について書いておこう。 ※わたしは医療者ではなく、一患者に過ぎません。自身の闘病のために調べたものなので、あくまでも参考程度にとどめて、治療に関する内容はご自身の主治医他医療者に確認をお願いします。 わたし…

  • トップバッター その名はリツキサン

    1回の表、チーム R-Hi-CHOP の攻撃。 バッター 1番 リツキサン。バッチ来いやー! リツキサン(一般名:リツキシマブ)は 分子標的薬。B細胞性リンパ腫細胞に発現しているCD20抗原というタンパク質に結合し、結合した細胞を破壊(溶解)することでこれらの細胞の増殖を抑える薬である。 リツキサンはマウス由来成分を含んだ抗体医薬品で、皮膚のかゆみ、蕁麻疹(じんましん)、息苦しさなどのアナフィラキシー症状が出ることがあるらしい。 もうひとつ心配なのが腫瘍崩壊症候群。腫瘍が急速に死滅(崩壊)するときに起きるらしい。尿酸が増える、カリウム・カルシウム・リンなどの電解質のバランスが崩れる、血液が酸性…

  • CVカテーテル挿入

    2015年7月27日(月)。明日からいよいよ1コース目の抗がん剤治療が始まる。 本日の予定はひとつだけ。薬物を注入するために、中心静脈という心臓に近い太い静脈にCVカテーテル(略してCV)を挿入する。入れる場所は鎖骨下だ。これを入れておけば、点滴のたびに血管に針を刺さずに済む。治療中に頻繁に行う検査のための採血もカテーテルから簡単に行える。 中心静脈穿刺は動脈誤穿刺などのリスクがあるが、担当医のO先生は説明時に 「専門医がいるから心配いりませんよ」と笑顔で言っていた。 この病院にはIVRセンターがある。 O先生の言う専門医とは、CVの専門ではなく、エコーなどで体の中を透かして見ながら細い医療器…

  • 4. わたしの闘病環境 その2

    治療を成功させるためには何が必要か。自分にできることは何か。 窓の外にひろがる景色を眺め、お気に入りの音楽を聴き、心底リラックスしつつ考えた。 まず、自分の病気を知ること。「知らない、わからない、こわい」は一番の敵だ。 つぎに、治療や検査を嫌がったり不安がったりしないこと。 どんなことにもリスクはあるが、調べたり、ドクターに聞いたりして理屈がわかれば、むやみに不安がることもないだろう。 そして、もっとも大事なのは、治療に専念することだ。 長期にわたる入院生活。いろいろ考えたが、お見舞いは夫と姉夫婦のみとさせてもらうことにした。白血球が0に近くなるような強い抗がん剤を使う無菌室での治療で、感染症…

  • 3. わたしの闘病環境 その1

    金曜夕方一時帰宅となり、夫と大型量販店へ。買ったのはノートPCだ。あのすばらしい環境に唯一足りないものはPCだけ。用途は医療サイトで調べものをしたり、ニュースを見たりなので、高スペックなものはいらない。タブレットでも良いか、と思ったが、細かい調べものをするときにはやはりキーボードが欲しい。体調が悪くて横になってるときにはiPhoneがあるし。 というわけで、アジア系メーカーの格安ノートPCをポケットWi-Fiとセットでゲットした(現在院内はフリーWi-Fiになっているが、当時はまだポケットWi-Fiが必要だった)。家に帰り、メーラーの設定などは技術系の夫が頼まなくても全部やってくれた。 日曜夕…

  • 2. Kがん病院 入院

    2015年7月23日(木)。Kがん病院に入院。夫と姉が付き添ってくれた。 手続きが終わり、病棟へ。治療が始まったら無菌室(個室)とのことだったが、とりあえずこの日は4人部屋へ案内された。看護師さんに採血、担当医のO先生に全身状態のチェックをしてもらう。 驚いたのは、医療スタッフ全員が「よくお調べだそうですね」「お詳しいそうですね」と笑顔で声をかけてくることだ。主治医のM先生からの情報だろう。患者が病気について知ろうとすることに対して医療スタッフが好意的なのは、わたしにとって何よりありがたい。 4人部屋の他の患者さんは全員穏やかで話しやすい人たちだった。たまたま魚好きな人が揃っていたので、魚談義…

