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連載小説 ごりやんくん その18
おじいさんのお墓の前まで来た。 おじいさんの墓石は磨かれているように綺麗だ。 トシヤンは、ヒロムから紙箱を取り上げると蓋を取ってお墓にお供えした。 トシヤンが両手を合わせると、ヒロムとナオボウも真似るように手を合わせる。 おいっ、と言ってトシヤン
2019/03/30 12:30
連載小説 ごりやんくん その17
山道が急に狭くなった。 地図を見るとまたナオボウが道を間違えていた。引き返して進むとまた間違えたりして、ヒロムらは山の中腹をグルグル回っているような感じだった。 さすがに疲れが出た。 トシヤンが休もうと言って腰を下ろす。汗だくの三人に五月の風が気持
2019/03/28 12:56
連載小説 ごりやんくん その16
だが、ヒロムの足取りは重たい。 後ろのナオボウを見ると口を歪めて今にも泣きそうな顔だ。「なあ幽霊ってほんまにおるんかなあ」 ヒロムは前を歩くトシヤンに恐る恐る訊いてみた。「六年が言うからにはほんまにおるんやろ」「ぼく怖いわ」 ヒロムは立ち止
2019/03/27 12:00
連載小説 ごりやんくん その15
「だからなぼくらあ止めとき」 背の高い女の子が、笑いすぎて涙を指で拭いながら言った。「でもな、ぼくらあおばあちやんに言われてどうしてもお墓に行かなあかんのや」 ヒロムは泣き声だ。「何言われたんや」 女の子は真顔で訊く。「このぼた餅お墓にお供
2019/03/26 12:00
連載小説 ごりやんくん その14
「あれ、おじいちゃんどこいったんかな」 と言うと、女の子はまたヒロムらの方を向いた。「あんたらどこ行ってるんよ?」 別の女の子が訊いた。「この上のお墓」 ヒロムが答えた。女の子達は少し驚いた様子で苦笑いをした。「何しにお墓なんか行くんよ」
2019/03/24 19:26
連載小説 ごりやんくん その13
竹林に差し掛かった所で人の声がした。 道から身を乗り出してみると、数人の人影が見える 向こうも気がついてこちらを見上げていた。六年の女子だ。 三人ともクワを持っている。「あんたらこんなとこで何してんのん?」 と女子の一人。「ちょっとやらない
2019/03/23 12:00
連載小説 ごりやんくん その12
「あいつらいつかこてんぱんにやっつけてやるわ」 回復したトシヤンが拳を振りながら立ち上がった。さっきの弱さが嘘のようだ。 トシヤンはまたもとの頼もしい顔のトシヤンに戻っていた。 でも、なぜ親子ザルは僕たちを助けてくれたのだろう。 ひょっとしたらお
2019/03/22 12:00
連載小説 ごりやんくん その11
見ると、一人の肩には親ザルが、もう一人の肩には小ザルが飛び乗っている。 二人は、歯をむき出したサルに顔を引っ掻かれていた。 さっきの親子ザルだ。 ぎゃーっ! 悲鳴を上げながら二人組は逃げてしまった。「今のうちや」 トシヤンが言うと、ヒロムはぼ
2019/03/21 12:00
連載小説 ごりやんくん その10
「その箱なんだよ」 二人組はヒロムが大事そうに持つ紙箱に目を付けた。「なんでも~ないです~」 トシヤンがか細く言う。 二人組はお構いなしにヒロムに近寄って紙箱を取ろうとした。 こいつらには絶対に渡せないっ。 おじいさんに食べさせる大事なぼた餅を
2019/03/20 12:14
2019年3月 (1件〜100件)
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