ベルク「ヴァイオリン協奏曲」、ブルックナー「交響曲第4番」

ベルク「ヴァイオリン協奏曲」、ブルックナー「交響曲第4番」

ベルク:ヴァイオリン協奏曲ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」ヴァイオリン:神尾真由子指揮:ジョナサン・ノット東京交響楽団(2021.10.16サントリーホール)いい演奏会だった。特にブルックナーは、最後の方に向かって音楽が高揚していく指揮スタイルにまたも魅せられた。しかし、今回のお目当ては神尾真由子の演奏するベルクの協奏曲だったので、まずはそちらから書きたい。ベルクの協奏曲は、20世紀に書かれたヴァイオリン協奏曲の中でも特に有名なものだ。そして12音技法で書かれた音楽の中で、おそらく最も有名な作品と言ってもよいのではないかと思う。この曲は、歌劇「ルル」の作曲を一時中断して完成された。そのため未完成に終わった「ルル」の音楽のファンからは、恨みを買っている曲でもある。この曲には、「ある天使の思い出に」とい...ベルク「ヴァイオリン協奏曲」、ブルックナー「交響曲第4番」