書き下ろし短篇『天の川と三途の川』

書き下ろし短篇『天の川と三途の川』

昨日からの雨は土砂降りになり、傘を斜めにかかげてもずぶ濡れの午後5時。馴染みのカウンタースナックに駆け込むと、お客はいなくてテレビだけが喋っていた。東京から小一時間の地方都市。娘時代から家業の飲み屋を手伝ってきたママは50歳を過ぎ、建付けに