【錯体化学】錯体の配位結合と軌道の混成
配位結合 錯体化学において重要な要素の1つが、配位結合である。分子結合を形成する共有結合は、結合に関与する原子がそれぞれ電子を1つずつ出して電子のペアが形成され、この電子のペアによって結合ができる。この共有結合は、ルイスが提唱し、そして現在でも、化学を考えるうえでの基礎的な概念となっている。 一方で、配位結合は、共有結合のように2つの原子から1つずつ電子を共有するのではなく、ある原子の軌道から1対の電子(ローンペア)を出し、相手原子となる原子の空の軌道を占有することによって形成される。そして、錯体化学は、この配位結合の形成という概念を考える必要がある。 配位結合は、電子対を出すアクセプター (…
2023/06/17 10:28