  • 1. 入院準備

    友人が電話の向こうで泣いている。「死んだらいかん」と言ってしゃくりあげた。 Kがん病院への入院を明後日に控えた夜だった。酔っぱらって電話してきて、最初は笑いながら話していた。しかし、しばらくすると酔いも手伝ったのか、それとも手伝ってもらったのか。あんまり泣くので、当事者のわたしが言うのもおかしな話ではあるが、友人が気の毒になった。 この友人はわたしに何かあると、いつもわたしより先に泣く。わたしがたいていのことで泣かずにいられるのは、彼女のおかげかもしれない。 半年も家を空けるとなると、いろいろと準備も必要になる。うちでは家事分担はあまりやっていなかったので、夫が困らないようにゴミだしルールを表…

  • ご無沙汰です

    最後に更新してから2年以上が経過した。 その間リンパ腫は寛解を続けているものの、いろんなことがあった。そのいろいろに対応しつつ過去を振り返って闘病記を書くのは意外と難しく、すっかり時間が経ってしまった。 もし更新をお待ちくださった方がいらしたら、申し訳ありません。 本編はここから。ここから面白くなるんですよ! …と、公言して自分にはっぱをかけるのであった。 さて、続編のはじまり、はじまり。

  • 春のベランダにて

    長かった冬もそろそろ終わり。球根からつぼみが顔を出し、ハーブが花芽をつけて春一歩前の気配が漂う。ベランダに出て剪定ばさみを手に植物の手入れをしていて、ふとこんなことを考えた。 命にかかわる病気を経験するのは「摘心(てきしん)」に似ているな、と。園芸に親しむ人ならご存知と思うが、摘心は茎の先端(成長点)を摘んで、枝分かれを促す行為だ。結果、枝数が増えてこんもりと茂った株になり、花も実も収穫が増える。しかし、摘心するのは勇気がいる。必要なことだとわかっていても、今日芽が出るか明日出るかと見守ってきた苗の先端を自ら切り取ってしまうのだから。それでも意を決してエイヤッと摘み取る。 あのまままっすぐ、自…

  • 3. 大腸内視鏡検査

    家に帰ったわたしは、日経メディカルの記事と、JCOG(ジェイコグ)(日本臨床腫瘍研究グループ) のサイトからJCOG0406の実施計画書をプリントアウトした。これには大まかなレジメン(薬剤の種類や量・期間・手順など)も載っており、自分がどんな治療を受けるのか把握することができた。この二つのプリントは入院中ずっとわたしのお守り代わりになった。 それにしても、なぜ、M先生はあんなに焦っていたのか。理由は翌日明らかになった。 7月16日(木)。大腸内視鏡検査。 前日は検査食を食べ、当日下剤でおなかを空っぽにして内視鏡検査室へ向かう。この病院には内視鏡科専属の専門医がたくさんいて、主治医のオーダーに従…

  • 2. 運命の治療法

    Kがん病院の初診から、また検査と診察の日々が始まった。 ・7/ 2(初診日)CT ・7/ 7 胃内視鏡 ・7/ 9 骨髄穿刺、心臓超音波 ・7/10 PET/CT ・7/15 再診 ・7/16 大腸内視鏡 家からKがん病院までは電車で1時間半ほどかかる。何度も通うのは骨が折れそうなものだが、この時点でなんの自覚症状もなく、体調良好なわたしは通院を楽しんでいた。 というのも、病院の近くに市場があり、検査の後は散策・買い物ができるのだ。市場の近くには、これまた以前から行きたかった鶏肉専門店「宮川食鳥鶏卵」があった。博多出身で、肉といえば「かしわ」で育ったわたしは、保冷袋に保冷剤を詰めて病院へ行き、…

