トマトパスタ
正午になろうとしている。ソファで眠ってしまっていたようだ。雨の休日、とくに予定はない。キッチへ向かい、トマトジュースを1缶、手にとる。プルタブをあけ、一口大きくゴクリと飲み、目を瞑り、深く呼吸を吐いた。静かに目を開けると、ボクの視界に飛びこんでくる見覚えのある木札。「梅雨の走りも営業中」ん!?銀河食堂あらわる!古びた戸を開ける。奥から「ほら、座りない」と店主の声が響く。並んだ椅子のひとつに僕は腰かける。店主がテーブルへ運んできたのはパスタ。「トマトパスタ好きだろ?」店主はいう。朝から何も口にしていないので、梅干しを口にしたかのように唾液が溢れてくる。「濃縮トマトが手に入ったからな」と店主はフフンと鼻をならした。「いただきます」とボクは一礼しパスタを口へ運んだ。トマトが実に甘い!果物のような甘味が麺に絡みつ...トマトパスタ
2025/05/22 17:06