つはもの共が夢のあと「古戦場火」
概要 鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より「古戦場火」 一将功なりて万骨かれし枯野には、燐火とて火のもゆる事あり是は血のこぼれたる跡よりもえ出る火なりといへり 月の出ない夜、男が道を歩いていると何もないはずの草原にぼんやりと火がともっている。 何かと思って目を凝らすと、2つ3つ増えてゆき、何かを探すように揺らめき、飛び回る。男は気味が悪くなってその場を逃げるように去っていった。 後日、火が舞っていた場所が古い合戦上であったと聞く。あの火は戦で死んでいった侍の無念の魂に違いないと思い、男はその道を通るたびに手を合わせるのであった。
2018/10/21 16:09