  • 1. Kがん病院 初診

    2015年7月2日(木)。Kがん病院、初診。 紹介状や病理標本などの資料一式を受付で提出し、外来の診察室へ向かう。大きな病院のわりに、あまり待たされない。受付のシステムがよくできているように感じた。セカンド・オピニオンも含めると相当な患者数だからこそ、システムも練られているのかもしれない。 名前を呼ばれ、診察室に入る。 診察デスクの前に担当のM医師が座っていた。その奥にボブヘアの看護師さんがひとり控えていた。 M先生の第一印象は "あったま良さそう!" であった。キリッと上がった眉、まだ若そうだが絵に描いたようなエリート、に見えた。 軽い問診のあと、横になり触診。頸、腋、鼠径部など。 あれ、ま…

  • 2. 難敵

    やっと敵の正体が見えた。それは予想していたよりずっと難敵であることがわかった。家に帰るなり、すぐに手持ちの本やネットでマントル細胞リンパ腫について調べた。 日本では悪性リンパ腫の約 3% を占め、高年層の男性 (男女比2:1) に多い → 3% のうち、男女比 2:1 なら女性は 1% ってこと? 患者の5年生存率は30%未満、予後不良の病型 標準治療が確立していない 骨髄、消化管(食道‐胃‐小腸‐大腸)に浸潤する頻度が高く、診断時に80%以上は進行した病期(Ⅲ、Ⅳ期)である →わたしも骨髄に浸潤しているのでⅣ期。 脾腫が4割弱に認められ、腹部膨満感が主症状になることもある →まさにわたしがこ…

  • 1. 不意打ち

    入院中、N医師に確定診断が出るまで退院後1か月以上かかる、と言われていた。もともと生検に時間がかかる上、この病院に月1で来院する病理の権威の先生にも診てもらうため、とのことだった。 時間はかかっても、ていねいに診てもらえるのは何よりだ。脾臓摘出前の診察で、N先生には「生検しないと正確にはわからないが、おそらく脾辺縁帯リンパ腫ではないかと思います」と言われていた。病気の進行が遅いので、脾臓を取ったあとは経過観察になるだろう、病気が進行したときに抗がん剤治療をしましょう、とも。わたしとしても脾臓がかなりゆっくりペースで大きくなったという実感があり、脾臓の腫れ以外に自覚症状はまったくなかった。脾辺縁…

  • 6. 退院

    週明け。月曜のイケメン回診で、K先生は「うーん、まだ炎症の値が高いね。退院の判断は当日(明日)の朝だね。抗生剤も明日の朝まで入れましょう」という。でも、後ろの方にいる他の先生たちが「なんか元気になってるよね」とヒソヒソ話しているのが聞こえた。ほんの数日前「感染症じゃないんですか」と大騒ぎしたからなぁ。お恥ずかしい。この様子なら、たぶん予定通り明日退院だろう。 19日(火)朝。病室をすべて片づけ、荷造りを済ませて回診を待つ。イケメン集団がやってきて、うしろの方の先生たちが「あっ、もう片付けてる」とクスクス笑っている。K先生は「まだ炎症の値が高いけど、おそらくこれはリンパ腫から来ているものだろうと…

  • 5. バッハを聴く

    K先生の「退院」の一言で、身体の中からむくむくと生きる意欲のようなものが湧いてきて、カラカラに乾いた喉が水を欲するように音楽が欲しくてたまらなくなった。 それまでテレビもiPhoneも光ってるものを見るのがつらくて、最低限しか見ていなかった。音もあまり耳に入れたくなくて、テレビのニュースは音なし。音楽もまったく聴いていなかったのに。 イヤホンを装着し、iPhoneに入れていたバッハの「マタイ受難曲」プロローグの合唱と最終合唱を再生する。わたしはクリスチャンではないし、こんなときにキリストの受難をテーマにした曲を聴くのは変かもしれない。しかし、なぜか学生時代から数年に一度、わたしの中でマタイブー…

  • 4. イケメン回診

    外科病棟の朝は早く、回診はいつも7時前後である。 この病院の外科のドクターはみなとても若く、とくに主治医K先生のチームは「顔で選んだのか?」と勘繰りたくなるくらい顔面偏差値が高い。まわりのおババ患者はみな「イケメン集団」と喜んで回診を心待ちにしていたが、わたしは正直どうでもよかった。それより、そんな若くて腕のほうはダイジョウブか、と青息吐息で案じていた。 手術から5日目、土曜朝の回診。カーテンを開けて先生方がゾロゾロと入ってきた。K先生は手早くウインスローうしを抜去。うしよ、ありがとう。さようなら! と別れを惜しむ間もなく、 「抗生剤点滴は週明けまで。退院は火曜日かなぁ。まだ炎症の値が高いので…

