「一千一秒物語」稲垣足穂
なんというか面白い。すっと読んですっと心に残る感じ。 天体嗜好症: 一千一秒物語 (河出文庫) 思ったこと 全体としては無限のような時間を過ごす星や月と、ある人間の淡い一瞬。 一つ一つの作品を見ると荒唐無稽のバカなヤツの話のように感じた。 また、メルヘンと儚さを同時に想起させ、単純な寓話ではなく、星や月などのキラキラした空気と小宇宙の無機質的乾いた空気を感じた。さらに唐突に数学や物理の用語が使われるのが、より味わい深い。 この本が書かれた戦時日本はどのような姿だったのかちょっと気になった。 ここ好き ・流星と格闘した話 しばらくたつとシューといって流星が頭の上を通り過ぎた。ねらいを定めてズドン…
2019/05/30 22:40