  • 3. ウインスローうし

    翌日も熱は下がらず。なんとか尿のカテーテルはとれてトイレには行けるようになったが、呼吸の苦しさも痛さもまったく良くなる気配がない。うつらうつら眠って目が覚めると相変わらず「うーん、うーん」とうなっている。ICUに移ります、と言われるのを今か今かと待っているのに、そんな様子は一向にない。 同室の患者さんにおしゃべりなおばちゃんがいて、お見舞いの人と話をしていた。カーテンごしに聞くともなしに耳に入ってきたのは 「歌舞伎役者のナントカさんは手術はうまくいったんだけど、熱が下がらなくてね、感染症で亡くなったんだよ」 というおばちゃんの声だった。これがわたしの耳元でささやいているかのようにハッキリ聞こえ…

  • 2. 院長回診

    朝がやってきた。長く苦しい夜がやっと明けた。 しかし痛みは相変わらずで熱もある。リカバリー室にいるのは手術当夜だけで、翌日は元いた病室に戻されると聞いていたが、こんな状態で大丈夫なのだろうか。死ぬんじゃないのか。病室よりICUに連れていってくれまいか。 などと青息吐息で考えていたら、看護師さんがやってきて「これから院長の回診ですから」という。月に1回だか2回だか、めったにないことらしく、看護師さんはセカセカと緊張ぎみだ。しかし、こちとら院長だろうが王様だろうが大臣だろうが、誰が来ても苦しいことに変わりはない。どうでもいいよ。それどころじゃないんだよ。 しばらくすると、部屋にたくさんの人の気配が…

  • 1. 入院・手術

    2015年5月8日(金)。夫の付き添いでK病院外科に入院。 脾臓っ子(夫命名)の摘出手術は翌週月曜だ。すぐに入院・手術のオリエンテーションを受け、執刀医のK医師と面談する。 K医師はハーフっぽい優しい顔立ちのイケメンで、見るからに若い。診察してくれたベテランのM医師が切ってくれるんじゃなかったのか… と軽く落胆する。命を預けるなら見た目より実績である。 が、話しをはじめた若いK医師はまったく物おじしない堂々とした態度で、テキパキとわかりやすく説明してくれた。どうもそれなりの経験を積んでいるようだ。これなら大丈夫だろう。心の中でGOサインを出す。夫も良い感触を得たようだった。 説明中、K医師は「…

  • 6. 外科受診と検査の日々

    2015年3月18日(水)。 血液内科の初診から数日後、同病院の外科を受診した。診てくれたのはベテランのM 医師。外科部長・消化器病センター長らしい。声とリアクションが大きく、いかにも外科医という感じ。 第一声、「手術するとなると、連休明け、5月10日の週になりますね」5月…。あと1か月半もある。それまでに脾臓が破裂しないだろうか。しかし、この病院の外科はとても混んでいるのだそうだ。仕方ない。 M 医師としても、これほど大きくなった脾臓は取るしかない、という見解だった。病理組織診断もないとなれば、摘出した脾臓で生検するしかない。術式は開腹。脾臓が大きいからね、と M医師。とにかく、これからでき…

  • 5. 転院 はじめての血液内科

    翌週。U病院の紹介状を手に、K病院の血液内科に向かった。初診を担当してくれたN医師は、年のころは私と同じくらい、白髪交じりの穏やかな印象の医師である。N先生は、この病院でのわたしの主治医となった。初診のこの日、たっぷり時間をとって問診、診察をしてくれた。「血液のデータからいって、悪性リンパ腫は間違いないでしょう」とN先生。「リンパ腫の場合、型によって治療法が違うので、生検で型を調べなければならないんですが、あなたの場合、首や脇などのリンパ節が腫れてない。腹腔内のリンパ節は少し腫れているけれど、反応性かもしれないし、お腹の深いところにあるので開腹しないと取れない。やはり脾臓を摘出して生検するしか…

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